圧入されているブッシュを交換したいのですが、プレス無しで外す方法はありますでしょうか…?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、圧入ブッシュの抜き方についてお話ししていきます。プレス機がなくても外せる方法を3種類紹介していきます。
圧入ブッシュの外し方
本来であれば、プレス機を使って外すのが正しいやり方ですが、自宅にプレス機を持っているユーザーは少ないと思います。それに加えて、プレス機があっても車体に付いたまま外したいような時には、プレス機は役立ちません。
そこでプレス機を使わずに、圧入ブッシュを外すには以下の4種類の方法が有効的です。
- 専用のリムーバーを使う
- 自作のブッシュ抜きを作成する
- ギアプーラーを使って外す
- ハンマーで叩く
専用のリムーバーを使う
圧入されているブッシュを抜くため専用のリムーバーが存在します。汎用品もあれば、専用品もあり自分の抜きたいブッシュに合うサイズの工具があれば、一番楽に外すことが可能です。
一度、自分が外そうとしていうブッシュ径にあるリムーバーがあるかどうかを確認してみると良いです。
ただ、一度しか使わない人にとっては割高なケースが多いですが…。
僕自身も抜きたいブッシュに専用のリムーバーがあったのですが、数万円ほどする工具だったので自作という選択肢を取ってブッシュを引き抜きました。
数万円払らうぐらいなら、お店にお願いする工賃払ってもお得ですね。プロ向けの工具ということです。
自作のブッシュ抜きを使う
工具を自作する難易度はさておき、自分が抜きたいブッシュサイズに合わせて作成するため、最も外す工程に関しては、簡単に外せます。
※工具を自作するので、そこが大変になるかもしれませんが…。
ブッシュが入っている周りの状況によっても、ブッシュ抜きの構造は変わりますが、おおよそこんな形状になると思います。
後ろの当て板で、裏からブッシュを押し抜いて来る形で外せます。
ギアプーラーを使う
この画像はブッシュを抜くために掛けているわけでは無いですが、イメージはこんな感じです。
ギアプーラーを、ブッシュの圧入先に上手く引っ掛け、ブッシュの外形にある鉄板(ワッシャーなど)をブッシュ外形にあてがい、ギアプーラーのボルトで押し込んでいく方法です。
この方法でも圧入されているブッシュを、ボルトを締め込む力で外すことが可能です。
ただし、ブッシュ抜きの時とは違い、手間にブッシュを引いて抜く訳ではなく、奥側に押し込んで抜くため、車載状態のブッシュをそのまま外すような時には、奥行きのスペースが確保出来るか否かでこの方法が使えるかどうか変わって来ます。
昔、友人がギアプーラーでブッシュを抜く際には、バイク用のスプロケットをブッシュにあてがい、そこをギアプーラーのボルトで押し込んでいました。
ハンマーで叩く
※画像はブッシュではありません。
最後は、ハンマーで叩いて外す力技です。(お勧めはしません。)
どうしても力技で外したいというのであれば、圧入されているブッシュをヒートガンで炙ってから、外形の合うソケット等をあてがって、叩くようにしましょう。
圧入されているブッシュの周りを、ヒートガンで暖めてやることで、熱膨張によってブッシュが抜けやすくなります。
上の画像ではボールジョイント部分をヒートガンで暖めていますが、ボールジョイントが緩くなるので、ボールジョイント付近には使わないことをお勧めします。
※画像のジョイントは捨てるやる。
まとめ
圧入ブッシュをプレス無しで外す際には、ブッシュ抜きを自作するかギアプーラーを上手く活用するのがお勧めです。
- ブッシュ抜き
- ギアプーラー
自分の外したいブッシュサイズに合わせて、ブッシュ抜きを作れば安定感もあるし、ボルトを締め込む力を最大限活用出来るため、圧入ブッシュがすんなり抜けてくれます。
ブッシュ抜きの形状は、複数考えられ、その時その時の状況によって、使い勝手の良い形状が異なります。その辺りは、自分が抜きたいブッシュの状況下を把握し、工具を自作してやることをお勧めします。
使い勝手に加えて、作り易さも重要ですね。
それでは。
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