モンキーのエンジンをボアアップしようと思っているのですが、6vエンジンに12vエンジンのボアアップキットを流用することは可能でしょうか?
先日、このような質問を頂きました。
結論から先にお伝えすると、ボアアップキットを流用することは出来ません…。
そこでこの記事では、6vエンジンと12vエンジンでボアアップキットが流用出来ない理由についてお話ししていきます。
※流用する方法もありますので、最後にそちらも合わせて紹介していきます。
【モンキー】6vと12vでボアアップキットが流用出来ない理由
モンキーの6vエンジンと12vエンジンでボアアップキットが流用出来ない理由は、クランクシャフトのコンロッド長さが異なるため、ピストンの寸法が異なるためです。
ピストンにピストンピンを入れる穴から、ピストントップまでの長さが異なるのです。
ちなみに、6vエンジンのクランクシャフトと12vエンジンのクランクシャフトで、3ミリ長さが異なります。
そのため、6vエンジン用のボアアップキットを12vエンジンに組み込んでしまったりその逆をしてしまうと、クランクシャフトが圧縮上視点(最もピストンが高い位置に来るとき)に来た際、ピストンがバルブに干渉してしまったり、十分に混合気を圧縮出来ない状態になってしまします。
そんな理由から、6vエンジンと12vエンジンのボアアップキットをそれぞれに流用することは出来ません。
どうしても流用したいなら
どんな理由があって、ボアアップキットを流用したいのかは人それぞれあると思うので、どうしても流用したい人に向けて流用する方法も簡単に紹介しておきます。
ボアアップキットを流用したい場合は、以下の部品をボアアップキットに合わせてやれば、流用が可能になります。
12vエンジンに6vエンジン用のボアアップキットを流用したい場合は、以下の部品を全て【6vエンジン用】の物に組み替えるということです。(その逆も然り)
- クランクシャフト
- フライホイール
- ジェネレーターベース
エンジンの腰下を分解してやる必要があるので、かなり手間が掛かりますが、クランクシャフトをボアアップキットに合わせてやり、それに伴いフライホイールとジェネレーターベースを入れ替えてやれば、ボアアップキットを流用することが可能です。
クランクシャフトを入れ替えると、フライホイールの固定箇所のシャフト径が異なるので、セットので入れ替えてやる必要があります。
フライホイールを入れ替えると、6vエンジンと12vエンジンで点火方式(CDI点火とポイント点火)が異なるので、ジェネレーターベースも入れ替える必要があります。
▪️6vエンジンと12vエンジンの違い
少しだけ余談ですが、6vエンジンに12vエンジンのボアアップキットを流用するケースだと、点火タイミングを見ているマグネット部分がクランクケースに干渉してしまうので、クランクケースを1箇所削ってやる必要があります。(その辺はやっている人がいるので、自分で調べてみて下さい。)
まとめ
モンキーのエンジンをボアアップする際に、【6vエンジン用】と【12vエンジン用】のボアアップキットを流用すると、ピストンの寸法が異なるため、そのままでは流用出来ません…。
もし流用したい場合は、以下の部品を丸々交換してボアアップキットに合わせてやる必要があります。
- クランクシャフト
- フライホイール
- ジェネレーターベース
よほどの理由がない限りは、自分のエンジンに合っているボアアップキットを使用することをお勧めします。知識がある人は、あれやこれややって流用したりしても全然良いとは思いますが、そうではない人が余計なことをすると、くだらないトラブルが連鎖して嫌になりますよ…。
実際に僕自身もそのような経験を過去にしていますし、沼にハマっている人をSNS等で見かけることもちらほら…。
それでは。
▪️12vエンジン用ボアアップキット
▪️6vエンジン用ボアアップキット
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