車のサスペンション構造には切っても切り離す事ができない【レバー比】の問題。
とは言え知らなくても問題ないと言えば問題ない。けど知っておいた方がいいです。
【レバー比】って何?この疑問を分かりやすく実例を交えて解説していきます。
車高調のレバー比とは?
車高調におけるレバー比とは、タイヤとスプリングの位置関係を意味します。
標準値を【1:1】で表します。ちなみにこれが【標準値】ストラット車ですね。
この位置関係がどんな意味を現すのか?
これはバネに掛かる【力】に大きな影響を与えます。
つまり、バネレートが同じで、車重が同じだった場合でも、足回りの構造によって体感的なバネレートが変わってくるというお話です。
もっと言うと、車のストローク量に違いが出るのです。
レバー比によって体感バネレートが変わる
これは【てこの原理】が大きく関わっています。
- 支点
- 力点
- 作用点
この3つは1度は耳にした事があるはずです。分かりやすく実際に写真で解説します。
支点はロアアームとメンバーサポートの付け根。この画像では切れてしまっていますが、写真の右側です。
- 支点 ロアアームの付け根
- 力点 タイヤ
- 作用点 スプリング
この車の構造を見ると、タイヤとスプリングの距離がかなり離れていますよね??
力点と作用点の距離が離れると、小さい力で大きい力を掛ける事が出来ます。
日常生活の例えで分かりやすく解説すると、握力を鍛えるトレーニング器具を頭に思い浮かべて下さい。
これです。
これを握る時、どちらの方が楽に握れますか?
- グリップの先端側を握った時
- グリップの手前側を握った時
答えは言うまでもなく、グリップの先端側を握った時ですよね??
これが車のサスペンションにも当てはまります。
リアの方がバネが硬いのはレバー比の問題
エンジンがフロントに乗っているので、明らかにフロント車重が重たいのに、何故かリアの方がバネレートが高い…
そんな車はよくあります。
これは先程からお伝えしているレバー比の兼ね合いです。
例えば…
- フロントバネレート 6K
- リアバネレート 10K
このようなメーカー標準セッティングが行われている車高調の場合、目に見えるバネレート自体はリアの方が硬いですが、実際にバネに掛かる荷重を考えると、リアの方が柔らかいという事が分かります。
エンジンがフロント側に積んである場合、絶対にフロントの方が重たいのでこのような見解をする事が出来ます。
余程めちゃくちゃな事をやっている車高調メーカーではない限りこれは絶対です。
レバー比は車高調整にも関わる
レバー比によってバネレートの体感が変わってくるというお話をしてきましたが、影響するのはバネレートだけではありません。
車高調整時にも大きな影響があります。
こちらの車両はレバー比が1.6。
この車で20ミリ車高を調整しようとした場合…
- 20×1.6=32ミリ
つまり32ミリ車高が変化する計算です。あくまで理論上のハナシですけどね!多少は誤差等あると思います。
20ミリ車高を調整したいのに、レバー比の事を何も知らずに20ミリ調整すると、理想よりも12ミリ余分に調整してしまうのです。
このぐらいレバー比は大切です。調整幅が大きくなればなるだけ大きな誤差が生まれるので注意したいですね。
まとめ
レバー比という言葉は知っているけど、いまいち意味は分からないという方が大半です。
レバー比は車を弄る上で必要な知識です。
もちろん全ての車に当てはまる訳ではないので、全く必要ない!という方も多いです。
まずは自分の車の構造を理解する必要があります。
正確なレバー比を知りたい方は、メーカーのホームページ上にある車両データ等を探してみて下さいください。
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