車を弄っていく中で、配線を加工しなくてはいけない場面も少なくありません。
- スピーカーの取り付け
- ETCやドラレコの取り付け
- オーディオの交換 などなど
そんな時に必要になるのが、配線加工です。
この記事では、初めての人にも分かりやすく画像多めで配線加工のやり方を紹介していきます。
- 2本の配線を繋げる方法
- 1本の配線から2本に分岐する方法
少し長い記事になってしまっているので、目次から必要な項目をタップしてダイレクトに飛んでもらえたらと思います。
配線加工に使用する工具やモノ
配線加工をする前に用意するべきものは、以下があげられます。
- 電工ペンチ(圧着ペンチ)
- ギボシ端子のペア
- エレクトロタップ
- 半田コテ
- ビニールテープ
- 熱収縮チューブ
ここで挙げている工具やモノが全て必要なわけではないです。
必要に応じて揃えて下さい。
工具に関しては、電工ペンチを使用する機会が多いです。
これからちょこちょこ配線加工をする機会がありそうな方は、ネットでお得用のギボシ端子セット(量が多めのやつ)を購入しておくと安上がりです。
※カー用品店やホームセンター等様々なところで入手可能ですが、結構割高です…。
配線加工のやり方
DIYユーザーがよく使うであろう、配線加工は主にこの2つだと思います。
- 配線同士を繋げる加工
- 配線を分岐する加工
配線同士を繋げる方法に関しては、3パターン。分岐方法については2パターン紹介します。
自分の目的ややりやすい方法を試してみて下さい。
配線を繋げる3つの方法
2本の配線を1つにつなげる際には、以下の方法があります。
- ギボシ端子でつなげる
- エレクトロタップでつなげる
- 半田でつなげる(直繋ぎ)
それぞれ画像付きで解説します。
ギボシ端子で繋げる
ギボシ端子で2本の配線をつなげる際は、以下の手順で作業します。
- カバーを通す
- 先端の皮膜を剥く
- ギボシ端子をカシメる
1番初めにカバーを通すのは、ギボシ端子をカシメた後からでは通せないからです。※忘れないうちに通しておいた方が良いよ。
こんなこと言いつつ、たまにやらかす…。カシメたギボシ端子を切断する羽目に…
カバーを通したら、先端の皮膜を10ミリ程度剥いてやります。
中の銅線が細い場合は、倍の20ミリほど剥いてあげて銅線を半分に折り曲げてやる方法も有効です。
多くの電工ペンチには、ワイヤーストリッパーがついているので配線の太さにあった場所で皮膜を剥いてやります。※画像のやつはワイヤーストリッパー単体。
単体で使用するなら、本来ならこういう工具が使いやすいです。
電工ペンチについている刃の切れ味がイマイチなので、分けて使ってます。
配線の太さなんてよく分かんねーよ…どこで切れば良いんだ。
そんな方は、太い配線用の場所から順番に試すことをおすすめします。配線よりも細いサイズ用で剥こうとすると、中の銅線も一緒に切れて配線が細っちくなってしまいます。
皮膜が向けたら、あとはギボシ端子をカシメます。
ギボシ端子の位置は、画像を確認して下さい。銅線側を抑える爪に被膜が被らないギリギリ辺りが理想です。
※被膜部分に爪が乗っかると、接触不良の原因になります。
ギボシ端子をカシメる際は、銅線側をカシメてから皮膜がある方をカシメます。
画像のように、電工ペンチでギボシを軽く握り、銅線の位置を合わせて握ってやります。電工ペンチの向きは、溝側がギボシの爪側に来るように使います。
初めは軽く握り、ギボシの爪を少しずつ折り曲げ、綺麗に爪が折れていることを確認してからガッツリ握ると上手くいきます。
銅線側のカシメが出来たら、皮膜がある方も同じ容量でカシメてやります。
皮膜側のカシメに関しては、カシメ終えたギボシを画像の角度から見て【ハート型】に皮膜中央部分をガッツリ抑えられていればOKです。
皮膜にギボシの爪が食い込むように。
ここが上手く出来ていないギボシ端子は、ギボシ同士を抜く際にギボシが抜けちゃいます…。
ギボシ端子をカシメ終えたオスメスの2ショット画像がこちらです。
以外に知らない方が多いです。ギボシ端子を組み付ける際には、向きがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
エレクトロタップで繋げる
エレクトロタップとは、この画像のやつです。よく分からないけど見たことあるって人も多いかもしれません。
カニって呼ばれたりします。
コイツも、2本の配線をつなげる事ができる代物です。
使い方は、とてつもなくシンプル。
つなげたい配線をそれぞれエレクトロタップの溝の上に誘導させて、あとはプライヤー等でエレクトロタップを握るだけです。
配線加工の基本でもある、配線の皮膜を剥く必要すらありません。
分かりやすく、1度エレクトロタップで連結した配線を分解しました。
※エレクトロタップは基本1回カシメて外したら、使い物にならないので注意です。
