今回シャリーの製作を行なっていく中で大幅に車高を下げた事によってフロントフォークに取り付けているインナーブーツがペチャンコに潰れてしまった…。フロントフォークのインナーブーツが潰れている姿はとても格好が悪い…
そのため、フロントフォークのアウターを短くして、インナーブーツが伸び伸び出来るようにしてあげました。
そこでフロントフォークのアウターカットを行う手順を説明していきます。
今回はシャリーのフロントフォークを加工しましたが、基本的にモンキーのアウターカットも同じ手順になりますので参考にしてみて下さい。
必要な工具
- タップダイス M34 ピッチ1
- 万力(もしくは車体に付けたまま)
- パイプカッター
作業前の注意点
アウターカットを行う際、まず気を付け無ければならないのが先走ってフロントフォークを先に切断してしまわない事。
フロントフォークのアウター部分を5センチカットしたいからと言って、先にアウターをカットしてしまうとタップが立てられなくなってしまいます。
必ずアウターをカットする前に、今あるネジ山からタップダイスを入れて、必要となる長さまでネジ山を作成した後にアウターをカットするようにした下さい。
タップを立てた事がある方だったら分かるかもしれませんが、ネジ山が無い真っさらのパイプにネジ山を新しく作成するのはかなり難しいです。
思うようにタップダイスが入っていかず、ネジ山が出来ても真っ直ぐに入っていきません。今あるネジ山をガイドにしてタップを立てていく事で、新たに綺麗にネジ山を作成していく事が可能になります。
アウターカットの長さ次第では、少し無駄にネジ山を切る羽目になりますが(今回がまさにそうでした。)カットする前にネジ山を作成しましょう。
アウターカットのやり方
アウターガイドのタップ径は【M34 ピッチ1】になります。
タップを立てる時は万力にフロントフォークを固定して加工すると楽チンです。
今回はたまたま知り合いの工場に万力をお借りする事が出来ましたので万力にて作業しました。
万力が使える環境が身近に無いという方は車体に付けたまま、タイヤとインナーフォーク、フェンダーを外して作業する事も可能です。
フロントタイヤを外してしまう為、1人にバイクを支えてもらう必要がありますが、人手があれば充分加工は可能です!
写真の左側がタップを新たに作成した後で、右側がタップを立てる前の状態になります。
今回はアウターカット幅がかなり多かったので少し大変でしたが無事タップを立てる事が出来ました。
アウターカットの量が多い場合は、専用の治具を用意してから作業に入ることをお勧めします。治具があれば、先にアウターをカットし、必要最低限のタップ加工だけで済みますので、とても効率的です。
タップが立て終わったらようやくカット作業に入ります。アウター部分を切断する時に役に立つのがパイプカッターになります。
パイプカッターは人力作業になり、少し大変ですが比較的安く購入可能で、パイプ状のものを真っ直ぐ切断する事が可能です。
カットしたものがコチラ。
タップを立てる前に、純正状態でどの位タップ部分があるのかを計測しておき、その長さに合わせてアウターをカットしてあげましょう。
フォークガイドが取り付けられるだけなのでミリ単位で調整する必要は無くアバウトで大丈夫です。
アウターカットの切断量に関しては、こちらの記事で紹介しています。
まとめ
アウターカットをしたいけど、どこにお願いすればいいのか分からない…。中にはあまり車体をバラした状態にしておきたく無い。
なんて方もいらっしゃると思います!実際に僕もそのような考えの持ち主だったり。笑
一回やってみると大した作業ではありません。しかし、少し工具を集めなければ作業に取り掛かる事が出来ない…そんな方が多いと思います。
仲間内にアウターカットをしたい方がいらっしゃるのであればまとめて加工出来るので作業しやすくなりますね。
この記事では、ネジ山を新たに切り足しする方法を紹介しましたが、溶接をしてアウターカットをする方法もあります。(あえて溶接をする方法をお勧めすることは絶対にありませんが…。)
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