油圧ジャッキが一番上まで上がらないんだけど、このジャッキ壊れちゃったのかな?
先日、友人の車弄りの手伝いをしている際に、こんなことを聞かれました。
そこでこの記事では、油圧ジャッキが上がらない理由についてお話ししてきます。結論ですが、原因は中のオイルが足りていないことが原因です。
長年ノーメンテで使っている油圧ジャッキにはありがちなトラブルです。
油圧ジャッキが上がらない理由
油圧ジャッキが全く上がらない、もしくは途中までしか上がらない理由は、中のオイルが足りていないことで起こる症状です。
油圧ジャッキの構造は、オイルの圧力を使ってシリンダーを押し込むことでアームが持ち上がります。そのため、オイルが不足していると、圧力が掛けられず上がらなかったり、途中までしか上がらないことが起こります。
仮に、オイルが少しでも入っていれば、途中までは圧力が掛けられるため、途中まではアームが上がっていきます。元々そこまでオイルの全量が多いわけでは無いので、少しでも入っていればそれなりには動きます。
ちなみに、エアが噛んでいる程度なら、油圧ジャッキぐらいのシリンダーなら動いてアームが上がっていきます。
上がらないジャッキの修理方法
もし、油圧ジャッキが上がらない場合は、シリンダー部分に入っているオイルを足してやれば、再びジャッキが上がるようになります。
油圧ジャッキにオイルを足したい時は、オイルを購入してジャッキのシリンダー上にあるバルブのボルトを外して、オイルを入れてやるだけです。加えてエア抜きの作業も行います。
- オイルを補充する
- エア抜きを行う
補充するオイルについてですが、油圧ジャッキのオイルを補充するように、少量のオイルで小分け売りされています。使用されるオイルの種類で言うと【作動油】になります。
油圧ジャッキにオイルを補充する
ここのボルトは、プラスネジが使われていたりマイナスネジ、あるいはゴムのキャップの場合があったりと、ジャッキによって様々です。
ジャッキの種類によっては、このようにカバーで隠れているのでネジ等を外して、カバーを退かせば作業可能です。
※このジャッキだと、一番左のマイナスネジがバルブのボルト(シリンダーの上にあるので、どのジャッキも丸い筒状の所についたボルトがバルブボルトになります。)
もし、オイルを購入して補充する場合は、残っているオイルも全て出してしまい全て新しいオイルを入れてやることをお勧めします。せっかくならね。
オイルの出し口はありませんので、このようにジャッキをひっくり返す。
オイルを足してやる際には、穴から油面を見て約10ミリ下まで入っていればOKです。入れ過ぎはダメです。ボルトを締めた時に出てきてしまうだけですので注意。
オイルを足す際には、必ずアームを一番下まで下げた状態(油圧が掛かっていない)で行います。オイル量を確認する時も同様です。
あと、ジャッキを平面に置いた状態で補充して下さい。
エア抜きをする
オイルの補充が終われば、油圧のリリーフバルブを緩めた状態で、油圧ハンドルを10回弱ポンピング(上下させる)すればOKです。そんなに勢いよくポンピングする必要はありません。
※オイルが溢れちゃいます。
エアが噛んでいると【シュポシュポ】音が出るのでよく分かります。何度かハンドルを上下していると、音がしなくなります。
エアの噛みぐらいによっては、エア抜き後に油面が下がります。そうした場合は、再びオイルを補充してボルトを締めればジャッキの修理が完了です。
全ての作業が終われば、リリーフバルブを締めた状態でジャッキが正常に動くか確認すればOKです。
オイルが不足している原因
最後にオイルが不足している原因についても少し触れておきます。
言うまでもありませんが、これは【オイルが漏れている】ためですね。誰でも分かるか。
このオイル漏れについてですが、ゴムパッキンがダメになっていることも十分ありますが、もう1つ原因に繋がることがあります。それはオイルの粘度(硬さ)です。
サラサラなオイルを使用している場合、オイルが漏れやすいです。油圧ジャッキに使用されているオイルは、作動油の32番あたりが多く、このサラサラのオイルは良く漏れます…。
このオイルを【32】から【46】に変更してやることでオイルが漏れにくくなります。
10年も20年も使用しているジャッキなら話は別ですが、数年程度であればパッキン等を変えてもまた漏れます。なので少し硬いオイルを使用することをお勧めします。
ちなみに、油圧ジャッキの補充用に販売されているオイルの番手を少し見てきましたが、やっぱり32番あたりが大半ですね。面倒ならこれ買って入れておくだけでも問題ありませんが…。
まとめ
油圧ジャッキが上がらない理由は、中のオイルが漏れて不足していることで、油圧が掛けられていないことが原因です。
オイルを補充してやれば、再び使えるようになります。オイルを補充し、エア抜き作業を行えば油圧ジャッキが再び上がるようになるので試してみて下さい。
オイルを補充する際には、46番ぐらいの作動油を使用すると、オイルが漏れにくくなるのでお勧めです。僕の使用しているジャッキには46番の作動油を入れてあります。
それでは。
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