モンキーのエンジンを組み付けているのですが、ピストンを固定しサークリップを付けるところまでは良かったのですが、そこからクリップを回そうとしても、上手く回りません。問題なくクリップは入っているので、このまま先を組み付けてしまっても大丈夫ですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、ピストンクリップが回らない場合はどうすれば良いのか?クリップを回さずに組み付けても良いのか?というテーマでお話ししていきます。
ピストンクリップが回らない場合はどうすれば良い?
ピストンピンを入れて、ピストンをコンロッドに固定した後、ピストンピンの抜け止めとして使用するサークリップですが、取り付けた後は必ず回す必要があります。
これは絶対に。
クリップをはめ込んだ後の回し方は、マイナスドライバー等の先端が細い工具を使用し、クリップの先端を押し込むような形でクリップを回します。
ピストン側の溝径よりもクリップ側の方が当然大きくなっているため、多少力を入れないと回りません。スルスル回るぐらいなら、それは問題あり…。
あまり力を入れ過ぎると、工具の先端がクリップから外れて、ピストンに直撃する可能性もありますので、そこだけ気を付けて慎重に。
もし、どうしてもクリップの先端を押し込んでも、うまくクリップが回らない場合は、クリップがちゃんと入っていないか、クリップの先端のバリが酷く、引っかかっている恐れがあります。この2点を確認してみて下さい。
- クリップの先端にバリは無いか?
- クリップは1周ちゃんと溝に入っているか?
一度取り付けたクリップを再度外すのであれば、念のため新品のクリップを用意して入れ直した方が良いかと思います。
回さずに組み付けた場合はどうなる?
ピストンクリップをはめ込み、ピストン側の切り欠け部分とクリップの先端が合わさった状態のままエンジンを組み付けてしまうと、ピストンクリップが外れてしまう場合があります。
外れたピストンクリップは、エンジンの下側に落ちるか燃焼室側へ上がっていくかの2択。
ピストンクリップが外れた状態だと、ピストンピンがピストンから飛び出てくるため、シリンダーの壁面はピストンピンによってズタボロになります…。同時に、ピストンも使い物にならなくなります。
つまり、ピストンクリップを組み付けた後に説明書の通り、回してやらないと、ピストンクリップがエンジン始動中に外れて、腰上がブローしてしまう場合があるので、絶対にクリップは回す必要があります。
自分の組んだエンジンに起こったことはありませんが、何度かこのような事例でブローしてしまったエンジンを見たことがあります…。
まとめ
ピストンを組み付ける際には、必ずピストンクリップを回して、ピストンの切り欠けとピストンクリップの先端をズラす形で組み終える必要があるため、クリップをはめ込んだ後は、クリップを押し込み回してやる必要があります。
絶対に180度回さなくてはいけないというわけではありませんが、基本的にはピストンの切り欠けから最も遠い位置にクリップの先端を持っていきたいため、180度回すことを強くお勧めします。
ピストンクリップの先端とピストンの切り欠けが揃ったままの状態で腰上を組み付けてしまうと、エンジン始動中にピストンクリップが外れて、ピストンとシリンダーが傷だらけになり、使い物にならなくなってしまう場合があります。
ハマっているだけでもハズレなさそうな気もしなくも無いですけど、外れるので注意が必要です。
それでは。
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