ベアリングがゴリゴリになると、そのベアリングは寿命を迎えていると判断されることが一般的ですが、あのゴリゴリ感は何が原因なんだろう?
こんな疑問を持たれる人もいると思います。
そこでこの記事では、ベアリングのゴリゴリ感は何が原因(ダメになっているのか)を探るべく、ダメになったベアリングをカットして分解してみました。
ダメになったベアリングの分解
今回は、ゴリゴリ感のあるベアリングを2つ分解してみました。どちらもベアリングで有名な【NTN】さんのベアリングです。シール無しのオープン形です。
- 左側 ハブベアリング
- 右側 ミッションベアリング
※ミッションベアリングは、エンジン内部で使用していたベアリングで、常にエンジンオイルに浸かっているベアリングです。
ハブベアリングに関しては、中古で購入したハブについていた物で、ゴリゴリ感に加えて回した際に引っ掛かりを感じるほど、程度が悪い。ミッションベアリングに関しては、回すと少しゴリゴリ感がある程度。
分解方法は、グラインダーでベアリングレース部分を大胆にカットし、内部パーツを取り出す方法を選択しました。
ベアリングにゴリゴリ感が出る原因
ベアリングをこのように分解してみると分かりますが、ベアリングの玉が転がるレースに関しては、ほとんど傷も無いしかじりもありません。
てっきり、ここが傷だらけになっていることが原因だと思っていたのですが、レース部分では無いですね。さすがメーカー品だけあってここはしっかり焼きが入っているお陰なのか、表面はツルツルのままです。
※もちろん、レース部分が傷だらけになっているケースの場合もあると思います。(今回は違ったけども。)
先ほどのアウターレース同様、インナーレースも無傷です。
原因はベアリングの玉の位置決めをしている【リテーナー】側にありました。
アウターレース、インナーレースを外した状態で、ベアリングの玉だけを手で回すとあのゴリゴリ感がありますね。
ベアリングの玉もリテーナーから外し、外周の損傷を確認しましたが綺麗なままだったので、リテーナーがゴリゴリ感の原因と断定して間違いないと思います。
写真だと少し分かりズラいですが、玉を取り外して中をみると、リテーナーの内側(玉が接触している部分)に傷やバリが発生しています。
少し角がえぐれているというべきか…。
おそらくですが、ゴミや異物が噛み込み出来た損傷かと思われます。
ハブベアリング側に関しては、レース部分に傷(凹み)が入っておりました。おそらく、ベアリングの回転時に引っ掛かりがあったのは、これが原因と思われます。
まとめ
ベアリングを回した際に発生する【ゴリゴリ感】の原因は、ベアリングの玉を支えている【リテーナー】部分の傷やバリが原因でした。
てっきり、ベアリングの玉が転がるレース部分が傷だらけになっているのかと思っていましたが、アウターレースもインナーレースも使用には問題なさそうな感じです。
原因を知ったところで、再生が出来るわけでも無いので、凄く無駄なことをしている気もしますが、1つ無駄な知恵が身に付いたの満足です。
実はかなり昔に、安物のベアリングを同じように切断したことがあるのですが、その時はレース部分が傷だらけでした…。NTNさんのベアリングは造りが良いことが実感出来た実験にもなりました。
それでは。
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