ヘッドカバーガスケットからエンジンオイルが漏れてきているから、交換しようと思うんだけど、自分でも交換出来るかな?パッキン変えるだけだもんね?
こんな疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、ヘッドカバーガスケットの交換方法について紹介していきます。車種によって、多少異なる部分もあるものの、基本的な交換方法は同じです。
それほど難しい作業ではありませんので、基本的なことだけ頭に入れておけばDIYで作業可能です。
使用する工具
- ラチェット
- ソケット
- スクレーパー
- パーツクリーナー
- 液体ガスケット
- クリップ外し
▪️DIYユーザーにお勧めの液体ガスケット
バイク用ですが、これで大丈夫。使い切りサイズで値段も安いしおすすめです。車好きのユーザーさんには、馴染みが無いメーカーさんかと思いますが、大手の二輪向け国産メーカーになります。
ヘッドカバーガスケットを交換する際には、これを使用しますが、特にオイルが漏れたりというトラブルもありません。
耐熱温度に関しても、整備工場でよく使われているワコーズさんのこちらの商品とほとんど変わりありません。
【DIY】ヘッドカバーガスケットの交換方法
ヘッドカバーガスケットの交換方法は以下の通りです。
- カプラーやホース類を外す
- イグニッションコイルを外す
- ヘッドカバーを固定するボルトを外す
- ヘッドカバーを取り外す
- 取り付け面を綺麗に掃除する
- 液体ガスケットを塗る
- パッキンをはめてカバーの取り付け
順番に解説していきます。
カプラーやホース類を外す
まず初めに、エンジンのヘッドカバーに固定されているセンサー類の配線(カプラー)を外したり、ホース類の取り外しをしておきます。
また、ヘッドカバーに配線が固定されている車もありますので、その場合は配線を外しておかないと、ヘッドカバーが外せませんので、忘れずに外しておきます。
ヘッドカバーを外している最中に、外し忘れがあると面倒なので、外し忘れがないか何度かチェックしておくことをお勧めします。
慣れている人なら、外し忘れがあっても、あたふたすることは無いかと思いますが、初めての作業とかだとあたふたしてろくなことに繋がりませんからね…。
イグニッションコイルを外す
イグニッションコイルが取り付けられている状態では、ヘッドカバーが外せないので、イグニッションコイルも外しておきます。
イグニッションコイルは、ボルトで固定されている車が多いです。イグニッションコイルに取り付けられているカプラーを取り外し、ボルトを外して、上に引き抜くと外すことが可能です。
※もしボルトが無い車は、ハマっているだけ。
イグニションコイルだけ外しておけば、プラグ自体は外さなくて大丈夫。むしろプラグを外してしまうと、燃焼室に異物落下のリスクがあるので、外さない方が良いです。もし同時にプラグを変えたいような場合は、先に新しいプラグを取り付けてしまっておく方が良いかと思います。
良い機会なので、プラグの同時交換も良いかもしれません。
イグニッションコイルの取り外しと同時に、イグニッションコイルの配線がヘッドカバーに固定されている場合は、そちらも外しておきます。また、配線がヘッドカバーの外に出るようにどかして置くことも忘れずに。
ヘッドカバーを固定するボルトを外す
あとはヘッドカバーを固定しているボルトを全て外すと、ヘッドカバーが外せる状態です。
取り付けボルトの位置は車によって変わりますので、あくまでも参考程度ですが、上の画像赤丸部分が今回交換している車のヘッドカバーを固定しているボルト位置と本数になります。
ヘッドカバーを固定しているボルトは、長さが異なるボルトが使用されている場合がありますので、戻す際にはボルトの長さに注意です。
もし不安であれば、段ボールに穴を開けて、ボルトを差し込んでおくとボルトの長さと場所が分からなくなることがないので安心です。
この車は、2本だけ長さが異なるだけですし、長さが極端に異なるので、こんなことやる必要は無いんですけどね。説明のためにこのやり方をやっておきました。
今回はヘッドカバーの交換ですが、このやり方は複数のボルトをいっぺんに外す際には有効的な方法です。ボルトを1本1本入れてみて確認すれば、どこに付くボルトか判別可能ですが、スムーズにボルトを取り付けることが出来るので、お勧めです。
ヘッドカバーを取り外す
固定ボルトを全て外すと、ヘッドカバーが外せます。ヘッドカバーは真上に持ち上げる形で取り外します。
パッキンが硬化し、張り付いているケースでは少々外しにくい場合があります。その際には、隙間をクリップ外し等で優しく抉るようにすれば、簡単に外せます。
