先日、R56ミニクーパーの水回り修理に伴い、ベルトやらクランクプーリーやらの脱着作業を行いましたので、そのついでにフロント側のクランクシャフトシールの交換作業もセットで行いました。
そこでこの記事では、R56ミニクーパーのクランクシャフトシール(フロント側)の交換方法と、クランクプーリーの外し方について紹介していきます。
使用する工具
クランクプーリーの脱着に必要な工具は、トルクスの【E10ソケット】だけですが、ベルト周りを外す必要があるため、それに使用する工具が必要になります。
- ラチェットとソケット
- トルクスソケット
- メガネレンチ(21mmか30mm)
- インパクトドライバー(レンチ)
- プライヤー
クランクプーリーの外し方
クランクプーリーを外す際には、まずクランクプーリーとオルタネーター、エアコンコンデンサーに掛かっているベルトを外すところから作業に入ります。
ベルトの外し方は、こちらをご覧下さい。
ベルトさえ外してしまえば、後はクランクプーリーを固定している3本のボルトを外すだけでクランクプーリーの取り外しが可能です。固定ボルトは、E10のトルクスソケットになります。
クランクプーリーを固定しているボルトを緩める際ですが、プーリーの回転(供回り)を心配しておりましたが、何とか緩みます。じわじわ緩めるのではなく、瞬発的に力を掛けてやれば、クランクプーリーを押さえずともいけました。
締め付け時に関しては、手持ちのユニバーサルホルダーを使用して締め付けを行いました。
僕はバイクのエンジンを組み付けるために購入して保有している工具ですが、案外車整備にも使用する機会がちょこちょこ。安いやつで十分使用出来るので、あると案外使い所がある工具です。
少々余談ですが、クランクプーリーを取り外す際には、取り外す前にクランクプーリーの状態を確認しておき、プーリーのダンパー(ゴム部分)が劣化していないかどうかを確認しておくことをお勧めします。
第一世代のR50、53型よりは、クランクプーリーの破損は減ったようですが、R56ミニの場合もクランクプーリーのダンパーが劣化し、トラブルになるケースがあります。
ゴム部分が劣化している場合、同時交換をお勧めします。軽量品を取り付けてやると、レスポンスの向上にも繋がります。
クランクシャフトシールの交換方法
クランクプーリーが取り外せたら、クランクシールに小さな穴を開けてやり、この下穴にビスを打ち込み、そのビスをプライヤーで引っ張る形でシールを引き抜きます。
この時、エンジン側やクランクシャフトに傷を入れないようにだけ注意です。
クランクシールを取り外すと、少量ですがオイルが垂れてくるので下に敷物をしておくことをお勧めします。(補充が必要なほどは漏れない。)
クランクシールが取り外せたら、シールの当たり面を綺麗に掃除し、後は新品のシールを入れ込むだけ。
クランクシールを購入される際には、下の画像に写っているシール圧入時のガイドがあるメーカーさんの商品を使用すると、取り付けのミスが減ります。作業に慣れている人を除いては、ガイドが付属するか否か確認した方が念のためかと思います。
elringというメーカーさんのシールにはガイドが付属することを確認済みでしたので、今回こちらの商品を使用しました。
ガイドに新品のシールをハメた状態でそのガイドごとクランクシャフトに入れ込んで、シールを均等に入れてやるだけです。
このガイドがあると、シールを入れる際にクランクシャフト側のシール内側がめくれて入り込むのを防ぐことが可能です。
入れ込む際には、外径が同じサイズのソケット等をあてがい、叩き入れる方法が良いかと思います。今回、写真を撮り忘れましたが、65ミリのオイルフィルターレンチがピッタリでしたので、それを使用して叩き入れました。
※国産車に使用されるサイズのフィルターレンチですね。
シールを外す前に、シールがどのぐらいの深さまで入り込んでいたかを写真もしくはノギス等で計測しておき、それと同じだけの入れ込み量になるようにシールを組んでやって下さい。
メーカーの整備書を見ると、新品のクランクシール交換後は4時間程度時間を空けてからエンジンを掛けるようにとのことみたいです。
まとめ
クランクプーリーの脱着には、ドライブベルトを取り外す必要がありますので、専用のSSTがないと少々時間と手間が掛かるものの、ベルト周りの分解さえ済ませてしまえば、比較的簡単にクランクプーリーの取り外しが可能です。
また、クランクシールの交換に関しても、プーリーが外れている状態であればすぐに交換が可能です。
ベルト周りを取り外す際には、まとめて作業することをお勧めします。
それでは。
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