ハブボルトが折れちゃったんだけど、原因はどこにあったのかな?
こんな疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
実際の原因を正確に把握するのは、かなり難しいですがいくつかの原因から凡そのメドを立てることは可能です。
そこでこの記事では、ハブボルトが折れる4つの原因というテーマでお話していきます。合わせて折れる前に前兆はあるのか?というお話もしておきます。
ハブボルトが折れる4つの原因
ハブボルトが折れる原因は以下の4つに絞られます。
- 締め付けトルクがオーバーしていた
- ネジ山が死んでいるのに無理やり締め込んだ
- ハブボルトの劣化
- ホイールナットの緩み
※ここには書いていない原因でハブボルトが折れているケースも存在する恐れもあります。
1つづつ順番に解説していきます。
締め付けトルクがオーバーしていた
ハブボルトが折れる原因の中で1番可能性が高いのは、締め付けトルクが明らかにオーバーしていることです。
少しばっかり、トルクがオーバーしているぐらいでは原因にはなりにくいですが…
ボルトは決まったトルク以上を掛けてしまうと、引っ張られる力に耐えられなくなり【切れてしまいます。】(だから締め付けトルクを指定しているのも1つの理由です。)
ボルトが切れるってイメージ出来ない…
ボルトはネジ山を使って、引っ張る力を利用して固定します。ナットを締め込むということは、ボルトを物理的に引っ張っていることになります。
トルクをかけすぎたことによって、ボルトが伸びてしまい強度不足になり、走行中の負荷に耐えられなくなりハブボルトが折れてしまいます。
ホイールナットの緩み
オーバートルクの次に多いのが、ホイールナットが緩んでしまったケースです。
ホイールナットが緩んでしまった状態で、走行を続けるとハブボルトに掛ける必要のない負担を背負わせることになります。
- ホイールが振れてしまう
- ホイールがズレる とかとか
これに加えて、緩んでいないホイールナット部分のハブボルトに、大きな負担を背負わせることになるのも理由の1つです。
そのような事態になれば、ハブボルトが折れてしまっても仕方ありません。
ホイールナットの緩みに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ネジ山が死んでいるのに無理やり締め込んだ
ホイールナットを締め込む際に、違和感(ナットがスムーズに入っていかない)を感じつつも、そのまま強引にナットを締めてしまう人が稀にいます。
※これは、ホイールナット等に限らず全てのボルトナットにおいて。
ボルトのネジ山が死んだ(痛んでいる)状態でボルトナットを無理やり締め込むと、ボルトナットに必要以上の負荷が掛かり、折れることがあります。
ホイールナットを締め込む際に、少しでも違和感を感じたら、それ以上締め込まないことをお勧めします。
レンチを使わないとそれ以上ナットが入っていかない場合は、ネジ山(ナットかハブボルト)がダメになっている証拠です。
ハブボルトの劣化
最後は、経年劣化によってハブボルトが折れるケースです。
あまり起こりうることでないが、可能性が全くないわけでもありません。(ハブボルトがそんなになる前に車検をする整備士が気が付くとか。)
- ホイールの脱着回数が多い
- 塩カルの影響で錆びがヒドイ
ここに関しては、ホイールの脱着回数が多いユーザーにありがちな原因です。(ありがちは言い過ぎた。)
ホイールの脱着回数が多いと、当然ハブボルトが引っ張られる回数も多いです。(引っ張られた分は戻りますが、完全に戻り切るわけではないし、回数を重ねるにつれて戻りにくくなる。)
そうなれば、ハブボルトは徐々に伸びていきます。そうすると、金属疲労と同じことが起きて限界を迎えた際に折れちゃいます。
※金属疲労は、金属の板や針金を何回も折り曲げると折れるアレです。
当然ですが、ボルトの伸びは目視で確認することが出来ないので、交換のタイミングが難しいところです。
雪国なんかだと、冬に道路に撒かれる【塩カル】によってハブボルトが錆びて折れてしまうこともあります。
純正のホイールナットだと、袋タイプのホイールナットを使用する車が多いので、ハブボルトに塩カルの被害を直受けすることはほぼ無いですが。
ハブボルトが折れる前兆はある?
ハブボルトが折れる前兆に関しては、無いと言い切っても過言ではありません。
前兆が無いというか、気が付けないというか…。折れている状態を目にして初めてハブボルトが折れていることに気が付くケースが大半です。
ハブボルトが1本折れてしまったとしても、残りのホイールナットが正常なトルクで締めこまれている状態であれば、特に違和感を感じることもありません。
ホイールナットが一本無くても、何事も無いかのように走れちゃうものです。
昔、友人の車で一度だけハブボルトが折れたことがありますが、ホイールナットが1つ無いことを目視で確認して、初めて気が付いたレベルです。
ただし、ホイールナットが1つ無い状況だと、他のホイールナットが緩んでいる可能性や緩みやすくなるので注意です。
プラスで他のハブボルト達も負担が大きくなり、どんどん折れていくようなことも無きにしも非ず。(負の連鎖ってやつですね。)
まとめ
ハブボルトが折れるありがちな原因は以下の4つです。
- 締め付けトルクがオーバーしていた
- ネジ山が死んでいるのに無理やり締め込んだ
- ハブボルトの劣化
- ホイールナットの緩み
車を弄っているユーザーだと、ホイールスペーサーによってホイールナットの掛かり代が足りなかったりすることが原因に繋がるケースも考えられます。
締め付けトルクをキチンと守っていれば、ハブボルトが折れちゃうことはほぼありません。(折れたこと無い。)
ハブボルトがあまりにも錆び錆びなら、交換しておくことも視野に入れておいても良いかもしれません。
それでは。
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