車の整備を行うにあたって、タイロッドエンドを外す作業はチラホラ出てきます。
タイロッドエンドのナットを外したのに、タイロッドが外れない…
そんな局面に出会す方も少なくありません。
そこでこの記事では、タイロッドエンドの外し方を3パターン紹介していきます。
■こんな方に向けた記事
- ナットを外したのに外れない
- これからタイロッドエンドを外す
- そもそもナットが外せない
ナットを外してもタイロッドエンドが外れない理由
何でナットを外したのに、タイロッドエンドが外れないんだろう?何かおかしいのかな?
そんな風に思った方も多いでしょう。
しかし、これは至って普通の事です。車種問わず全ての車種でナットを外しただけで、タイロッドエンドは外れません。
これは、タイロッドエンドに使われるボールジョイントと、ボールジョイントが刺さっている受け側ともに【テーパー形状】になっている事が理由です。
お互いをテーパー形状にする事で、タイロッドエンドのナットを締め込む事によって、お互いがガッチリはまり込みます。
これが、ナットを外したのにタイロッドエンドが外れない理由です。
タイロッドエンドは、ステアリング操作にとっても重要な部品です。
仮にタイロッドエンドのナットを外しただけで、抜けてしまうほどクリアランスがあると、それだけの【ガタ】がある事になります。
そうなれば、当然ステアリング操作に影響が出てきてしまう恐れがあります。
タイロッドエンドの外し方【3パターン】
タイロッドエンドの外し方は1つではありません。
これから紹介する3つの外し方のどれかを使って外していきます。
- タイロッドエンドプーラーを使う
- ギアプーラーを使う
- ハンマーで叩いて外す
3つ目のハンマーで叩いて外すというのは、人によっては『あり得ない…』と思う方もいらっしゃると思います。
これに関しては、注意点がいくつかありますので、その辺りも詳しく解説します。
タイロッドエンドプーラーを使う
こちらは最もスタンダードな、タイロッドエンドの外し方です。
工具名に【タイロッド】という言葉が入るという事は、タイロッドエンドを外す為の工具だ!と感付く方も多いでしょう。
その通り、タイロッドエンドを外す専用の工具が存在します。
それが【タイロッドエンドプーラー】です。
ちなみにこれがタイロッドエンドプーラー。(ボールジョイントプーラー)
使い方は簡単です。
タイロッドエンドが固定されている、ホルダー部分に爪部分を引っ掛けて、タイロッドエンドのボールジョイントのボルト部分とプーラーのボルト部分を合わせます。
そしたら、プーラー側のボルトを締め込むと、ボールジョイントが押し出されて、タイロッドエンドが外れます。
正直、この形状のタイロッドエンドプーラーが1番使いやすいです。(むしろ、タイロッドエンドプーラーと言えばこの形状。)
ギアプーラーを使う
工具の名前こそ違いますが、ギアプーラーもタイロッドエンドプーラーと全く同じ仕組みで、外す事が可能です。
ちなみにこれがギアプーラーです。
こちらは色々な、場面で使い道があり、引っ掛ける為の爪の幅を任意に変えて使う事が出来ます。
ちなみに僕はギアプーラーもタイロッドエンドプーラーも両方持っていますが、ギアプーラーを使う事が多いです。
これはギアプーラーの方が汎用性がある為です。
タイロッドエンドプーラーは、車種によってサイズが合わず入らない場合があります。
これはタイロッドエンドプーラーにはサイズがいくつかあるためです。
その反面で、ギアプーラーの場合だと爪の幅を任意に変えて車体側の寸法に合わせて使う事ができるのでそのような事が無くなります。
そんな理由から、これから工具を買うのであればギアプーラーを購入する事をおすすめします。
ギアプーラーに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ハンマーで叩いて外す
工具が手元になく、工具を買いに行っている暇もない…
そんな場面も中にはあるかと思います。
そんな方には【ハンマーで外す方法】も知っておくと役に立ちます。
ハンマーで叩いて外す場合、2通りの叩く場所があります。
- ボールジョイントのボルト部分を叩く
- タイロッドがハマっているホルダーを叩く
まずは、ボールジョイントがハマっているホルダー部分を叩くことをお勧めします。
ちなみに矢印部分です。
こちらをハンマーで叩く事によって、振動を与えてタイロッドエンドが抜ける仕組みです。
それでも外れない場合は、タイロッドエンドのボルトを叩いて外します。
ボルトは直接叩かずに、不要なナットを入れてナットを叩きます。
ボルトを直接叩いてしまうと、ネジ山が破損してナットが入らなくなってしまうので、絶対にやめましょう。
ボルトを保護する意味合いで、ナットをつけて叩きます。
叩く際には、ナットとの隙間を作ってあげましょう。ここに隙間が無いと、当然ボールジョイントが外れません。
慣れている方だと、タイロッドエンドを固定しているナットをひっくり返しに固定し、叩く場合もあるのですが…
慣れていない方がやると、ナットが変形して使い物にならなくなる場合があります。
そのため、不要なナットを取り付けてナットを叩いて外しましょう。
ナットより少しボルトが引っ込む程度の位置に、調整しながらナットを付けましょう。
ナットが少ししかネジ山に掛かっていない状況で叩いてしまうと、ネジ山に大きな負担を与えてしまいます。
そうなれば当然、ネジ山を破損してしまうリクスを伴います。
そのような理由で、ナットを取り付けは時はボルトがナットから飛び出ないギリギリに調整して、ナットを叩いて外します。
そもそもナットが外れない…
タイロッドエンドを外す、云々ナットが外れなくて苦戦する方も多いのが事実です。
これは、タイロッドエンドがボールジョイントになっており、中でボールが回転してしまっているためです。
このような場合は、インパクトレンチを使ってナットを取り外します。
インパクトレンチを使うことによって、ボールジョイントの供回りを防ぎ、ナットを外すことが可能です。
もし、インパクトレンチを持っていない…。という場合は、タイロッドエンドの頭に不要のソケット等をあてがい、ハンマーで一度押し込みます。
大概の場合、タイロッドエンドをホルダーに叩き込む事で、供回りを防げます。
タイロッドエンドを直接叩くと、エンドが破損してしまうのでやめましょう。
まとめ
この記事で紹介したタイロッドエンドの外し方は…
- タイロッドエンドプーラーを使う
- ギアプーラーを使う
- ハンマーで叩いて外す
この3つの外し方です。
記事内でもお伝えした通り、これから工具を揃えるのであれば、ギアプーラーが汎用性面から見ておすすめです。
タイロッドエンドプーラーでは、使い道が限られてしまいますが、ギアプーラーなら幅広く出番があります。
僕が使っているギアプーラーはネットで1000円ほどで購入しましたが、DIY作業でたまに使うには充分です。
- 工具を買いたくない…
- 買いに行っている時間はない…
そんな方は、記事内でお伝えした注意点とポイントを意識してハンマーで叩いて外しましょう。
それでは。
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