先日、組み上げたモンキーのエンジンですが、エンジンを掛けてアクセルを煽ってみると、エンジンの回転数を上げるにつれて、【ヒューヒュー】風切り音のような異音が…。
どうせほとんど乗ることがないバイクなので、分かりきった上で組み付けたのですが、想像以上の音でした…。笑(後日、部品を組み替えました。)
そこでこの記事では、アクセルを開けるとヒューヒュー異音がする原因について紹介していきます。
アクセルを開けるとヒューヒュー、ヒュンヒュン異音がする原因
バイクのアクセルを開けた際に、エンジンの回転数に応じて【ヒューヒュー】【ヒュンヒュン】風切り音みたいな異音が発生する原因は、クランクシャフトベアリングがダメになっているケースが多いです。
クランクシャフトベアリングは、その名の通りクランクシャフトに組み付けられているベアリングで、クランクシャフトの回転をアシストするためのベアリングです。
このベアリングがダメになり、回転時に【シャーシャー】音を立てながら回転するような状態になっていると、アクセルを開けてエンジンの回転数が上がる際、ヒューヒュー異音が発生します。
シャーシャーと音を立ているベアリングが物凄い勢いで回転しているので、そのような音が出てきます。
※もちろん、クランクシャフトベアリング以外から音が発生しているケースもあるとは思いますが…。言葉というかオノマトペだけでは完全なる判断は難しいケースもありますね。
実際にエンジンを掛けた状態で、アクセルを煽ってみてサウンドスコープ等を使用して、クランクシャフト付近の音を確かめて見ると良いと思います。
このためだけにサウンドスコープを購入するのは、馬鹿馬鹿しいと感じる場合は、長めの工具等を当てても異音の発生源が分かったりします。
じゃあなんで書いたんだよ。と言われそうですが、わざわざサウンドスコープは買わなくても良いと思う。
異音を放置しているとどうなる?
クランクシャフトベアリングがシャーシャー音を立てている状態で、そのバイクに乗り続けても今すぐに重大なトラブルが発生するようなケースは稀かと思います。
ただ、長い期間その状態で走行を続けると、最終的にはクランクシャフトベアリングのガタが発生し、クランクシャフトの芯がずれたり、最悪の場合クランクケースが削れてしまうようなトラブルにも繋がりかねません…。
クランクシャフトベアリングがハマっているレース部分のクリアランスが広くなったりするケースも当然あります。
そんな理由から、壊れたら壊れたでま〜良いか。と思えるバイクであれば、そのまま乗り続ける選択を取っても良いかと思いますが、これから先も長く乗っていこうと考えるバイクであれば、なるべく早めにエンジンをOH(オーバーホール)してもらうことをお勧めします。
クランクシャフトベアリングの交換をするには、エンジンを一度全て分解する必要があるので少々工賃は高く付いちゃいますけどね…。
もし、自分で交換しようかな〜。なんて方がいたら、ベアリングプーラーを用意してやる必要があります。圧入されているため、プーラー無しでは外すことが不可能に近いです…。
ホンダ車では例外あり
あくまでもこの記事で紹介している異音の話は、元々音が出ていないバイクに対してのお話ですが、ホンダ車の中には正常な状態で【ヒュンヒュン】音が出るバイクがあります。
※ホンダ車以外にも、あるのですがホンダ車が有名なのでここではホンダの名前を挙げて話を続けます。
ホンダ車の中には、カムチェーンではなく【カムギアトレーン】という構造でカムシャフトを回しているバイクがあり、この駆動を用いているエンジンからは、正常な状態でヒュンヒュン音が出ます。
本来カムの駆動にはチェーンが使用されているケースが多いですが、カムギアトレーンとは、チェーンではなくギアを使用してカムを回しています。そのギアの駆動音がヒュンヒュン音の正体です。
これに関しては、クランクシャフトベアリングは一切関係ありませんので、補足の意味を込めてお伝えしておきました。
▪️カムギアトレーン採用車種例
- CBR
- VF
- VTR
- ホーネット などなど
あまりカムギアトレーンを採用している車種に関して詳しいわけではありませんが、ホーネット250が音が大きいで有名ですね…。
まとめ
バイクのアクセルを煽った際(エンジンの回転数を上げた時)に、ヒューンヒューン、ヒュンヒュン風切り音のような異音が発生している原因は、クランクシャフトベアリングがダメになり、ベアリングが回転する際に【シャーシャー】音が出ているケースが多いです。
当然、クランクシャフトベアリング以外のベアリングから音が出ているケースや、そもそもベアリングからの異音ではないケースもあるかとは思いますが…。
クランクシャフトベアリングからの異音の場合、そのまま放置してバイクに乗っていても今すぐにトラブルや故障に繋がる可能性は極めて低いですが、いずれはベアリングのガタがどんどん大きくなり、クランクシャフトやクランクケースに悪影響を与えることは間違いありません。
そのため、大事に長く乗っていきたいと思っているバイクであれば、早めに交換することをお勧めします。
それでは。
▪️関連記事はこちら