モンキーのエンジンをボアアップしようと思っているのですが、オリフィス拡大加工をせずに、オイルクーラーを取り付けて油温管理をしてやれば問題ありませんか?
先日、このような質問を頂きました。
結論からお伝えすると、オイルクーラー取り付けとオリフィス拡大加工は、似たような役割ではあるものの、全く別の意味を持ちます。そのため、どちらかをやれば良いという話ではありません。
その辺について、簡単に紹介していきます。
オイルクーラーはオリフィス拡大のリカバリーにはならない
エンジンをボアアップする際に、オイルクーラーを取り付けるから、オリフィスの拡大はやらなくても良いよね?
このような考えを持っている方も一定数いらっしゃるようですが…
モンキーのエンジンをボアアップした際に、オイルクーラーを付けたりオリフィス拡大の加工を行ったりと、ボアアップしたことによって発生する熱のリカバリーをするのですが、この2つに関しては、似たような意味がありますが、それぞれの根本的な役割が異なります。そのため、どちらかをやっておけば、片方はやらなくても良い。という結論には至りません。
ボアアップする排気量によっては、強化オイルポンプやオリフィス拡大加工をしなてくも、問題ないケースもあるので一概には言えませんが、どちらかと言えば、優先順位的には強化オイルポンプの取り付けとオリフィス拡大になります。
88cc程度のボアアップなら尚更。オイルクーラーの取り付けは二の次ぐらいの勢いです。
※強化オイルポンプの取り付けとオリフィス拡大はセットで行うのが基本です。
【モンキー】オイルクーラーとオリフィス加工それぞれの役割
簡単にオイルクーラーとオリフィス拡大の役割について、補足を入れておくと…
▪️オイルクーラー
- エンジン内部の油温を下げる
▪️オリフィス拡大加工
- 腰上に回すオイル量を増加させる
オイルクーラーの取り付けは、エンジン内部のエンジンオイルを全体的に温度を下げるという目的に対して、強化オイルポンプの取り付けとオリフィス拡大加工は、エンジンの腰上に循環させるオイルの量を増やしてやる。という目的があります。
純正のオリフィス径は、50ccの排気量をもとに設定されているサイズになるため、ボアアップして排気量が上がると、その循環量では冷却が間に合わなくなるため、オイルポンプを強化品に組み替え、オリフィス径の拡大を行い、腰上を循環するオイルの量を増やしてやるということです。
つまるところ、ボアアップしたエンジンの場合、腰上を循環するオイル量が足りていないため、強化品のオイルポンプとオリフィス径の拡大によって、循環するオイル量を増やしてやる必要があるのです。
▪️純正のオリフィス径
▪️拡大加工後のオリフィス径
もっと簡単に言えば、循環するオイルの油温が下がれば良いという話でも無いということです。
まとめ
エンジンをボアアップする際に、オイルクーラーを取り付けてエンジンオイルの油温を下げてやるから、強化オイルポンプの組み付けやオリフィス加工はやらなくても良いよね。
そんな考えを持たれる方も多いようですが、ボアアップしたことで、腰上を循環するオイル量がそもそも足りない状態になるため、そのリカバリーとしてオリフィス拡大の加工を行う必要があります。
オイルクーラーを取り付けて、油温を下げてやれば良いよね。という話では無いので注意が必要です。
88cc程度の排気量でオリフィス拡大と強化オイルポンプの取り付けをしなかったからと言って、すぐにエンジンが壊れるとも限りませんが…。実際に、それらをやっていない人も見かけたことがあります。
ただ、ボアアップしたいのであれば、面倒くさがって省く作業では無いかと個人的には思いますけどね…。強化クラッチもついでに組み付ければ、そのままオイルポンプ部分にも容易にアクセス可能ですからね。
折角、高いお金を払ってボアアップキットを用意しているのに、数千円と手間を省いて、エンジンの寿命が縮んじゃったら悲しく無いですか?
それでは。
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