先日、読者さんよりこんな質問を頂きました。
キャンバーボルトでキャンバーを付けたいのですが、ホームセンターで純正より細いボルトを購入して付け替えたらキャンバーボルト同様にキャンバーは付きますか?
この質問の回答としては、理論的にはキャンバーボルトと全く同じなので、もちろんキャンバーは付きます。
しかし、ホームセンターのボルトをキャンバーボルト代わりに使うのは望ましくありません。
ホームセンターのボルトをキャンバーボルトとして使ってはいけない理由についてこの記事で解説していきます。
キャンバーボルトを代用してはいけない理由
なぜホームセンターのボルトをキャンバーボルトとして使ってはいけないの?
そう疑問に思う方も少なく無いと思います。
これは僕だけの意見では無く、車に携わる方であればみんなそう言うと思います。カスタムショップの人とかも同じ事を言うと思います。
これは、ボルトの強度的な問題です。
ボルトには【強度区分】と言うものがあります。
※モノタロウより引用
これは、ボルトの頭部分に刻印されています。
この数字は、そのボルトがどれだけの力に耐えられるか?を示している数字です。
- ホームセンターのボルト 【8.8】
- J−LINEのキャンバーボルト 【10.9】
車の足回りに使われているボルトは、全て必要な強度を計算して決められています。
ここの部分にはどれだだけの力が掛かり、どのくらいの強度があるボルトを使えば折れたり曲がったりする事が無いのか?を考えた上でボルトが決められています。
ボルトの強度が足りていなければ、規定のトルクでボルトを締め込んだだけでボルトがねじ切れる場合もあります。
ホームセンターで販売されているボルトでは、ストラットを固定しているボルトの強度と比べた時に、明らかに強度が足りていないから、キャンバーボルトとして代用してはいけないのです。
ホームセンターにも強度区分【10.9】のキャップボルトを取り扱っている店舗もありますが、あのボルトはクロモリ製のボルトのため【サビサビ】になるのでオススメしません…。
キャンバーボルトは単に細いだけでは無い
キャンバーボルトとして、販売されているボルトは単純細いだけではありません。
先ほどお伝えした、強度面を考えつつ細いボルトを作成しています。
あの有名な【J−LINE】からもキャンバーボルトが販売されており、J–LINEの担当者がこちらの記事でキャンバーボルトにまつわる話をされています。
僕自身も、J-LINEさんのキャンバーボルトを使用した経験があります。
キャンバーボルトが買えないならキャンバーは諦め
そもそも、キャンバーボルトで、予算をケチるのは問題外です。
決められた予算内で車を弄っている方も大勢いらっしゃると思います。
しかし、数1000円で購入できるキャンバーボルトをケチった所で、大した節約にはならないし、リスクが大き過ぎると言う意味合いです。
数1000円をケチったばっかりに、走行中ボルトが折れてしまえば、色々な場所を壊してしまう可能性だってあるし、事故に繋がる可能性もある。
FF車で走行中にストラットが外れれば、ドライブシャフトが抜けて自走不可になる可能性も十分想定出来ます。
その場から動けなくなれば、レッカーを手配しなくてはいけない羽目になります。
目先の出費だけでなく、その先を見据える事が大切です。
どうしてもケチりたいならボルト屋へ
多分ここまでの内容を読んでも、キャンバーボルト代を抑えた気持ちは変わらない方も多いと思います。
だったらホームセンターではなくボルト屋に行くことをお勧めします。
市販化されている、キャンバーボルトのサイズと強度区分を把握した上で、ボルト屋にいけばそれに近い数値のボルトが手に入ると思います。
その辺のホームセンターには焼き入りのボルトは売ってませんから、ボルト屋で焼き入りのボルトを出してもらえば、ホームセンターのボルトを使うよりはマシです。
ボルトは焼き入りすることで、強度をアップさせる事が可能です。この焼き入りによって必要な強度を出しています。
しかし、ボルトを焼き入りによって強度を上げるには、そもそも素材から変わってきます。
鉄なら何でも焼き入りすれば強度が上がると言うわけでは無いのです。
【炭素】が含まれている鉄に焼き入れをする事で、強度が上がります。ただ、かなり錆びますけどね…。
まとめ
SNS等を見ていても、キャンバーボルトをケチって、ホームセンターのボルトを代用する方を見かける事があります。
ホームセンターのボルトをキャンバーボルトとして使うのはやめましょう。
強度不足で、折れるリスクがあると言うことをよく頭に入れておきましょう。
それでは。
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