モンキーのパーツを加工するのに、ハンドタップにてネジ穴を開けてやります。
そこでこの記事では、ハンドタップを使用したネジ穴の開け方、作業手順について詳しく紹介していきます。
合わせて、要所要所でコツや注意点も細かく紹介してきます。
用意する工具
- タップ
- タップハンドル
- インパクドリル
- 下穴用のドリル
- センターポンチ
- 面取りカッター
- バイス
- 潤滑油(Kure556)
今回使用した工具類は上記の通りです。
今回はネジ穴を開ける対象物が小さいので万力を使用しています。
用意するべき、下穴のドリルのサイズについてはこちらの記事で紹介してきます。
【金属】ネジ穴の開け方と作業手順
ネジ穴を開ける際の作業手順は以下の通りです。
- センターポンチでネジ穴位置に印をする
- ドリルで下穴を開ける
- 面取りカッターで面取りをする
- ハンドタップでタップをねじ込む
センターポンチでネジ穴位置に印をする
まず初めに、ネジ穴を開けようと思っている位置に、センターポンチを使用して印をつけてやります。
上の画像は既にポンチが打ってある状態です。このポンチを打ってやることで、穴を開ける位置の目印になることはもちろん、ドリルの刃がこの凹みを拾ってくれるので、穴の位置がズレること無く作業可能です。
そのため、ポンチで凹みを作る作業は必須です。
ポンチを打たないと、狙った位置にドリルを置いて穴を開けようと思っても、ドリルの回転に合わせて、ドリルの先端がどんどんズレていってしまいます…。
ドリルで下穴を開ける
ポンチで印をつけたら、そのポンチの凹みにドリルの先端を押し付け、なるべく垂直に下穴が開くように、下穴を開けてやります。
今回は材料がアルミなのでいきなり太いサイズのドリルを使用しても良いですが、4.3ミリのドリルで下穴を開けてから、8.5ミリのドリルで下穴を開けてやります。
開ける下穴径に関しては、自分が開けよと思っているネジサイズに合わせたサイズで下穴を開けてやる必要があります。
※ちなみに今回開けるネジのサイズは、M10のP1.5なので8.5mmが下穴サイズになります。
どのサイズで下穴を開ければ良いのかよく分からん…。
そんな人はこちらの記事をご覧下さい。
面取りカッターで面取りをする
ドリルを使用してネジ穴の下穴を開けたら、タップ加工に入る前に下穴の面取りを行います。面取りには、専用の面取りカッターと呼ばれる工具があるので、そちらを使用すると作業が楽ちんです。
※持っていない人には、別の方法をこのあと紹介しますので、わざわざ購入なくても大丈夫です。
面取りをすると下の画像のように、先ほど開けた穴の外周がデーパー状に削られます。
面取りをしてやる理由は以下の通りです。
- タップが侵入しやすくなる
- タップ加工後のバリが表面に出ない
- ボルトが入れやすい
これらの理由から、ネジ穴を開ける際にはタップを通す前に面取り作業を行う必要があります。
面取りカッターなんて持ってないし、滅多に新規のネジ穴を開ける機会はないからわざわざ購入するのは嫌だな…。
こんな人も多いと思います。
そのような場合には、面取りカッターではなくネジの下穴サイズよりも大きいドリルを使用して面取りをすることも可能です。5mmの下穴を開けるケースであれば、8mmのドリルを使って、開けてある穴に1mm〜1.5mm程度ドリルを落とし込む感じ。
この方法でも、下穴を綺麗に面取りすることが可能です。
ドリルの先端はテーパーになっているので、そのテーパー部分だけを使用するイメージです。
実際に下穴よりも大きいドリルを使用して面取りをしたのが上の写真です。
ハンドタップでタップをねじ込む
下穴の面取りが完了したら、あとは下穴にタップを入れ込み、右回りにタップを回してやればネジ穴の作成が可能です。
この時のコツは以下の通りです。
- タップを垂直に入れる
- 下穴に対して押し込みながらタップをねじ込む
- 4分の1周程度を目安にタップが曲がっていないか確認
手でネジ穴を開ける際には、タップを入れ込む1周目までが勝負です。ここでタップが曲がってしまうと、もう修復は不可能…。そのまま曲がった状態でネジ穴が出来てしまいます。
そのため、最初の1周目〜2周目は少し回したら、タップを横から見ながら曲がっていないかを確認。もし曲がっていたら、少し角度を修正しながら、再度タップをねじ込む。これを繰り返しながら1周目をねじ込み続けます。
最初の2周目ぐらいまでタップが入れば、既に作成されているネジ山をガイドにタップが入っていきますので、半周ほどねじ込んだらタップを一度戻して再度ねじ込み。これを繰り返しながらタップを入れ込んでやります。
定期的に、タップに潤滑油を付けてやりながら、作業しないとタップの刃が欠けたりしてしまいますので、そちらも注意です。
また、以下のようなケースでは、定期的にタップを一度完全に抜き取り、タップの掃除(挟まっているキリコを取り除く)を挟むことをお勧めします。
- タップがスムーズに回らない場合
- ネジ穴を深くまで開ける場合
- 下穴が貫通していない場合
※下穴が貫通していれば、キリコは下に落ちることが出来ますが、貫通していないケースでは、キリコの居場所がなくなり、タップの侵入が厳しくなるケースがあります。キリコをタップで押し付けてしまうような形になり、タップが入っていかなくなります。
無事にネジ穴を開け終えたら、使用するボルトを入れ込んでみてスムーズにネジが回れば作業完了です。
まとめ
金属にネジ穴を開ける場合は以下の作業手順で作業してやります。
- ポンチでネジ穴位置に印をする
- ドリルで下穴を開ける
- 面取りカッターで面取りをする
- ハンドタップでタップをねじ込む
作業内容的には、ドリルでネジ穴の下穴を開けてそこにハンドタップをねじ込んでいけば簡単にネジ穴の作成が可能ですので、それほど難しい作業ではありません。
ただし、新規でネジ穴を開ける際には、特に1周目〜2周目までのねじ込みが重要です。ここで失敗してしまうと、ネジ穴が曲がってしまうので注意が必要です。
それでは。
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