モンキーのキックスピンドルが折れてしまったのですが、これを交換するのは簡単でしょうか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、モンキーのキックスピンドルが折れた際の修理方法について紹介していきます。結論、簡単ではありません…。
使用する工具
- クラッチセンターロックナットレンチ
- スナップリングプライヤー
- 腰上を分解するための工具
キックスピンドルを交換する際には、ほとんどエンジンを全バラする必要があるため、それに伴う工具が必要になります。
キックスピンドルだけを交換するのであれば、フライホイールやジェネレーター部分は分解しなくても、作業出来るのでフライホイール周りの分解に必要な工具がいらないぐらいですね。
キックスピンドルの交換方法
モンキーのキックスピンドルは、クラッチカバーを外してクラッチ周りを分解して交換できる部品ではなく、クランクケースを開けてやらないと、絶対に交換が出来ない構造です。
キックスピンドルに組み込まれているギアが、ミッションに噛み合うことでキックスタートを可能にしているため、ミッションがいる部屋までのアクセスが必須なのです。
そのため、必然的にエンジンは車体から下ろして作業する必要があります。
作業手順的には…
- 腰上を分解(シリンダーとシリンダーヘッド)
- クラッチカバーを開ける
- クラッチ周りをバラす
- キックスピンドルのリターンスプリングを外す
- シフトアーム・シフトドラム周りの部品を外す
- クランクケースを開ける
- キックスピンドルを取り出す
キックスピンドルだけを交換する作業であれば、フライホイール側は分解しなくても作業可能です。
クラッチ側に関しては、全て外す必要があります。
- クラッチ
- シフトアーム
- シフトドラム付近のパーツ
腰上側を分解して、クラッチ側の部品を全て外したら、クランクケースの合わせ面を固定しているボルト(ジェネレーター側から入っているボルト)を全て外せば、クランクケースが割れますので、キックスピンドルの脱着が可能になります。
この状態にしてやってようやく、キックスピンドルの交換が可能です。
あとは折れたキックスピンドルシャフトを交換して、逆の手順で組み付けていけば、作業完了です。
キックスピンドルのみ交換でここまで分解するのあれば、いっそロングクランクシャフトでも導入しちゃって、エンジンをパワーアップさせたりするのもお勧めです。キックスピンドルを折った後に、さらに圧縮を上げてキックを重たくする勇気があればの話ですが…。
※デコンプ機能付きのカムも入れたら、その辺は解決ですね。
まとめ
モンキーのキックスピンドルが折れてしまった場合、クランクケースを割るところまでエンジンを分解しないと、交換が出来ません。
そのため、エンジンを一度車体から下ろして、腰上を分解して、クラッチ周りを分解して、シフトアームやらシフトドラム周りの部品を全て外して、クランクケースを割る必要があります。
フライホイール側に関しては、分解しなくても、クランクケースは割れますので、外す必要はありません。ただ、ここまでエンジンをバラすのであれば、フライホイール付近の消耗パーツの交換も合わせてやっておいた方が良いかと思いますけどね。
キックスピンドルだけ交換でも良いですが、オーバーホールしてしまうぐらいの気持ちでいた方が良いかと思います。せっかく開けるのであれば、消耗品の交換はなるべくやっておくべきかと…。
それでは。
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