車高調を取り付けるにあたって『ピロアッパーマウント』の有無って大きな差になりますよね。ピロアッパーマウントがあるだけでキャンバー調整が容易になります。
しかし、中には調整式ピロアッパーマウントの設定が無いメーカーの車高調もあります。そうなると皆さん当然流用を考える人も多いです。
また流用と言っても2通りの考え方がありますね。
①メーカー違いのモノを流用
②適合車種違いのモノを流用
そこでこの記事ではピロアッパーマウントって流用出来るのか?また、別の車種のピロアッパーマウントを付けたい!と考える人に向けてのアドバイスもしていきます。
ピロアッパーの流用は出来るのか?
結論を先に述べておくと、流用できる場合も、出来ない場合もある。
- メーカー違いのものを流用
- 車種違いのものを流用
それぞれに確認事項がありますので、詳しく解説していきます。
メーカー違いのモノを流用
結論から言うとメーカーの違うモノ同士のピロアッパーマウントでも取り付ける事は可能です。ただし、流用出来る物もあれば、出来ない物もある!という事だけはしっかり頭に入れおきましょう。
車高調はメーカーによりけり、部分部分の寸法が異なるケースがよくあります。
そのため、今使っている車高調の寸法と、これから流用するメーカーのピロアッパーが取り付けられるかどうか?というのはご自身で判断するしかありません。
僕も過去に何度もメーカー違いのピロアッパーを取り付けてきましたので何を確認すれば良いのか?というポイントについてお話します。
流用前に確認する事
- シャフト径
- シャフトの長さ
流用する前に確認すべきポイントはこの2つになります。
①シャフト径
シャフトの径というは、アッパーマウントを固定するトップナットが取り付けられている部分の径が合うかどうか?という問題です。
例えば、今使ってる車高調のシャフト径がM14なのに、これから流用するピロアッパーのシャフトが通る部分の寸法がM12だったらシャフトに通す事が出来ないので流用出来ませんよね?
またその逆の場合でもピロアッパーとシャフト部分に隙間で出来てしまい、ガタガタになる為流用は出来ません。
多くの国産メーカーはどこも同じ寸法で作られている場合が多いですが、海外メーカーの場合寸法が異なるケースがよく見られます。
ちなみに、以前KW製の車高調にブリッツのピロアッパーマウントを流用しようとしましたが、シャフトの径が異なり出来ませんでした。
②シャフトの長さ
これは確認を忘れがちですが、シャフトの長さが足りずに取り付けが出来ない…というケースも十分に考えられます。
ピロアッパーマウントを取り付ける際には必ずカラーが付きます。
これはピロアッパーマウントのピロ部分と、バネの上に乗っかるスプリングシートのクリアランスを取り、ピロが正常に可動出来るようにするためです。
ゴムブッシュの時よりも、アッパーアームが首を振る角度が大きくなるので、クリアランスを確保しておく必要があります。
そのため、ピロアッパーマウントを付ける場合と付けない場合では必要になるシャフトの長さが異なります。
もし、今使ってる車高調にピロアッパーマウントの設定が無い場合、ここは特に確認が必要です。
確認しておかないと、いざ取り付けよう!とした際にシャフトの長さが足らず、トップナットが固定出来ずに使えない…となってしまう場合も考えられます。
適合車種違いのモノを流用
ピロアッパーマウントって新品だと結構高いし、どうせなら中古で安く欲しい!と願う方も多い!しかしながら中古でピロアッパーマウントがあまり出てこない車種もあります。
そこで、ピロアッパーマウントだけ別の車用を流用しちゃおう!と考える人も少なくないはずです。
現に僕も適合車種用のピロアッパーマウントが出てこなかったため、違う車種のピロアッパーマウントを使っています。
同じメーカー同士の車って結構な確率でストラットタワーの取り付けピッチが同じで、車高調の流用が可能というケースも多いですよね。
僕が知っている限りであれば『ダイハツ』『スズキ』の軽自動車は同じぐらいの年代であればほとんど取り付けが可能です。
これはメーカーごとの規格サイズがあるため共通になっている事が多いです。
しかし、適合車種用の調整式ピロアッパーを流用する際にも注意が必要です。
流用前に確認する事
車種違いものを流用する際は、ストラットタワーの固定位置を確認する必要があります。
ショックの取り付け寸法が同じでも、ショックを付けるために開けられた穴の角度が異なる事が多いです。
穴と穴の距離間が同じで取り付けは出来ても、調整式ピロアッパーの可動域が正常に動かない事があるという事です。
こちらの写真は、ダイハツの軽自動車です。本来適合車種用のピロアッパーマウントを取り付けいれば、調整範囲はタイヤに対して直角に調整が可能になります。
しかし、こちらは別車種のピロアッパーマウントを取り付けている事により、ショックの取り付け位置が異なるため、正常に調整が行えないのです。
ピロボールの可動域を見ると、調整向きがおかしいことがわかると思います。
こちらの写真は全く別の車ですが、このように真横に調整出来るのが本来の調整式ピロアッパーマウントの可動域になります。
調整の可動域がズレていても、走行には大した支障はありませんが、キャンバー調整をする際に、キャスター角がズレてしまう事になります。
それほど大きなズレにはなりませんが、少しでもキャスター角が変わってしまうとハンドルが切れなくなったり、タイヤがフェンダーと干渉してしまう…という方はしっかり適合車種用のピロアッパーマウントを取り付けた方がいいでしょう。
まとめ
この記事では2つの流用パターンについてそれぞれお話をしていきました。
①メーカー違いのモノを流用
②適合車種違いのモノを流用
ピロアッパーマウントを流用出来るか、出来ないかはモノによりけり異なるため、一概に流用出来る!とは言えませんが、流用前に調べておくポイントさえ頭に入れておけば失敗を防ぐ事は可能です。
せっかく買ったのに使えなかった…とならないように必ず流用する前にここでお話したポイントを確認しておきましょう。
それでは。
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