画像のように、エレクトロタップの金属部分に配線が押し込まれて、配線の皮膜が向ける構造です。
そんなこんなで、エレクトロタップを使用する場合は、皮膜を剥かずに挟み込むこむだけで連結可能です。
便利な反面、接触不良の原因になることも珍しくありません。※個人的な主観ですが、見栄えも…。
直繋ぎ
最後に、直繋ぎのやり方です。このやり方は、少し手間ですがもっとも確実に2本の配線を1つにすることが可能です。
もう2度と取ることがない配線を繋げるなら、このやり方がもっとも信頼性が高いです。
2本の配線をお互いに、皮膜を10ミリ程度剥いてやりネジネジして連結させます。
あとは、この連結部分を半田付けしてやれば完了です。
このままだと、配線が剥き出しの状態で宜しく無いので、熱収縮チューブを使って絶縁してやります。
※収縮チューブは先に入れておかないと、通せないことが多い。その辺は、加工する配線次第です。ギボシ端子のカバーと同じですね。
正直、ビニールテープを巻いても良いんですが、それだとスマートじゃ無いよね。って事で収縮チューブがおすすめです。
※ビニールテープだと使用場所によっては、時間が経つにつれてベタベタになるよ…。車内とか結構暑くなるからね。
チューブを配線剥き出し部分に被せたら、ライターで遠目から温めると…
配線を握るように縮まるので、絶縁できる仕組みです。
ただし、配線の太さに合わせたチューブを使用しないと、配線のサイズまで縮まないのでそこだけ注意です。
直つなぎしたい場合は、半田付けが必須です。半田無しで直つなぎされる方も中にはいらっしゃいますが、それだと直つなぎするメリット無いです。※取れちゃうし。
ちなみに半田って半自動タイプの商品もある。
配線を分岐する方法
1本の配線を2本に分岐する方法は、2パターンあります。
- 分岐用のギボシ端子を使用する
- 2本まとめて1本のギボシ端子でカシメる
順番にやり方を解説します。
分岐用のギボシ端子を使用する
1本の配線から2本に分岐したい際は、それ用のギボシ端子があります。
ちなみにコレ。
これをデフォルトのギボシ同様にカシメてやれば、2つのギボシ端子(オス)を差し込むことが出来ますね。※昔誰か3P端子って言ってた。
ここでは【ハーレム端子】って呼んでおきます。逆ハーレムか。(冗談です。)
これが配線を分岐する上でもっともシンプルなやり方です。
2本まとめて1本のギボシ端子でカシメる
先ほど紹介した、分岐用のギボシ端子を使うのがベストですが…
手元に無いしわざわざ買いに行くのは…なんとかならんかね?
そんな時に使えるのが、2本の配線をまとめて1つのギボシ端子でカシメる方法です。
2本の配線を両方とも、皮膜を剥いてやり銅線同士をまとめてやります。
あとは、1本の時同様にギボシ端子を銅線側→皮膜側の順番でカシメます。
どうしても皮膜側2本の太さだと、ギボシ端子の爪が届かないと思うので気持ち爪を広げてやると上手く出来ます。
配線の太さ次第では、絶縁用のカバーに2本の配線が通せますが、通せない場合は先ほど登場した熱収縮チューブで絶縁してやればOKです。
ただし、このやり方だとギボシを抜く際にギボシのカシメ部分が抜けてしまうリスクが高まります。
ギボシ端子の爪は、皮膜部分の中央に爪を喰わせて固定するものです。
2本の配線をまとめてカシメると、画像のように片側ずつの爪が配線を1本1本抱えるようになってしまいます。
これだと、皮膜部分をガッツリ抑えていないので、抜けやすいのです。
さっきも見せたけど、比較すると分かりやすいですね。↓これが理想の形。(取れないギボシのカシメ。)
ココだけは、頭の片隅に置いておいた方が良いと思います。
脱着を想定するような配線なら、分岐用のギボシを購入して使用することをお勧めします。
アース用配線の加工方法(オマケ)
折角なので、最後にアース配線の加工についてお話ししておきます。
アース線に使用したい配線には、画像のような端子を使用します。これを使用すれば、金属部分の固定部に共締めしてアースすることが可能です。
クワ端子とかクワガタ端子って呼ばれ方をします。※先端がワッシャーのような丸型になっている丸端子もある。
使い方(カシメ方)に関しては、通常のギボシ端子と全く同じですので割愛します。
まとめ
配線加工について、2本を1本に繋げる方法と分岐する方法についてお話してました。
配線を加工する際は、ここで紹介した方法で大概の場合は事足ります。これだけ覚えておけば、DIYで使う配線加工はバッチリです。
電工ペンチだけを購入し、ギボシ端子をその都度用意してやれば今後配線加工に困る事はないと思います。
1度覚えてしまえば、そんなに難しいことでもないので、ぜひチャレンジして見て下さい。
この記事が参考になれば幸いです。それでは。
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