車のサスペンションアームには、【偏心カムボルト】という特殊なボルトが使われていることがあります。
偏心カムって何?
そんな方に向けて、偏心カムボルトとは何か?ここについて軽くお話ししていきます。
結論を先に伝えておくと、アームの全長を簡易的に調整する役割を担っています。
偏心カムボルトとは?
偏心カムボルトとは、アームの長さを簡易的に変更する役割を果たすボルトです。
構造は至ってシンプルで、ボルトのネジ山部分とボルトの頭部分の芯がズラして作ってあります。
ココの芯がズレている(中心がズレている)事で、ボルトを回転させるとボルトのポジションが変わります。
偏心カムボルトが使われてる部分は、長穴になっているためこの長穴分、アームの長さが変わります。これを利用してキャンバー角やトー角の調整が可能になります。
※もちろんアームの長さは変わらないけど、アームの位置がズレるので実質アームの長さが変わった時と同じ効果があります。
当たり前ですが、偏心カムボルトが効果を発揮できる条件は、アーム側の取り付け部分もしくは取り付けられる側の穴どちらかが長穴になっている場合に限ります。
※仕組みを理解すれば当然だよね。
つまるところ、元々偏心カムが使われていないところに偏心カムボルトを使ったとしても調整は出来ないよ。という事です。
偏心カムボルトが使われる場所
偏心カムボルトが使われる場所は、大きく以下の3箇所です。(車種によっても違うし、他にもあるかも。)
- トーコントロールアーム
- ロアアーム
- アッパーアーム
あとはテンションロッドとかにも偏心カムが使われている車があったような…(うる覚え)
1番代表的なのは、マルチリンク車の多くに採用されている、トーコントロールアームです。
車種によって、偏心カムの取り付けが手前か奥側か違いがある場合もあります。
画像をよく見ると、円の中心がズレた位置にボルトがいますね。
回すと、ボルトの位置が変わるので、その分アームの取り付け位置がズレて調整が可能になります。調整機構を設けたいけど、アーム本体に調整機能を付けてしまうと、コストが掛かるため、リーズナブルな手段で調整を。と思うと、この偏心カムが採用されます。
まとめ
偏心カムボルトは、色々な車のサスペンションアームに採用されているので、覚えておくと役に立つことがあると思います。
偏心カムボルトを使った調整方法はこちらの記事で解説済みです。※キャンバー調整って書いてあるけどトー角調整にも対応可能です。
それでは。
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