エンジンをオーバーホールするにあったって、エンジンを全て分解していきます。
作業にあたってフライホイールの取り外しも行いますので、この記事ではフライホイールの外し方について解説していきます。セットでステーターコイルの外し方も解説します。
OHする際や軽量のアウターローター組み付け時に役立つと思います。
使う工具
- ショックドライバー
- フライホイールホルダー
- フライホイールプーラー
- ラチェットとソケット
フライホイールプーラーがないと、モンキーのフライホイールをクランクシャフトから抜くことが出来ませんので、フライホイールを外す際には必須の工具です。
ステーターベースも取り外す際には、ショックドライバーも必要です。
【モンキー】フライホイールの外し方
ジェネレーターカバーを取り外したら以下の手順で作業していきます。
- ロックナットを外す
- プーラーでフライホイールを外す
- ステーターベースを外す
- 消耗品を組み付け逆手順で元に戻す
ロックナットを外す
クランクシャフトとフライホイールを固定しているナットは【14ミリ】です。ホルダーを使うかインパクトレンチで外すことが可能です。(今回はインパクトレンチで。)
ナットとワッシャーが入っているので無くさないように…。
ホルダーを使う際には、U型のホルダーではなくコッチのタイプが必要です。12Vエンジンの場合は、CDI点火のためフライホイールのすぐそばにセンサー(名前が分からん)があるのでU型のホルダーだとうまく押さえられません。
こっちでも少し強引にやれば、外せないことはありませんが…。
6Vエンジンはポイント点火なので、これでもすんなりフライホイールを押さえることが可能です。
プーラーでフライホイールを外す
ロックナットが外せたら、プーラーの外ネジをフライホイールの内側に切ってあるネジ山にはめ込み、モンキーレンチで押さえつつ、ハンドルを手で回していくと、フライホイールが外れます。
ちなみにモンキーのフライホイール側のネジサイズは、【M27 P1.0 逆ネジ】です。
ここはクランクシャフトとフライホイールがテーパー状になっているため、ガッツリハマっています。手で引っ張るぐらいでは外すことは不可能です。
クランクシャフトにキー溝が彫ってあり、そこにウッドラフキーがハマっているのでそれも無くさないように。フライホイールの位置決めになっています。
ステーターベースを外す
フライホイールが取れたら、ステーターベースを固定するプラスネジをショックドライバーで外してやります。
プラスネジのなので舐めやすいです。そのため、ショックドライバーが必須です。
今回オーバーホールしている中古で入手した得体の知れないエンジン、全てのプラスネジが舐めてる…。
ネジを2本外したら、ニュートラルスイッチの配線だけ外して、あとはステーターベースを外してやるだけです。少し硬い場合は、こじって外すのですが、無理にやるとステーターベースが割れるのでそこだけ注意です。
色々な場所から少しづつこじるイメージです。
少し手で揺さぶりながら引っ張ると浮いてくると思います。
消耗品を交換
ステーターベース側にはいくつか消耗品のパッキンがあるので、外した際には交換しておくことをお勧めします。
- ベース外周のパッキン
- ネジ部分のOリング
- シャフト部分のゴムパッキン
この3点が取り外したい際に交換が必要になる部品です。ポッシュさんから販売されているセットを購入すれば、ネジも付属します。ネジも交換しておいた方が良いと思います。
このセットを購入しておけばコト足ります。
※社外品のアウターローター組み付け時には、付属してくると思いますので、確認してから部品購入が必要かどうかを決めましょう。
ネジ部分のOリングはエンジン側のネジ山部分に直接ハマります。
フライホイールの組み付け
組み付けは逆の手順なので詳しく解説しませんが、ニュートラルスイッチの配線だけ忘れないように…。外す時同様にバネを手で押し込み、配線を穴に通すだけ。
- ステーターベースを固定
- ウッドラフキーをはめる
- フライホイールをはめて固定する
ステーターベースは真っ直ぐに入れ込みます。また、ネジを締め込む際には、上下のネジを均等に少しづつ締め込んで下さい。片側づつ最後まで締め込んでしまうと、ステーターベースが斜めに入って最悪割れることもあります。
ウッドラフキーを溝にハメるのも忘れずに。これを付け忘れて組み込むと点火タイミングが狂います。つまりエンジンが掛かりません。
もしフライホイールにウッドラフキーを入れず組み込みその状態でバルブタイミングを合わせた日には、ピストンとバルブが激突する恐れも…。
今回、フライホイールのロックナットを締め込む際いは、クラッチディスク側をユニバーサルホルダーで押さえつつ、締め込みました。
クラッチディスクも同じクランクシャフトに固定されているので、クラッチディスクを押さえても作業は可能です。(クラッチカバーが外れていないとダメだけど…。)
エンジンがバラけている状態であれば、U側のホルダーでクラッチ側を押さえつつナットを締め込むことも可能です。そうでない場合は、こちらのホルダーが必須です。
まとめ
モンキーのフライホイールを外す際には、プーラーとホルダーが必要ですが、それ以外は特に難しい内容も無いので比較的チャレンジしやすい内容だと思います。
ちなみにですが、フライホイールを計量品に交換する際には、ステーターベースも外すと思います。
その場合は、エンジン(車体)をクラッチ側にガッツリ傾けて作業すれば、エンジンオイルは抜かなくても作業可能です。(どうでも話か。)
それでは。
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