車高調を取り付けて、メジャーを使って左右の車高を合わせたつもりでも、いざ車を着陸させると『左の方が下がってる。』なんて事は良くある事です。
車高調整をミスったかな?
なんて思っている方もいるかもしれませんが、大半はそうではありません。
では一体何故、左右で合わせたはずの車高が左右で合わない原因についてお話していきます。
車高が左右でズレる5つの原因
車高を左右同じにしたはずなのに、いざジャッキを下ろすと右側の方が車高が高い…
こんな経験は誰しもあるのではないでしょうか?僕自身もこの経験はあります。
車高が左右でズレる原因は5つあります。
- 車は最初から車高がバラバラ
- 車体には個体差がある
- 車高を下げた事でボディが歪んだ
- 燃料タンクの位置
- そもそも見ている地面が斜め
1つずつ順番に原因を解説していきます。
車は最初から車高がバラバラ
皆さん車高調を組んで始めて左右の車高の違いに違和感を覚えると思います。
でも実際のところは純正の状態、つまり車高を下げる前から左右の車高は全く同じでは無かった!というお話です。
仮に純正状態の時に左右車高が5ミリズレていたとしてもそれに気が付ける人はほとんどいません。それはフェンダーとタイヤの隙間がガラ空きの為左右差に気がつく事は難しいからです。
しかし、車高調を取り付けて車高が下がるとフェンダーとタイヤ(ホイール)との距離は大きく縮まりますよね?
仮にもフェンダーとタイヤの隙間が左右で10ミリと5ミリだった場合と純正状態で100ミリと105ミリだった場合、どうでしょうか?
100ミリと105ミリに対する5ミリ差に気が付けると思いますか?知っている人が見ても断言するのは難しいレベルだと思います。
車高には左右のズレがある!という事をよく覚えておきましょう!左右で5ミリ車高が違う…そんな車も別に珍しくはありませんからね。
車体には個体差がある
車を設計した段階では、左右の車高が全く同じになるように計算して作られていると思います。
しかし、完成した車には【個体差】と言うものが付き物です。
鉄板を溶接して作られる車のボディーではヨレや歪みを完璧に無くして作り上げる事は不可能です。
これは車に限らず全ての溶接製品に言える事です。鉄板と鉄板を溶接する際にはかなりの高温になります。その時の熱によって歪みというものが生まれます。
この個体差(ボディの歪み方の差)によって左右の車高がズレるのです。
え!そんなの不良品じゃん!
って思う方がいらっしゃるかもしれませんが、車の車高は可動するサスペンションによって左右されるものなので、ある一定数値は仕方のない事なのです。
ヨレや歪みによる寸法誤差は『公差』というもので管理されており、『1ミリ〜3ミリの誤差はオッケーですよ〜』みたいな。
その公差内に収まるものが商品として出荷されていきます。これは車だけではなく皆さんが普段使っている色々な製品対しても同じ事が言えます。
車高を下げた事でボディが歪んだ
車高を下げている事による弊害として、ボディーのヨレや歪みを生んでしまう場合もあります。
純正状態の時よりも車高を下げて車に乗っていたことでヨレや歪みが大きくなっている場合も存在するという事です。
車高を下げて少ないストロークで車を走らせたり、硬いバネを使用する事で路面からのショックを上手く吸収出来ず、ボディーでショックを受けてしまっている場合などはボディーのヨレや歪みに影響します。
車は純正のサスペンション(バネの硬さ)に合わせて作られています。
そのため、純正のサスペンションより硬いバネが使われる車高調だと、ボディに計算以上の負荷が掛かってしまうのです。
燃料タンクの位置
車が走る上では決して欠かすことの出来ない燃料を蓄えておく、『燃料タンク』の設置位置による車高のずれも考えられます。
自分の車の下を覗けば燃料タンクの位置が把握できると思います。
車種によって設置位置はバラバラですが車体の中心ではなく、左右のどちらかによって取り付けられていることが多いです。
そうなれば当然『燃料タンク』に入っているガソリンの重さは左右のどちらかのショックが多めに支えることになります。
もちろん、そんなことは計算の上で車は作られているんですけどね。なかなか全て計算通りとはいかないものです。
少し余談ですが、燃料タンクは給油口と反対側に設置されている車が多いです。
燃料タンクの容量目安
- 軽自動車 30リットル
- コンパクトカー 50リットル
- セダン 80リットル
これだけの量のガソリン荷重が偏ってかかれば左右の車高が5mmずれてしまっても決して不思議なことではありません。
そもそも見ている地面が斜め
多少のズレは当たり前とお伝えしました。
しかしあからさまなズレは他の原因があるかもしれません。
あからさまに左右の車高が違いすぎる場合は地面を疑う必要もあるかもしれません。パッと見は平らに見えている地面でも案外斜めっている!なんて事は良くある事です。
アンドロイドの方はすみません…iPhoneの便利な水準器を使うことで簡単に地面の平行を確認できちゃいますよ。
水平器を使わずに平行な地面を見つけるコツとして、ショッピングモールなどの『立体駐車場』であれば平行な場合が多いです。
建てられてからあまりにも時間が経過している古い立体駐車場なんかだと、地面が平行では無く斜めになっている立体駐車場もあったりしますが、大型のショッピングモールの立体駐車場は広さも充分にあり、水平な地面があるため、左右の車高を図るには最適です。
ショッピングモールなどの駐車場への長居は大変迷惑になりますので、買い物ついでにサラッと車高を測定し、速やかに出るようにしましょう。
左右で車高が違う場合の対処方法
ここまでお話してきて通り、車の車高が左右で違うという問題は極々普通の事でどうしようもない事なのです。
それでも左右の車高が違って気になる…というのであれば、左右で車高調の全長を誤差の数値分変えて左右の車高を合わせてあげましょう。
例えば、右フロントが5ミリ車高が低いのなら…
右フロントの車高調を5ミリ長く調整してあげましょう!と言う事です。
左右の誤差を合わせる程度、左右のショックの長さが違ってもボディーや走りにはなんら影響は出ないです。
レバー比の関係で、車高の誤差分綺麗に調整するとまた車高が左右で合わなくなるのでどこだけは注意です。言っている意味が全く分からないという方は、詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
まとめ
今までは気が付かなかったが、車高を下げていると発見出来る左右の車高差というのは多くの人が経験した事のある事です。
しかし、これは車には付き物と言っても過言ではありません。よく覚えておきましょう。
どうしても左右のズレが気になってしょうがない…という方は左右が同じ高さになるように車高調の長さを調整しましょう。
それでは。
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