車のサスペンションにおいて【ストローク】という言葉は頻繁に耳にすると思います。
しかし、【伸び側のストローク】と言われるとイマイチ分からない…という方も多いです。
伸び側のストロークってなに?という方に向けて伸び側ストロークについて解説していきます。
伸び側のストロークは、サスペンションを触る上で結構大切ですので頭に入れておきましょう。
伸び側のストロークとは?
伸び側のストロークとは車が地に着地している状態からジャッキアップして、サスペンションが伸びる幅の事を意味します。
こちらの画像をご覧下さい。
- 上側通常時
- 下側ジャッキアップ時
ジャッキアップすると、車重によって縮まっていたサスペンションが完全に伸びきりますよね?
逆の言い方をすると、車を地に着地した際車重によって【どのくらいサスペンションが沈み込んでいるか】とも言えます。
これが伸び側のストロークになります。
これは段差を超えて、サスペンションが沈み込み、再び伸び上がる際に必要になります。
サスペンションが沈み込んだ時、戻る際には沈み込み始める前よりも、ショックが長くなるタイミングがあるのが想像出来るでしょうか?
伸び側のストロークが少ないとどうなる?
伸び側のストロークが少なくなると、次のような症状が出ます。
- ショックの伸びきり
- タイヤが浮いてしまう
伸び側ストロークが少なくなり、1番大きな問題となるのがショックの伸びきりです。
段差を越えた後の反動でサスペンションが伸びようとしても、すぐにサスペンションが伸び切ってしまうため、【異音】や【乗り心地の悪化】、最悪の場合サスペンションの破損にも繋がります。
もう1つはタイヤが浮いてしまってスタックしてしまう恐れがあります。
こちらが伸び側のストロークが少なく、タイヤが浮いてしまっている写真です。
(もっと分かりやすい写真あると思ったら無かった…)
段差を斜めに降りる際、登る際に起こります。片輪が浮いてしまうことで、クルマが動かなくなってしまう場合もあります。
それだけではなく、【ボディー】が歪むこともあります。(目には見えない程度ですが。)
伸び側のストロークが少なくなる原因
伸び側のストロークが少なくなる原因は1つです。
それは【ハイレートなスプリング】を使用した時です。
車高調を新品で買って取り付ける分には、伸び側のストロークが少なくなることはありませんが、【硬いスプリング】などに交換すると伸び側のストロークが少なくなります。
硬いスプリングを入れると、車を浮かした状態から着地させたる際、スプリングは縮まりにくくなりますよね?
そのため、伸び側ストロークが少なくなるのです。
中にはもともとストローク幅が短い車種もあります。
純正のサスペンション設計からショートストロークを採用している車は車高調もショートストロークです。
ストローク幅が短い車だと、少しバネレートが高いだけですぐに伸び側のストローク不足になってしまいます。
伸び側ストロークの確保方法
伸び側を確保する方法は3つあります。
- バネレートを下げる
- ヘルパースプリングの導入
- バネを遊ばせる
ヘルパースプリングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
最後のバネを遊ばせるというのは『あくまで応急処置』程度もしくは伸び側ストロークの確認時におすすめです。
バネが遊んでいる状態はまた別の問題が発生してしまう恐れがあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
ストロークはバランスが命
- 沈み込み側のストローク
- 伸び側のストローク
サスペンションには2つのストロークがありますが、これはバランスが大切です。
どちらかのストローク量が多くなれば、どちらかがおろそかになります。
■沈み込み側のストロークが無くなれば…
- 底付きしてしまう
■伸び側のストロークが無くなれば…
- ショックが伸び切ってしまう
そのため、ストロークはバランスが大切なのです。
まとめ
伸び側のストロークにあまり認識が無かった方もこの記事を気に頭に入れておきましょう。
手っ取り早く伸び側ストロークを作る方法は【ヘルパースプリング】の導入です。
伸び側ストロークが少なく、ショックアブソーバーが伸び切ってしまう現象は【底付き】よりもダメージが大きいですからね。
それでは!
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