モンキーを弄っている人の中で、オイルキャッチタンクを取り付けている人が目立ちますが、オイルキャッチタンクは付けたほうが良いですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、オイルキャッチタンクの役割についてお話ししていきます。また、ブローバイガスは抜いた方が良いのか?ということについても少し触れていきます。
【モンキー】オイルキャッチタンクの役割
モンキーに限った話ではありませんが、オイルキャッチタンクを取り付ける目的(役割)は、エンジンのクランクケースやらヘッド周りからブローバイガスを抜く際、オイルがエンジン外部に逃げ出すのを防ぐ意味があります。
これはバイクであろうと、車であろうと役割は同じです。
その名の通り、【オイル】を【キャッチ】する【タンク】です。
また、ブローバイガスの中には気化したエンジンオイルも含まれており、目に見えない形で出ていくエンジンオイルの回収も担っています。オイルキャッチタンク内部の表面に張り付いた、ブローバイガスが冷えることで、【気体】から【液体】に戻ります。
加湿器から出てくる水蒸気に手を当て続けると、手がびちょびちょに濡れるあれと同じですね。
おそらく、この記事に辿り着いた方の本当に知りたい内容は、これでは無さそうのでざっくりこの辺でやめておきます。
多分、興味があるのは次の内容ですね。
キャッチタンクの必要性。ブローバイガスは抜いた方が良い?
ここからが本題ですが、ブローバイガスは抜いた方が良いのか?というお話しです。
正直なところ、ブローバイガスの出口は純正のクランクケース後方部分から1箇所抜け道があり、エンジン外部に放出されているので、新たにブローバイガスを抜かなくても問題が無いという見方も出来ます。
クランクケースの左側(ジェネレーター側)の後方にあるこのパイプがブローバイガスの逃げ道です。
抜きたければ抜けば良いし、抜きたく無いのであれば抜かなければ良い。というのが個人的な意見です。
※ちなみに純正のブローバイガスの出口を完全に塞ぐとエンストします。
ここに関しては、人それぞれ考え方がありますが、ブローバイガスを出口を増やすメリットについていくつか挙げてみます。
- ガスケットの寿命を伸ばす
- エンジンのレスポンスが良くなる
- 油温が気休め程度下がる
エンジン内部に溜まったブローバイガスは、元々クランクケース内に出口が1つあるので、そこから抜けていくのですが、エンジンの排気量を上げてしまうと、発生するブローバイガスも増えてエンジンの内圧が上がってしまいます。
そうすると、エンジンの内面機関の抵抗になってレスポンスが悪くなったり、エンジンに使われているガスケットへの負担が大きくなります。
そこでブローバイの出口を増やしてやることで、これらのメリットを得ることが出来るのです。ただし、この効果(メリット)を身をもって体感出来るか否かはまた別の話です。
これを踏まえた上で、ブローバイガスの排出口を増やし、オイルキャッチタンクを付けるか否か検討されると良いと思います。
完全個人的な意見ですが、88ccぐらいの排気量であれば、ブローバイガスの排出口は新設しない。無駄にホースが増えて、見栄えが宜しく無いし…。スマートに取り出せるなら話は別ですが。
そんな理由から、最近製作したモンキーには、ブローバイガスの出口は純正の1箇所のみ。気が変わって後からオイルキャッチタンクを取り付ける可能性も十分考えれますが…。
1号機のダックスにはオイルキャッチタンクを取り付けていますが、あれはほぼ見た目重視。排気量が100ccを超えているので、少しだけ内圧を逃したかったという考えもありますが、それでもやっぱり決めては見た目。
まとめ
モンキーにオイルキャッチタンクを取り付けている人の多くは見た目の問題から取り付けている方がほとんどです。
ただ、ボアアップキットを組み込むことで、ブローバイガスの発生によるエンジン内部の内圧は確実に上がるので、ブローバイガスの出口を新設することで、エンジン内部の内圧を下げてメリットがあるのも事実です。
- レスポンスの向上
- ガスケットへの負担軽減
- 若干の油温低下
これらを踏まえた上で、オイルキャッチタンクを付けるかどうかを検討すれば良いと思います。
50ccのエンジンなら絶対不要ですけど、付けたいのであれば付ければ良いと思います。僕も、高校生の時にボアアップする前に雑誌で見て付けてました。(カッコイイと思ったから。)
もし、ブローバイガスの排出口を増やすのであれば、クラッチカバーからだけ取り出せば十分かな〜。というのが個人的な意見です。シリンダーヘッドから取り出す方も多いですが、そっちはオイルが漏れやすいし、ホースに長さが必要になるので汚らしい見栄えになることが大半…。
そこを上手くクリア出来るのであれば話は別ですが。
それでは。
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