スタビライザーは複数のパーツによって支えられています。
スタビライザー付近の部品は、車検時に検査項目に当てはまる部分で、車屋さんからこのままでは車検に通りません…と言われた方も多いでしょう。
実際のところ、スタビライザー本体がダメになり、車検に落ちる事はほぼ(99%)あり得ません。
では一体、何がどうなったら車検に落ちてしまうの?
そんな疑問をこの記事では解説していきます。
結論を先にお伝えしておくと、スタビリンク側に問題があり車検に通らない場合があります。
スタビライザーの役割についてはコチラで解説していますので、本記事では割愛させて頂きます。
スタビライザーで車検に落ちる3パターン
- スタビライザーリンクのブーツ切れ
- スタビライザーリンクのグリス漏れ
- スタビライザーのゴムブッシュ破損
スタビライザー近辺の不具合で、車検に通らない原因はこの3つが挙げられます。
1つずつ順番に解説していきます。
スタビライザーリンクのブーツ切れ
最も多いのが、スタビライザーリンクのブーツ破損によるものです。
スタビライザーリンクとはスタビライザーとサスペンションを固定するリンクの事。
スタビライザーリンクは上下に『ボールジョイント』が使われており、そのボールジョイントを守るために、ゴムのブーツ(カバー)が被せてあります。
- 上側 破れたゴムブーツ
- 下側 新品のスタビライザーリンク
このゴムブーツが破れていると基本的に、車検には通りません。
スタビライザーリンクのグリス漏れ
先程お伝えした、スタビライザーリンクのブーツが破れていて車検に通らないケースと合わせてもう1つ追記しておくと…
ゴムブーツが破れていなくても、中のグリスが飛び出してしまっている場合、車検に通過出来ません。
ゴムブーツは劣化してくると、破れてはいないものの、隙間から中のグリスが漏れてしまう場合があります。
このような場合でも車検に落ちる原因になります。
ブーツが破れておらず、グリスが飛び出してしまって場合であれば、応急的にブーツ周りを洗浄して(グリスを拭き取る)車検に通す事も出来ます。
ただし、今後もその車を乗り続けるのであれば、部品を変えるのが基本です。
スタビライザーのゴムブッシュ破損
スタビライザーは車の【サスペンションメンバー(サブフレーム)】に固定されているのですが、ゴムブッシュを挟み込み固定します。
このゴムブッシュは、スタビライザーが可動した際、金属と金属が擦れる音(異音)を防ぐために取り付けられています。
ゴムブッシュが古くなってくると、摩擦によって擦り切れてしまったり、痩せてしまう場合があります。
これが原因で、スタビライザーにガタが生じたりしていると車検に通らない場合があります。
スタビライザーのゴムブッシュは車検の検査項目には当てはまりませんが、足回りのガタは致命的な欠陥ですので、検査員に見つかればそのまま通すことは出来ないでしょう。
スタビライザーのゴムブッシュが破損していると、異音の原因になりますので、車検云々直す事をおすすめします。
部品自体そんなに高いものではありません。
スタビライザーリンクは交換するもの?
スタビライザーリンクって交換するものなの?という疑問を持たれる方も多いようです。
ゴムブーツだけ変えてくれれば良いんじゃないの?
そんな風に思う方も少なくありません。
確かに、車検通る通らないだけを見ればこの考え方は間違っていません。
ただ、スタビライザーリンクのブーツが破れているということは、中のボールジョイントにも少なからずのダメージはあると考えるのが普通。
これは年式や走行距離、グリス切れなど様々な状況整理のもとです。
そうなれば、ゴムブーツを変えるよりも、スタビライザーリンクを丸ごと交換してしまった方が良い時もあるのです。
このような考え方には3つの理由があります。
- スタビリンク自体の金額がそこまで高くない
- ゴムブーツを交換する手間が掛かる(工賃)
- ジョイントがダメになるかもしれない
このような理由から、スタビライザーリンクはブーツ交換より、丸ごと交換してしまうケースが多いのです。
+ちょっとのお金を払って、スタビライザーリンクまで変えてしまった方がボールジョイントのガタの心配もしなくて良いですからね。
スタビライザーは外しても車検に通る?
あまりスタビライザーを外すメリットはありませんが(街乗り)、一応ここも解説しておきます。
結論から伝えると、問題なく車検に通ります。
ただし条件あり。
- スタビライザーを完全に撤去
- スタビリンクも合わせて撤去
この2つは必ず条件となります。スタビライザーは無いけど、スタビリンクは宙ぶらりんに…。そんな状態では車検に通りません。
必ず、スタビライザーとスタビライザーリンクが車体から外れている事が条件です。
スタビライザーは、元々付いていない車もあります。
中には、前期には付いているのに、後期モデルからはスタビライザーが無い!なんて車も過去に僕が触った車にありました。
そうです。スタビライザーは必ずしも付いていなければいけない部品では無いのです。
そのため、スタビライザーは外してしまっていても、車検に通ります。
まとめ
スタビライザー関連で車検に大きく関わる部品は、【スタビライザーリンク】のゴムブーツです。
スタビライザーリンクは、車のストロークに合わせて常に可動する部品です。
年数が経ったり、距離が伸びてくると必ずと言って良いほど、ゴムブーツが破れてしまうのです。
ゴムブーツの破損は車検に通りませんので、直してから車検に臨みましょう。
また、多くのお店でリンクを丸ごと交換する事をおすすめされると思いますが、まさにその通りなので迷わず交換をお勧めします。
ほとんど金額は変わりませんので、あまりゴムブーツだけ交換するメリットはありません。
それでは。
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