車高を下げるとキャンバーが勝手に付く事を【ナチュラルキャンバー】と呼びます。
車高を下げると何で勝手にキャンバーが付くんだろう?
そんな疑問を抱く方は多いです。
この記事では車高を下げるとキャンバーが付く理由について詳しく解説していきます。
※足回りの構造によってはキャンバーが付かない車も存在します。
ローダウンするとキャンバーはなぜ付く?
何故車高を下げるとキャンバーが付くのか?これは車の足回りは真上にストロークせずに、円弧を描いてストロークする為です。
多分これだけだとサッパリわからん!という方が多いと思うのでイラスト共に解説します。
- 左・・・純正車高
- 右・・・ローダウン
車高が下がる事によってアッパーアームとロアアームは半円を描いて車高が下がった分上に上がっていきます。
バツ印が付いている内側が支点(位置が変わらない)となりアームは稼働するため、ホイール側(ナックル)が内側に入り込む動きになります。
そうすると、アームの支点側とナックル側の水平距離が短くなる事が分かりますよね。
これがローダウンすると勝手にキャンバーが付く理由です。
しかし、全ての車で車高を下げるとキャンバーが付く訳ではありません。
車高を下げるだけでキャンバーが付く構造
車高を下げた時に、ナチュラルキャンバーが付く構造はこの2つです。
- マルチリンク
- ダブルウィッシュボーン
■マルチリンクはこんな感じの足回り
セダンのリアによく採用されている足回りです。写真からも分かる通り複数のアームから形成される足回りを意味するのがマルチリンクです。
この写真の車の場合はこれだけのアームが使われています。
- アッパーアーム
- ロアアーム
- テンションロッド
- トーコントロールアーム
■ダブルウィッシュボーンはこんな感じ
ダブルウィッシュボーン式とマルチリンク式の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
アッパーアームの中を車高調が通り、下側ではロアアームに固定されています。
こちらもセダンに良く使われる足回り構造です。
ダブルウィッシュボーンはタイヤハウス内のスペースをかなり使うためほとんどセダン車での採用が多いです。
中には、ロードスターやs2000など車体が小さい車に採用されているケースもあったりしますが…。他にもオデッセイやエリシオン。探せばセダン意外にもあります。
車高を下げてもキャンバーが付かない構造
車高を下げてもキャンバーが付かない(変化しない)足回りはこちらの2つです。
- アクスル車
- ストラット車
アクスル車とストラット車の場合は車高を下げてもほとんどキャンバーの変換はありません。
これは足回りが限りなく垂直に近い形でストロークを行う為です。
ストラット車はキャンバーが起きる場合も
ストラット車の場合、車高の下げ幅によっては、キャンバーが起きる(ポジティブキャンバー)場合があります。
これはアームがロアアーム1本しかない為、ローダウンに伴い半円を描いた場合タイヤの下側だけが車体側に動いてしまう為です。ホイールの上側が取り残されるイメージです。
エアサスを使って目一杯車高を下げているストラット車に良く見られます。
ストラット車の場合は、ここで話しているナチュラルキャンバーとはまた違ったキャンバー変化が起こる構造になっています。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
ナチュラルキャンバーは起こせる
ローダウンに伴い勝手に付いてしまったキャンバーは起こす事が出来ます。
やり方は簡単で、水平距離が短くなってしまったアームを調整式のものに交換して、再び長く延長してあげればいいのです。
調整式のアームを購入するコストや取り付けの手間が掛かりますがキャンバーを起こす事は可能なのです。
詳しくはこちらをご覧ください。キャンバーの起こし方について詳しく解説しています。
まとめ
車高を下げるとキャンバーが付く理由は【アームが半円を描いて稼働するからです。】
車の足回りがどのようにストロークするのかを考えてみるとなぜキャンバーが付くのか?という事が理解出来ると思います。
とは言え、自分の車の足回りを見る機会ってなかなかない方も多いと思います。
サスペンション構造ごとにキャンバー角が変化する構造をこちらの記事で解説しています。足回りの構造を理解すると、車高が下がるとキャンバーが付く原理がよく分かると思います。
それでは。
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