モンキーの腰上(ボアアップキット)組み込みに伴い、タペット調整を行いました。
そこでこの記事では、モンキーエンジンのタペット調整のやり方について紹介していきます。
規定のクリアランスはどのぐらい?
モンキーを初めとする、ホンダの横型エンジンのタペットクリアランスは、【0.05】±0.02が規定数値です。※純正エンジンの場合。
つまり…
- 0.07〜0.03
この範囲でクリアランスを決めていく必要があります。
ボアアップキット組み込み時のクリアランスは、ボアアップキットの取り扱い説明書に、記載があると思いますので、探してそれに従うようにして下さい。
1つだけお伝えしておくのであれば、吸気側よりも排気側のクリアランスを広く取られるケースが多かったりもします。(ユーザーそれぞれの意向で。)これは吸気側よりも排気側の方が熱が加わるためです。
- 吸気側 爆発前の空気が通る
- 排気側 爆発後の空気が通る
どちらも熱を持つことには変わりありませんが、比較すると温度の上がり方に差が生まれます。
特に拘りがないのであれば、どちらも0.05で合わせておけば間違いないと言えれば、間違いないですが…。
【モンキー】タペット調整のやり方
タペット調整を行う手順は以下の通りです。
- フライホイールのTマークを合わせる
- タペットカバーを開ける
- タペット調整を行う
タペット調整を行う際には、必ずエンジンが冷えている状態で作業して下さい。
温まっている時にタペット調整をしてしまうと、熱膨張が起こっている為、タペット調整をやっても意味がありません。むしろ、その状態でタペット調整をしてしまうと、タペット音が発生すると思います。(クリアランスが広くなり過ぎる。)
タペット調整は、熱膨張する前の冷間時に保つべきクリアランスを調整しています。
フライホイールをTマークに合わせる
まず始めに、フライホイールの【Tマーク】とエンジンの切掛けを合わせておきます。これは、ピストンが圧縮上死点にある状態でタペット調整を行う為です。
モンキーは4サイクルエンジンなので、2回転に一度カムシャフトが1回転します。
その為、フライホイールをTマークに合わる際に、フライホイールに抵抗があるようであれば、それはカムシャフトがバルブを押し込んでいる最中なので、もう1回転フライホイールを回して、次にTマークが合う位置でタペット調整を行います。ここだけ注意です。
あとはタペットカバーを外して、タペット調整に入ります。
タペット調整を行う
画像の赤丸部分を回して、クリアランスを調整し、矢印のナットでロックしてタペット調整を行います。
この時、このような専用工具を使用します。
シグネスゲージをバルブとロッカーアームの隙間に入れつつ、先ほどの赤丸部分を回して、シグネスゲージが抜けなくなるぐらいまで回してやります。シグネスゲージがギリギリ抜き差しできるぐらいに調整が出来たら、あとはナットを締めてやります。
シグネスゲージを購入する際には、見れる寸法に種類があるので、そこだけ注意です。(0.1ミリ台、0.01ミリ台など…。)
今回は、クリアランスを0.05に調整しているので、0.05のシグネスゲージがギリギリ抜けるぐらいに調整しています。抜く際に微妙に引きずって抜けるぐらいに合わせるのがコツです。
スルスル抜き差し出来るぐらいだと、おそらくその上のゲージ(今回なら0.06)が入ってしまいます。
当然、この時赤丸部分のネジが回ってしまわないように、抑えながらロックナットを締め込みます。
ちなみにここのロックナットのサイズは、9ミリです…。
ナットを締め込んだら、1度シグネスゲージを抜き差しし、次にワンサイズ上のシグネスゲージを入れて確認します。もし、【0.05】で調整しているのであれば、【0.06】のシグネスゲージを入れます。
これで、0.06のシグネスゲージが入らなければ、タペットのクリアランスが【0.05】に調整出来た証拠です。
もし、0.06のゲージも入ってしまうようなら、それはクリアランスが広い証拠なので、サイドナットを緩めてやり直しです。
今回、専用工具無しで小さいモンキーレンチ2個でタペット調整しました。お勧めはしませんが、不可能ではありません。(ナット側が9ミリだから、メガネレンチの持ち合わせは無かった…。)
タペットクリアランスが広過ぎたり、狭過ぎたりした際に起こりうるトラブル(症状)については、こちらの記事で別途解説しております。
まとめ
作業内容的にはそれほど難しい作業ではありません。
自分が目指すクリアランスのシグネスゲージを入れながら、タペット調整を行い、ナットを締め終えたらワンサイズ厚みのあるゲージを入れて、確認してみましょう。
これで自分の狙い通りのクリアランスに調整出来ているかどうかが確認可能です。
必ず、タペット調整をする際には、エンジンが冷えている状態で作業して下さい。温まっている状態では、熱膨張が起こりタペット調整を行う意味が無くなります…。
それでは。
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