キャンバー角を調整すると、必ずトー角がズレてしまいます(一部だけ例外を除く。後で解説します。)
今更聞きにくいんだけど、なんでキャンバー角を付けるとトー角がズレるの?
そんなユーザーに向けて、この記事ではキャンバー角を付ける(調整する)とトー角がズレる原因について物理的に解説します。
結論を先にお伝えしておくと、ナックルの位置がズレるからです。
キャンバーを調整するとトー角がズレる原因
キャンバー角を付ける(調整する)とナックルの位置が変わるためトー角がズレます。
トー角を決めている部品は以下の2つのどちらかです。
- タイロッド
- トーコントロールアーム
▪️タイロッド
▪️トーコントロールアーム
どちらも共通して、ナックルに取り付けられています。また、全長の長さを調整してやることでトー角を決めています。
※厳密にはナックルに付かない車もあるけど、そのあたり一帯のパーツは連結されているから考え方的には同じ。
つまるところ、ナックルの位置がズレればタイロッドやトーコントロールアームとの長さ関係がズレてしまうので、トー角がズレてしまいます。
キャンバー角が変わるということは、ナックル(ハブ)の角度も変わるので取り付け部分の位置がズレますよね。
これは、サスペンション構造がストラットであろうがダブルウィッシュボーン、マルチリンクでも同じ事です。
※トー角のズレ方に関しては、キャンバーの付け方やタイロッド(トーコン)の取り付け位置によっても異なります。
キャンバー角を調整してもトー角がズレないケース
キャンバー調整をしても、トー角がズレないケースも例外ではありますが、起こりうることもあります。
それは…
- アッパーアーム
- ロアアーム
これらの短縮量と延長量がドンピシャに合った場合です。
つまり、アッパーアームとロアアームを同時に調整式(キャンバーアーム)に交換し、それぞれを同じ長さだけ短縮し延長した場合にトー角がズレないこともあります。
※基本はズレるよ。ズレることがほぼだけど、ズレない場合も当然ゼロでは無いという意味合いで紹介しているだけです。
これは単純に、アッパーアームの短縮とロアアームの延長によるタイロッドの位置関係の変わり方が異なるためです。
- アッパーアーム短縮 タイロッドを押し込む
- ロアアームの短縮 タイロッドを押し出す
この2つの塩梅が上手くいけば、キャンバー調整をする前のタイロッドとナックルの位置関係がズレることなく、トー角もズレないということは起こりうる可能性があります。
また、トー角が取りきれなくなってしまい、調整式のトーコントロールアームを必要とするぐらいのキャンバー角を付けていても、純正のトーコントロールアームだけでトー角が取り切れるケースも出てきます。
正直、この知識は不要と言えば不要ですが、今後も車を弄っていくのであれば押さえておいて損はないと思います。
ここにプラスアルファして、車高の変化をセットで加えてやるとトー角がズレない場合もあります。
車高を下げたり上げたりしてもトー角が変化するため、キャンバー変化に伴うトー変化がかき消されるケースが存在します。
※全くズレないケースはほとんどないんだけども。ぱっと見で分かるほどの変化がないケースであれば…。
まとめ
どれだけ些細なキャンバー調整であろうと、必ずしもトー角のズレが生じます。
キャンバーボルトを使おうと、ピロアッパーマウント、アッパーアーム、ロアアーム、ナックル加工…。全ての調整方法に一貫して言えることです。
これは、キャンバー角の調整に伴い、タイロッドエンド(トーコン)の取り付け部分の位置がズレることが原因です。
キャンバー調整を行った際は、必ずトー角を気にするようにしましょう。
それでは。
▪️関連記事はコチラ