アライメント調整を行なっている車両なのですが、サイドスリップの数値が狂っていました…。原因は何ですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事ではアライメントを取ってもサイドスリップの数値がズレる原因についてお話ししていきます。
アライメントを取ってもサイドスリップがズレる
キャンバーが付いている場合、アライメント調整を行なっても、サイドスリップの数値狂ってしまいます。この原因は、そもそもアライメント調整とサイドスリップ調整の違いにあります。
- アライメント 物理的にタイヤを真っ直ぐに
- サイドスリップ タイヤが真っ直ぐ転がるように
※分かりやすくお伝えするため、少し言葉が強引ですが…
キャンバーがほとんどついていないノーマルの車であれば、アライメント調整がしてあればサイドスリップの数値はそれほど変化は出ないのですが…
キャンバーが付いている場合、タイヤは倒れている方向へ転がりたがるため、サイドスリップの数値がズレてしまうのです。
いらないタイヤがあれば、それを内側に傾けた状態で転がしてみると、よく意味が分かると思います。
ネガティブ方向へのキャンバーが付いている場合、タイヤは内側に転がりたがります。つまり、アライメント調整で仮に【トー角0】に調整してあっても、サイドスリップの数値は【トーイン】側になってしまいます。
キャンバー角を弄っていない車では、大幅に数値がズレはしないかもしれませんが、タイヤの減り具合によっても、サイドスリップの数値は変わるほどです。
3.4度なら車検に落ちるぐらいズレる
一概には言えませんが、1つの目安としてキャンバー角が3.4度付いてる状態で、アライメント調整をすると車検に弾かれるぐらい数値が振り切ってしまいます。
※フロントキャンバーが3.4度
過去にアライメント調整を行なったキャンバーを付けた車で、サイドスリップテスターを通した車の数値がこんな感じ。
- キャンバー角 4度
- アライメント トー角 0
- サイドスリップ トー角 イン側に7ミリ
車検時のサイドスリップの基準値はイン側に5ミリ、アウト側に5ミリなので、車検には通らないほどサイドスリップの数値が狂ってしまっています。
そのため、再度サイドスリップ調整を行い、トー角をいじる必要があります。
※ちなみに車検時のサイドスリップは、フロント側だけの話なのでリア側は関係ありません。
ここで挙げた数値はあくまでも分かりやすさを求めて、出した数値に過ぎませんので1つの目安程度にお願いします。
まとめ
キャンバーが付いていても、(キャンバー角が原因で)車検に落ちることはありませんが、サイドスリップの数値が基準内に収まらず、車検に落ちることがあります。
仮にアライメント調整をしたばかりでも、サイドスリップの数値は異なるので再度、サイドスリップ調整が必要になります。
キャンバーを激しく付けた状態で、車検に通す人はそうそういないと思いますが、もしそのような場面があったら注意が必要です。
アライメント調整とサイドスリップ調整は、同じくトー角を調整していますが、根本的に違うのでこのようなことになります。
それでは。
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