最近、クラッチが上の方で繋がるんだけど、これって何が原因?これはどうしようも出来ないの?
こんな疑問を持たれる方も珍しくありません。
そこでこの記事では、クラッチが上の方で繋がる原因についてお話ししていきます。
クラッチが上の方で繋がる原因
クラッチが上の方で繋がる(クラッチが近い状態)原因は以下の通りです。
- クラッチディスクの摩耗
- ダイヤフラムスプリングの劣化
- ダイヤフラムスプリングの削れ
この3つがクラッチが上の方で繋がる要因になります。
クラッチディスクが摩耗して、厚みが薄くなることで、クラッチペダルを完全に踏み込んだ状態(クラッチディスクとクラッチカバーが離れている状態)から、クラッチペダルを話していき、クラッチカバーがディスクを再度押し込むまでの距離が長くなる。これが、クラッチのミートタイミングが近くなる原理です。
これに加えて、クラッチカバーに付いているダイヤフラムスプリングが劣化やダイヤフラムスプリングとレリーズベアリングの接点部分が削れてくることも、要因の1つになります。
画像では分かりませんが、古くなったクラッチカバーの中央(レリーズベアリングの接点部分)は、削れて段差が出来ている状態です。
極論ですが、クラッチの寿命が刻々と迫っているということです。
※ただ、クラッチが上の方で繋がる=クラッチの交換時期。とはならず…。この辺りは、車種によっても話が変わってきます。クラッチ周りが摩耗していることは確かですけどね。
調整が可能な車種も多い
クラッチが上の方で繋がるから何とかしたい。もう少し、クラッチを遠くしたい。
車種によって、クラッチのミートタイミング(繋がる位置)は調整が可能なケースも多いです。
- クラッチワイヤーの調整
- プッシュロッドの調整
クラッチが油圧ではなく、ワイヤー式になっている車であれば、エンジンルームのミッションケース上側に、クラッチペダルからの動力をミッションのレリーズアームに伝えるためのワイヤー部分の調整ネジを回してやると、クラッチのミートタイミングの調整が可能です。
これは前にエッセのクラッチ交換をした際の画像ですが、ワイヤーの固定箇所にあるプラスチック製のナットを回して、ミッション側を短くなるようにしてやると、クラッチペダルの遊びが減って、クラッチが遠くなります。
また、油圧式のクラッチでも、クラッチペダルのすぐそばにある、プッシュロッドという部品のロックナットを緩めて、ロッドの全長を調整してやることで、クラッチのミートタイミングが調整可能です。
基本的に調整が出来ない(オート調整機能が付いている)車もありますが…。
オート調整機能が付いている車に関しては、ディスクが摩耗したことによって、クラッチのミートタイミングが自動で調整されていく構造なので、クラッチが近くなってしまったら、クラッチディスクの残量がそろそろやばい。ということになります。
まとめ
クラッチが上の方で繋がる原因は、クラッチディスクの摩耗やクラッチカバーの削れ、クラッチカバーに取り付けられているダイヤフラムスプリングの劣化(スプリングの力が弱くなっている)、この3つです。
極論ですが、クラッチ周りの部品が摩耗しており、交換時期に近付いているということです。
ただ、車によってはクラッチのミートタイミングは調整可能ですので、まずは調整してみて、それでも状況が変わらなかったり、クラッチの滑りが発生するようなら、クラッチの交換時期です。
それでは。
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