延長ロアアームをこれから組み付ける予定なのですが、どのぐらいキャンバーが付きますか?またホイールの出面はどうなりますか?
度々このような質問を受けることがあったのですが、僕自身軽自動車に延長ロアアームを組み付ける際には、ドライブシャフトがドン突きを起こしている状態でしか、組み付けることがないため、あまりキャンバー角の変化とか気にすることが無かったのが事実…
そこで先日、友人の車(軽自動車)に純正加工品の延長ロアアームの組み付けを行う際に、ビフォーアフターの画像を収めておきましたので、この記事では、ストラット車の延長ロアアーム組み付け後のキャンバー変化やホイールの出面の変化について紹介していきます。
※当記事は、ストラット車のロアアーム延長に限った話です。
ロアアーム延長におけるキャンバー角の変化量
初めに断っておきますが、FFのストラット構造の場合、キャンバー角を増すためにロアアーム延長を行うものではありません。正直、ロアアーム延長なんてしなくても、角度だけであればいくらでも調整可能なので、費用対効果はかなり悪いかと思います。
確かにキャンバー角が変化するもの事実なんですけどね…。
この前提を踏まえた上で、先日取り付けた車の場合、約1〜2度程度キャンバー角がポジティブ方向へ変化しました。ちなみに、ロアアームのスペックは、10ミリ延長+45ミリの上げ加工です。
これまで他の軽自動車に10ミリ延長や15ミリ延長のロアアームを組み付けてきましたが、おおよそこのぐらいのキャンバー角が変化します。
▪️延長ロアアームを組み込む前
▪️延長ロアアームを組み付け後
※一枚の写真の角度が悪いですが、この方法ちゃんと写真を撮ると結構正確な角度が測れますよ。
今回の車両の場合、ロアアームの延長に加えて45ミリの上げ加工を行なったことによって、ロアアームのバンザイが解消されて、ロアアームが水平になり、車高を下げたことでネガティブ方向へ倒れていたキャンバー角が起きたこともあり、このぐらいの数値になっているかと思います。
ホイールの出面変化について
ストラットのロアアームを延長した場合、ホイールの出面に関しては確実にホイールのリムはフェンダーの外側方向へ出てくる動きになります。
キャンバー角を付けたら、ホイールは内側に入っていくんでしょ?
こう考えている方もかなりいらっしゃいますが、ロアアームを延長した場合はこのような動きにはなりません。経験上ですが、どの毛自動車に延長ロアアームを組み付けても、10ミリ〜15ミリの延長量で、【5〜8ミリ】程度ホイールの頂点は外側に出てきます。
▪️延長ロアアーム組み付け前の出面
▪️延長ロアアーム組み付け後の出面
ちなみに、上の画像の延長ロアアーム組み付け後の写真は、もともと入れてあった3ミリスペーサーを抜いてこの状態です。つまるところ、延長ロアアームを組み付けた後の方がホイールを引っ込めてあるのにも関わらず、ロアアームを延長する前よりもホイールが外に出ているということです。
これは、ストラット構造をよくよく考えてみると分かることかと思います。ロアアームを延長してやると、ハブ周り全体が外側に移動してくるため、結果としてホイールの出面は外側へと移動します。
マルチリンク式のサスペンションの場合は、ロアアームを延長してもハブの上側をアッパーアームが位置を固定しているため、ハブ周り全体が外へ出てくることはありませんが、ストラットの場合にはストラットとロアアームだけでハブを支えている構造のため、このような結果になります。
※マルチリンクの場合も、ロアアーム延長でキャンバー角を調整しても、なかなかホイールの頂点は内側には入ってくれないんですけどね…。
そのため、延長ロアアームを組み付ける前にホイールの出面がバッチリの状態だと、延長ロアアームを組み付けたあとはホイールがツラよりも出てきてしまうということです。
まとめ
ストラット構造の車に10ミリ〜15ミリ程度の延長ロアアームを組み付けると、キャンバー角は1〜2度ほど寝るケースが大半です。また、延長と同時に行われる上げ加工によって、これまでバンザイしていたロアアームが水平になることによっても、ポジティブ方向へ倒れていたキャンバー角が起きてくる兼ね合いからも、キャンバー角がネガティブ方向へ移動するため、キャンバー角の増加に繋がります。
ただ、キャンバー角が1〜2度程度寝る反面、ホイールの出面に関しては、ロアアームを延長する前よりも5ミリ前後フェンダーの外側に出てくるので、そこは頭に入れておいた方が良いかと思います。
これからホイールを購入される方は良いかもしれませんが、すでにホイールが決まっているような方は注意が必要です。
たまに、延長ロアアームを組み付けたら、ホイールが出てきちゃってどう対処すれば良いですか?みたいな質問を受けることも…。こんな質問はして来ないで下さいね…。
それでは。
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