※強引にやると、カバーが割れたり傷が付いてオイル漏れの原因になるので、必ず優しく。
ヘッドカバーを取り外したあとは、ヘッド内部に落下物がないかの確認もしておくことをお勧めします。ヘッドカバーの部品が落下しやすい車もあります。(ボルト取り付け部のカラー・スペーサーとかね。)落下物に気が付かずカバーを取り付けてしまうと、カム周りをやっつけちゃいます…。
取り付け面を綺麗に掃除する
ヘッドカバーの取り外しが完了したら、ヘッドカバーが乗る部分の面を綺麗に掃除しておきます。ここが汚れていると、せっかくヘッドガスケットを新品に交換しても、再びオイル漏れが発生する原因になります。
ウエス等にパーツクリーナーを吹きかけ、それで吹き上げる形で清掃します。くれぐれも、直接パーツクリーナーを吹きかけないように…。
車種によって、場所は異なりますが、ヘッドカバーの隅には液体ガスケットが使用されています。
こちらの液体ガスケットも綺麗に掃除しておきます。
ガスケットの破片をエンジンの中側に落とさないようにだけ、注意です。また、スクレーパー等を使用する場合は、取り付け面を傷つけないように注意して下さい。深い傷を付けると、オイル漏れの原因になります。
たまにカッター等で、面のガスケットを取る人がいますが、絶対やめた方が良いですよ…。
液体ガスケットを塗る
取り付け面の掃除が終わったら、ヘッドの取り付け面に液体ガスケットを塗布します。これに関しては、ヘッドカバーを外した時に、液体ガスケットが塗布してあった場所と同じ場所に塗ってやればOKです。
※どうしても液体ガスケットの塗布箇所が分からない場合は、ネット等で調べたら出てきます。
これは、メーカーがここに液体ガスケットを塗って下さい。と指示されている場所になります。
パッキンが当たる場所をズラした位置に塗ってやります。(多少は重なる部分もあるかとは思いますが。)パッキンと液体ガスケットの2段構えになるよう。
先に液体ガスケットの塗布に付いて紹介していますが、先にパッキンをはめておいき、カバーの取り付け準備が整ってからガスケットを塗布して下さい。
液体ガスケットは、塗布してから5分前後で表面が固まり出します。その前に、ヘッドカバーを取り付けボルトの締め付けまで完了させるのがベストです。あまりにも時間が経ち過ぎると、液体ガスケットが硬化しちゃうので、なるべくスムーズに作業することをお勧めします。(そこまで慌てる必要は無いですけどね…。)
パッキンをはめてカバーの取り付け
あとはヘッドカバーの裏面にパッキン(ガスケット)をはめ込み、ヘッドカバーを元通り組み付けてやれば作業完了です。
ヘッドカバーガスケット(パッキン)は嵌め込むだけでOKです。
ヘッドカバーをボルトで固定する際には、ボルトを対角線上に締めてやります。そうしないと、ヘッドカバーが斜めになり、オイル漏れの原因になったり、ヘッドカバーが割れたりする原因になります。
また、ボルトを締め付ける際には、対角線上に締めることに加えて、いきなり本締めしないことも重要です。
まずは、ソケットを手に持ち、対角線上に軽く締め付けられるぐらいの力で全てのボルトを固定。その後、レンチ等を使用し、再度対角線上に締め付けていく感じ。
新品のヘッドカバーガスケットは、柔らかいため良く潰れてくれます。そのため、1度で規定トルクまで締めてしまうと、ヘッドカバーがかなり斜めになり、割れたりオイル漏れの可能性が高まりますので、注意です。
締め付けトルクは、車種によって異なりますが、10Nm以下の車が多いです。
古い車だと、ヘッドカバーの材質がアルミになるので、もう少し締め付けトルクが高めになっていますが、最近の車はプラ製のカバーになりますので、締め付けトルクはかなり低めです。締め付けるというよりも、ボルトで軽く抑えておくぐらいのイメージですね。
締め付けトルクが低いと、オイルが漏れてくるのではないかと不安になる方もいるかもしれませんが、ヘッドカバー部分はオイルで満たされているわけじゃないから、漏れてこないよ。
まとめ
ヘッドカバーのガスケット交換は、比較的簡単な作業ですので、基本的なやり方さえ知っていればDIYでも十分作業可能です。
以下の点だけ注意しておけばOKです。
- カバー固定ボルトの締め付けトルク
- エンジン内部の落下物は無いか
- 液体ガスケットの塗布箇所
あとは取り付け面を綺麗に掃除し、パッキンがしっかりハマっていることを確認して、元通りに全てを組み付けてやるだけです。
でもやっぱり自分でやるのは不安だな…。
そんな方は、無理せず車屋さん等に作業を依頼されることをお勧めします。無理してまで、自分でやることは無いかと思います。
それでは。
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