ヘッドカバーガスケットの交換に伴い、その横にあるバキュームポンプに目がいったのでバキュームポンプのOリング交換を行いました。
そこでこの記事では、R56(ミニクーパー)のバキュームポンプやOリングの交換方法について紹介します。
今回、交換した車両はR56前期のクーパーSです。タービンがある関係でNAの車より少しだけ面倒です。
使用する工具
- マイナスドライバー
- ラチェット
- ソケット(8ミリと10ミリ)
- エクステンションバー
- マグネット棒
- 自作工具
※自作工具については、この後簡単に触れておきます。
交換作業の前に工具の自作
ターボありのクーパーSではない場合はこんなことは不要ですが、タービンに繋がるクーラントパイプが邪魔で、バキュームポンプ本体を固定しているボルトにアクセス出来ません。クーラントパイプを固定しているステー部分のボルトを外してみたけど、ほとんどパイプの位置はズラせませんでした。
そのため、パイプに干渉しないように、ボルトが回せるために工具に簡単な細工をしています。
※上の画像がそれ。
実際にバキュームポンプを固定するボルトにソケットを差し込んだ状態で、現物合わせで位置を合わせてボルトを溶接しました。都合の良い長さにするため、1/4ソケットに変換アダプターを接続し、良い位置にボルトを溶接。
【R56】バキュームポンプやOリングの交換方法
バキュームポンプを外す際には、以下の手順で作業します。
- エアダクトを外す
- ポンプに刺さっているホース2本を外す
- バキュームポンプ固定ボルトを外し本体の取り外し
- バキュームポンプを組み付ける
エアダクトに関しては、マイナスドライバーでバンドを緩めて引っこ抜くだけなので割愛します。エンジンのヘッドカバーに刺さるホースは刺さっているだけなので、何もせずに引き抜けます。
ポンプに刺さっているホース2本を外す
バキュームポンプには2本のゴムホースが刺さっています。
下側のホースはただニップルに刺さっているだけ。上側のホースに関しては、接続箇所のプラスチック部分にロック機構がありますので、それを押し込みながら引き抜きます。
※ホースを差し込む時にも、ロック機構部分を手で押し込みながら刺すだけ。
画像を撮り忘れましたが、見れば絶対に分かるから大丈夫。
バキュームポンプ固定ボルトを外して本体の取り外し
あとはバキュームポンプを固定している2本のボルト(8ミリ)を外したら、バキュームポンプが外せる状態です。
※後期の車両は、トルクスのボルトかも。Tいくつかは知らんけど…。
上の画像は、バキュームポンプ下側を固定しているボルトにアクセルしている様子です。下側のホースが刺さっているニップルのちょっと下側、ちょっとだけ奥側にあります。タービンとサーモスタットハウジングを接続しているパイプは、ほとんど動かせませんので、工具のアクセスが非常に悪いです。
ユニバーサル工具を使用する予定でしたが、これだと無理。いけそうでいけないやつ。
そのため先ほども紹介した、簡単な工具を自作してボルトにアクセスします。
こんな感じの位置からアクセスしています。良い距離感のオフセットタイプのメガネレンチでも対応できそうな気がします。
※上側のボルトはガッツリアクセス可能なので写真すら取ってません…。
タービンの口とクーラントパイプの隙間にピッタリ振り下ろせる位置にて、ボルトを溶接していますので完璧です。
探せば、良い感じのミニラチェットとかもありそうですけどね。やり方はいくらでもあるかと思います。
2本のボルトを外せば、あとはバキュームポンプを引き抜き、外すことが可能です。外す際に、少々オイルが下に垂れますので、何か敷いておいた方が良いかと思います。
ポンプを少し回すように引き抜くと外しやすいです。
少しだけゴムハンマーで裏からポンプ本体を叩いて取っ掛かりを作りましたけど。少しでも動けばあとは回しながら抜ける。
バキュームポンプを組み付ける
外したポンプを見ると、おそらくエンジンとポンプの継ぎ目から漏れている気がします。
ポンプ本体の継ぎ目から漏れている場合は、ポンプを丸々交換が基本です。車屋さんの修理実績見ると丸々交換しているケースが目立ちます。トルクのボルトを外して、液体ガスケットで対応する方法もあります。こっちをお勧めします。
バキュームポンプ本体変えるとなると、そこそこ良い値段しますからね…。
今回は、Oリングのみの交換です。エンジン側とポンプ側の掃除をして、新しいOリングを取り付け逆の手順で組み付けてやればOKです。ポンプ側の形状とカムシャフト側の形状が合わさる位置に合わせて入れ込めばOKです。
※位置が合わないと、バキュームポンプが奥まで入らないので、組み付けミスは無い。
掃除した後のポンプの写真を撮り忘れましたが、外側も綺麗に掃除してから組み付け済みです。そうしないと、結局どっちからオイルが漏れているか判断できなくなっちゃいます。
- 左側 新品のOリング
- 右側 外したOリング
外したOリングはカチコチでした。数年経てばきっとまたカチコチですけどね。
▪️今回使用したOリング
まとめ
バキュームポンプやOリングの交換自体はそれほど難しい作業ではありませんので、DIYでも十分作業可能です。
ただ、クーバーSの場合は、タービンのクーラントパイプがある兼ね合いで、下側を固定するボルトの取り外しが少々厄介です。強引に工具を掛けると、ボルトが舐めたりその先に繋がるサーモスタットハウジングを痛めるので、お勧めしません。ハウジング弱いからね…。
クーパーSじゃない個体は、こんなところに躓くことなく、作業が捗るかと思います。
今回、溶接機を使用し工具を自作することで難なく交換を終えましたが、オフセットタイプのメガネレンチでもなんだかいけそうな気がする。
まあ、溶接機は一家に一台あっても良いかと思います。個人的には使用頻度多めです。
それでは。
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