モンキーのエンジンオーバーホールに加えて、ボアアップキットもセットで組み込みます。
それにあたり、オイルポンプを強化品に変えつつ、オリフィスの拡大加工も行なっていきます。強化オイルポンプにはオリフィス加工が必須です。
そこでこの記事では、オイルポンプの交換方法とオリフィス拡大加工について解説していきます。
用意するもの
- 強化オイルポンプ
- ショックドライバー
- ユニバーサルホルダー
- ロックナットレンチ
オイルポンプを交換するためには、一度クラッチディスクを取り外す必要があるため、クラッチ周りを分解するための工具が必要になります。
そこだけ注意です。
オリフィス拡大加工のやり方
強化オイルポンプに交換する前に1つだけやっておくべきことがあります。それがオリフィスの拡大加工。
オイルポンプから吸い上げられたオイルの通り道を大きくしてやる加工です。これをやらないと、オイルポンプを強化品に変えてもあまり意味を成しません。
シリンダーが当たる面にオイルの通り道があるので、そこの穴をドリルで広げます。加工する際には、腰上をバラす必要があります。ボアアップキット組み込みと同時作業になると思うでそこは大丈夫かと思いますが…。
メーカーによって指定されている穴径が異なりますが、1.8〜2ミリ程度が多いです。そこは使用するメーカーの取説をよく読んで作業して下さい。
ドリルで穴を開けても良いですが、使用するドリル径が細いので折れるリスクを考慮し、手動で穴を開けました。
オリフィス拡大加工する際には、ドリルに油を付けながら作業して下さい。
素材はアルミですし、そんなに奥行きもないので手動でも余裕です。
加工後は、オイルラインをパーツクリーナー等で綺麗に洗浄することも忘れずに…。
削りカスが残っているとヤバいですよ。
オイルポンプの交換方法
オイルポンプの交換方法は以下の手順で行います。
- クラッチカバーを外す
- クラッチディスクを外す
- オイルポンプを外す
- 新しいオイルポンプを取り付ける
クラッチディスクの取り外し方法はこちらをご覧下さい。
クラッチカバーとクラッチディスクを外したら、ショックドライバーを使用し、オイルポンプを取り外します。少し大きめのプラスネジ3本がオイルポンプとクランクケースを固定ています。
プラスネジは舐めやすいので必ず、ショックドライバーで。
残りの3本は外す必要ありません。(それはオイルポンプのカバーを固定しているネジです。)
ここにはガスケットが入っているので、オイルポンプを外したら綺麗に剥がしておきます。
エンジンの中だから、ガスケットなんていらないじゃん。漏れてもエンジンの中だし…。
※僕も初めてエンジンを開けた高校生時代にこのように疑問でした。
オイルポンプの取り付け部分にガスケットがある理由は、そこからエンジンオイルをシリンダーヘッド側にオイルを送り込むためです。ここのガスケットが入っていないと、上手く腰上にオイルが回らなくなってしまうため、必要不可欠です。(オイルを送る圧が低下しちゃう…。)
ガスケットに加えて、オイルポンプがハマる穴の中に下のピンが入っています。これも忘れずに取り付けて下さい。このカラーが入っていないと、オイルポンプを回すシャフトが暴れます…。(異音が出るし宜しくない…。)
※6Vエンジンはカラーが無いかも…。
※向きはカサがある方が上向き。(オイルポンプ側)
カラーが入っていることを確認したら、オイルポンプにガスケットを乗せつつ、ポンプの裏からギア内にオイルを入れておきましょう。
加えて、オイルポンプを取り付ける際には、ポンプ側の切掛けとシャフト側の切掛けを合わせて行います。この切り替え同士が噛み合うことで、オイルポンプが回転し、オイルを循環させます。
今回使用した強化オイルポンプは【シフトアップ】です。(一番安いから。)
まとめ
オイルポンプの交換をする際には、クラッチディスクが邪魔で作業出来ないので一度クラッチディスクを脱着する必要があります。
それに加えて、強化オイルポンプを使用する際には、オリフィス拡大の加工が必須です。オイルの通り道を大きくしてあげないと、ポンプの容量を大きくしても通れるオイル量が変化しないので、強化品を使う意味が無くなってしまいます。
そのため、強化オイルポンプに交換する際には、オリフィス拡大をセットで行いましょう。
腰上もバラさないと加工出来ないのでさらに面倒ですが、オイルポンプを強化にする際には、ボアアップキットの組み込みとセットで行うことが大半なのでそこの問題はあまり無いと思います。
ご存知の方も多いかと思いますが、モンキーのオイルポンプは6Vエンジンと12Vエンジンで形状が異なるので、購入時は注意です。
それでは。
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