アッパーアームの固定ナットを締めても、時間が経つ(走行している)と緩んできてしまいます…。何がダメなのでしょうか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、アッパーアームやロアアームの固定用ナットが緩んでしまう原因についてお話ししていきます。
アッパーアームやロアアームのナットが緩む原因
アッパーアームやロアアームを固定するボールジョイント部分のナットが締めても緩んでしまう場合は、ボールジョイントがハマる部分のテーパーがダメになっていることが原因かもしれません。
アッパーアームやロアアーム等に使用されているボールジョイント部分は、テーパー同士でガッツリはまり込んでいるのですが、このテーパーがダメになり、テーパー同士が食わなくなってしまうケースがあります。
その際、走行中にボールジョイントのテーパー部分が回転してしまうことで、ナットが緩みます。
正常であれば、テーパー部分はサスペンション周りが可動しても動くことなく、ボールの受け側だけが回転するため、ナットがボールジョイントの可動が原因でナットが緩むことはありません。
テーパー部分に異常が発生し、ナットが緩むことを想定してボールジョイント部分のナットには割りピンが使われていることが多いです。
対策方法
アッパーアームやロアアームの固定ナットが緩んでしまう場合は、アーム側のボールジョイント側かボールジョイントがハマるナックル側のテーパーどちらかがダメになっていることが予想されます。
そのため、対策方法としてはアームを交換するかナックルを交換するかのどちらかになります。
緩むからと言って、ネジロック剤等を塗ったとしても根本解決には至りませんので、緩む時期が少し遅れる程度で、再びナットは緩んでしまうと思います。
費用は嵩んでしまいますが、以下の確認して早めに交換することをお勧めします。
- ボールジョイント側のテーパー
- ナックル側のテーパー
ボールジョイント側の交換に関しては、ボルトの脱着により簡単に交換できる車もあれば、圧入式になっていて交換が容易ではない場合もあります。
国産車のアームはどちらかと言えば、後者のタイプが多いです….。
ナックル側のテーパーがダメになっていると、少々修理に要する金額が高くなってしまいます。ナックルを丸々交換しないといけないため、部品代金も交換工賃も嵩むためです。
早めに対処すれば、ダメになっている片側の交換だけで済みますが、無視して乗り続けていると、問題なかったテーパーもダメになり、両側を交換しなくてはいけない状況に陥ってしまうケースも想定出来ます。
そもそもナットが緩んでしまうと、大変なことになるので、早めの交換しないとダメですけど…。
少しだけ余談になりますが、対策後(部品交換後)はボールジョイント部分の部品を組み付ける際には、ボールジョイント側と受け側のテーパー部分を洗浄してから組み付けることをお勧めします。
まとめ
ボールジョイントがテーパーではまり込み、ナットで固定するようなアッパーアームやロアアーム等のナットが緩んでしまう場合は、テーパー部分が削れて摩耗したことで、テーパー同士が噛み合っていないことが予想されます。
これは、アッパーアームやロアアームだけではなく、同様の固定方法を取っている【タイロッドエンド】にも同様のことが当てはまります。
テーパー部分が固定されず、動いてしまうことでナットが緩んでしまいます。
ナットが緩むことも問題ですし、見方を変えればテーパー部分に本来ないはずのガタが発生していることにもなります。(揺すってアーム類にガタが確認出来なくても。)早めの交換をお勧めします。
それでは。
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