車のラジエターは年数が経ってくると、クーラント漏れを引き起こす事がよくあります。ラジエターが故障し、クーラントが漏れてしまっている状態で、車を走らせ続けてしまうと、車がオーバーヒートしてしまう恐れがあり、高額な修理費が掛かってしまったり、最悪の場合車を乗り換えなければならなくなってしまう恐れもあります。
では一体なぜラジエターは壊れてしまうのか??
この記事では、ラジエターが故障してしまう原因を3つに分けて解説していきます。その他、気になる修理費やラジエターは交換ではなく、修理出来るのか?という話も合わせてしていきます。
ラジエター故障の原因は大きく分けて3つ
ゴムパッキンの経年劣化
ラジエターからクーラントが漏れてしまう場合のほとんどが、ラジエターのアッパータンク部分から漏れてしまいます。
つまり、ラジエター故障の主な原因はパッキンの劣化にあるという事ですね!
これは、アッパータンクが取り付けられている場所に、ゴムパッキンが挟み込まれていて、このゴムパッキンが劣化してしまうと、クーラントが漏れ出してきます。
アッパータンクはこちらの写真からもわかるように、ラジエター本体(アルミ部分)のツメによってカシメられています。
プラスチックの経年劣化
ラジエターのアッパータンクはプラスチックから作られている車が多く、年数が経つと劣化によって割れてしまったり、ひび割れを引き起こす事があります。
先日、友人の車のラジエター交換した際も、アッパータンクのプラスチックが劣化して、ひび割れた部分からクーラントが漏れ出していました…。
ちなみにこの黒い部分がアッパータンクです。
写真ではイマイチわかり難いですが、ヒビ割れが確認出来ます。
アッパータンクのゴムパッキンから漏れる事が多いですが、アッパータンクそのものから漏れ出してしまうケースもあります。
振動や水温上昇
ラジエターには、エンジンの熱で温められた高温のクーラントが流れています。クーラントの温度は90度前後にまで達します。ほとんど沸騰しているお湯と同じぐらいですね。
そして、エンジンが冷え切っている乗る前などは、時期によっても異なりますが、冬は0度近く、夏は25度前後の水温です。
エンジンを掛ける前とエンジン始動後の水温差によってもゴムパッキンは傷んでいきます。これは仕方ない事ですが…どんな物質も温度差の変化には弱いものです。
人間だって、暑かったり、寒かったりすれば風邪を引きます。それと同じなんです。
ラジエターは振動にも弱いです。プラスチックから出来ているという事もあり、走行中の衝撃を常に受け続けていると、年数が経ってきた時に積み重ねられたダメージによってアッパータンクが割れてしまう事があります。
特に、車高を下げたり、硬いサスペンションを使っている人は漏れやすい傾向にあります。純正の車よりも大きな衝撃が加わるためです。
僕自身がこれまで乗ってきた3台は全て、車高を下げていますが、全てラジエターの故障を経験しています…
ラジエター故障の修理費は?
ラジエターが故障し、水漏れを引き起こしてしまった場合、ほとんどの場合はラジエター交換になります。車種によっても異なりますが、最低でも大凡3万〜5万程度の修理費は掛かってきます。
最低でも!という言葉には裏がありまして…
ラジエターが故障し、交換する場合に車屋さんは他の箇所の修理もお勧めしてきます。
ラジエターがダメになっているという事は、ラジエターを繋ぐゴムホースも劣化してきます。そうなれば1度に他のパーツを交換した方が工賃が掛からず安く修理出来るからです。
その他にも、よく一緒に交換するのが【サーモスタット】という部品です。
ちなみにコチラがサーモスタットです。金額はおおよそ2000円前後ぐらいです。
サーモスタットという部品は、エンジン内部からラジエター間を流れる水温を測っていて、水温が上昇する事で弁が開きラジエターに水を流し込む役割をしている部品です。
ラジエターに関わる部品というのは、どこか1つだけ交換する!という場合でも一旦水を抜いてエア抜き作業の手間や、色々バラさないといけない部品が多くなる為、今後壊れそうな部品を一緒に変えてやった方がいいのです。
そのため、ラジエターの修理とはいえ、他にも変える部品が出てくる場合もあるのです。
ちなみにこれは先日僕がラジエターを交換した際の作業内容です。結構大掛かりな作業なんだ!という事が伝わると思います。
夏場は特に故障のリスクが大きい
気温が高くなる夏場は、エンジンの温度も当然上がります。そのため、その熱いエンジンを冷やすクーラントも冬場などと比べて上昇します。
クーラントが高温になる夏場は、ラジエターにも大きな負荷となり、夏場にラジエターが故障してしまうというケースが多いです。
もちろん、寒い冬場にラジエターが故障するケースもあります。
外車は特に故障する
これは仲の良い車屋さんから聞いた話ですが、外車のラジエター故障はメーカーに限らず、よく起こり得る事だそうです。
理由は、2つ
- ゴムの素材があまり良くない
- 日本はGO &STOPが多い
日本車に使われているゴムパッキンよりも、素材が良くないため、劣化しやすく漏れてしまう事が多いそうです。
もう一つは、日本の道路環境です。外車は壊れるというイメージが強いかもしれませんが、実は現地で走らせる分にはそれほど故障しないそうです。
日本は、信号機も多く、止まって走ってを頻繁に繰り返す走行スタイルがあるため、余計な負荷が掛かり故障してしまいます。
壊れたラジエターは直せる?
一度水漏れを引き起こしてしまったラジエターを修理する事はほとんどありません。
絶対直せない!という訳ではありませんが、ラジエターが故障する原因はほとんどが経年劣化によるもののため、仮にパッキンの交換が出来たとしても、次にアッパータンクが割れてしまうかもしれません。
そのリスクを考えると、新品に交換してしまった方がよっぽど安心です。
社外の大きいラジエターの修理は耳にしますが、純正のラジエターを修理する事は無い!と言っても過言ではありません。
あまり、直して使う部品ではありませんね…
漏れ止めは使わない方がいい
これはクーラントに限った事ではありませんが、漏れ止めは使わない方が良いです。
カー用品店に行くと、オイルの漏れ止め剤やクーラントの漏れ止め剤が店頭に並んでいますが、漏れている所に漏れ止め剤を入れて、漏れが止まった!という話を聞いた事がありません。
ちなみにこんな感じの商品です。
僕自身も以前に、たまたま友人にもらったので一度入れた事がありますが、全く変化はありませんでした。
ただ単に変化が無いだけならいいですが、漏れ止め剤には古くなったゴムパッキンを溶かして穴を塞ぐ仕組みです。
つまり、ダメなっていないパッキンをダメにしてしまうリスクもあります。特にエンジン内のガスケットをダメにしてしまうような事があれば、エンジン内分にクーラントが入り込んでしまい、高額な修理費が嵩む事になりかねません…
漏れを確認したら、漏れ止めは入れずに修理を行いましょう。
まとめ
ラジエターの故障はどんな車にでも起こりうる可能性があるという事を頭に入れておきましょう!
特に新車登録から10年が経過している車や、走行距離が10万キロを超えている場合は特に、故障してしまう恐れがあります。
あくまで目安に過ぎませんが、よくラジエターが故障し、クーラントが漏れ出す節目の数字でもあります。
ラジエター の故障に気が付かず、車に乗り続けてしまうと、オーバーヒートを引き起こす原因になり、ラジエター 交換だけでは済まされなくなってしまいますので注意が必要です。
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