最近、車の乗り心地が悪くなってきた気がする…。新車の時には、乗り心地が良かったのに。どうやれば乗り心地を改善することが出来るのだろう?
こんな悩みを持たれる方も珍しくありません。足回りの部品は、年数や走行距離に応じて劣化していくため、乗り心地が悪化することは極々自然な流れです。
そこで、この記事では車の乗り心地が悪化した際の改善方法について、交換するべき部品を紹介していきます。
車の乗り心地が悪化した際の改善方法
車の乗り心地が悪化してしまう理由は、1つではありませんがここでは足回り部品の劣化に対する改善方法を主にお伝えしていきます。
車の乗り心地を改善するのに有効的な交換する部品は以下の通りです。
- ショックアブソーバー
- アーム類のブッシュ
- スタビリンク
- スタビライザーのブッシュ
ショックアブソーバー
最も乗り心地改善に効果的な、部品はショックアブソーバーの交換です。ただ、ショックアブソーバーの交換は、部品代金が高くついてしまうのがネックです。
ショックアブソーバーが古くなり、中に入っているガスやオイルが抜けてしまうことで、バネの動きを制御出来なくなることが一番の乗り心地悪化の原因になっています。
それだけが乗り心地悪化の原因ではなく、ショックアブソーバーと車体を固定する【アッパーマウント】と呼ばれる部分に使用されているゴムブッシュが劣化してくるのも乗り心地悪化の原因になっています。
基本的には地面からの衝撃は【バネ】が吸収しているのですが、アッパーマウントに使用されているゴムブッシュも衝撃を吸収している部品の1つです。
下の画像のマウントの下側に見える黒い部分がアッパーマウントに使用されているゴムブッシュです。
たまに、乗り心地改善を目的とした、ショックアブソーバーのリフレッシュがてら車高調への導入を実行されるユーザーも目立ちますが、乗り心地の改善を狙っての車高調取り付けは絶対にお勧めしません。
どんなに良い車高調を導入しても、純正ショックを超える乗り心地を得られることはほぼ無いと言い切っても良いぐらいです。
※純正ショックアブソーバーのふわふわ感が嫌いというユーザーならまだしも…。
アーム類のゴムブッシュ交換
車種によってサスペンションの構造が違うため、使用している部品の種類は異なりますが、車のサスペンション周りにはどの車も色々なアームが使用されてします。
このアームを車体に固定する箇所には、ゴムブッシュが使用されているのですが、この部品が劣化してくると、乗り心地の悪化に直結します。理由は、サスペンション周りの可動にゴムブッシュがついて来られず、動きが悪くなることが理由です。
※車の足回り部品で、ゴムブッシュが採用されている箇所は全て可動する部分になります。
このゴムブッシュ部分が新品になることで、車の乗り心地が良くなる場合があります。
※ゴムブッシュの劣化具合による。
古くなったゴムブッシュには、亀裂が入っていたり、劣化でゴムが硬くなってしまうことが理由です。
スタビリンク
左右のサスペンション同士を連結しているスタビライザーと呼ばれる部品との連結箇所に使用されているスタビリンクという部品も、サスペンションの動きに大きな影響を与えている部品です。
この部品を古くなってくると、リンク部分の可動が悪くなり、乗り心地の悪化に繋がります。
スタビリンクの形状によっては、スタビリンク部分にゴムブッシュが使用されている場合があり、その際にはこのゴムブッシュの劣化も同様に、乗り心地の悪化につながります。
ここのゴムブッシュに関しても、アーム類に使用されているブッシュ同様に、古くなってくると硬くなったり亀裂が入ったり、はたまた変形したりしてしまい、本来の役割を果たせない状態になります。
これは全てのゴムブッシュに同じことが言えますが、劣化したゴムは本来の柔軟さや弾力性はほぼなくなり、元々の性能は発揮できないケースがほとんどです。
スタビライザーのゴムブッシュ
先ほど少し名前が出てきたスタビライザーの固定箇所にも、ゴムブッシュが使用されています。
このブッシュも劣化すると、スタビライザーの動きが悪くなり、乗り心地の悪化に繋がります。乗り心地だけではなく、スタビライザーのゴムブッシュは、古くなると異音の原因にも繋がります。
部分的に部品を変えても乗り心地改善の効果は薄い
ここまで悪化した乗り心地の改善方法として、交換するべき足回りの部品を紹介してきましたが、部分的に部品を変えてもそれほど大きな効果を得られない場合が多いです。
ショックアブソーバーを単体で交換するようなケースであれば、話は別ですが、その他の部品に関しては丸々全てを交換しないと、費用対効果はかなり薄い。というのがこれまでの実体験です。
- アーム類のブッシュ
- スタビリンク
- スタビライザーのブッシュ
理由は簡単で、上で紹介した部品1つの劣化が与える乗り心地の悪化は高が知れている。という点です。ただ、足回りの部品には可動するパーツがかなり多く使用されているため、それら全てを加味すると新車時からの乗り心地悪化は大きな体感に変わります。
僕自身、部分的にスタビリンクだけを交換したこともあるし、足回りに使用されているゴムブッシュ類を丸々全て交換した経験もありますが、後者の方が満足度(乗り心地の改善度)が明らかに高いことは明白です。
そんな理由から、乗り心地を改善させるために足回りの部品(ゴムブッシュ類)を交換される場合は、多少費用が嵩んでも、全ての部品をまとめて交換することをお勧めします。
クッション性のあるシートカバーを取り付ける方法
あまり気にされない点ではありますが、車のシート(スポンジ)が劣化していることで、乗り心地が悪化しているケースもあります。(足回り部品の劣化に加えて。)
長年使用したソファーがクタクタになり、座り心地が悪化するように、車のシートでも同じようなことが起こります。そこでクッション性のあるシートカバーを取り付けるのも悪化した乗り心地を改善する1つの方法です。
本来であれば、家の中で使用しているソファーのように、古くなった車のシートも交換してしまえば良いですが、なかなか車のシートを新品に交換するのは…。という場合、低反発ウレタンスポンジを裏面に採用しているようなシートカバーを使うことで、比較的安価な金額で、シートによる乗り心地悪化をリカバリーすることが可能です。
シートも段差からの衝撃を和らげる第三のサスペンションと言っても過言ではありません。車が受ける衝撃を直接体に伝えるのがシートですからね。
※ちなみに、第二のサスペンションはタイヤ。
まとめ
車の乗り心地が悪化している理由は、ショックアブソーバーの劣化とサスペンション周りに使用されているゴムブッシュの劣化が主な原因です。
そのため、悪化した乗り心地を改善しようと思ったら、それらの部品を交換してやることが唯一の乗り心地改善方法になります。
ただし、本当に乗り心地を改善しようと思っているのであれば、部分的に部品を新品に交換したとしても、得られる効果は低いため、ブッシュ類の総入れ替えをするぐらいの感覚でリフレッシュしないと、効果は薄いのでそれだけ頭の片隅に入れておくことをお勧めします。
あまり見向きをされることが少ない【シートの劣化】ですが、ここも乗り心地が悪化している理由の1つになりますので、シートを新品に交換。もしくは、クッション性のある(低反発ウレタンスポンジ使用)シートカバーを取り付けるのも乗り心地改善になります。
それでは。
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