高校生の時から4mini雑誌『モトモト』を購読していた僕からしたら武川から発売されている『スペシャルクラッチキット』は大きな憧れでした。
しかしながら金額の面や当時エンジンをバラす事が自分で出来なかった僕にとって単なる『憧れ』と言う存在で終わってしまっていました。
あの当時『スペクラ』を付けるメリット、何のためにあれを付けるのかすら分かっていませんでした…お恥ずかしい事に。
1万円前後で買える強化クラッチキットとは何が違うのか全く分からず…
そこでこの記事では、『スペクラ』を取り付けるメリット(主に性能面)について詳しく説明していこうと思います。
1次側クラッチと2次側クラッチ
スペクラと一般的なクラッチの違いは、1次側クラッチか2次側クラッチかの違いです。
1次側クラッチと2次側クラッチと言う言葉を耳にした事がある方も多いのではないでしょうか??
これはこの後の話のにも出てくる重要なポイントになります。この2つの違いは『クラッチの取り付け位置』になります。
こちらの写真はクラッチを外した写真です。
赤マルのところにクラッチが取り付けられるのが1次側クラッチで白マルのところに取り付けられるのが2次側クラッチになります。
【スペクラ】3つのメリット
スペクラ(2次側クラッチ)を使用するメリットは以下の3つです。
- レスポンスが良くなる
- クランクシャフトの負担軽減
- クラッチの強化
順番に解説していきます。
レスポンスが良くなる
スペシャルクラッチと純正クラッチ(普通の強化クラッチ)との大きな違いは『クラッチの取り付け位置の変化』になります。
純正のクラッチはエンジンのクランクシャフトと言うシャフトに取り付けがされています。クラッチはエンジンの中のパーツを個々に見た時にかなり重量のある部品です。
このクランクシャフトと言う部品にはピストンが取り付けられていて、クランクシャフトが回転する事によってピストンの『上下運動』が行われています。
つまり、重たいクラッチがクランクシャフトに取り付けられていると回転の妨げになってしまい、エンジンのレスポンスが低下してしまいます。
回転するものに重たいものが付いているのと付いていない状態では回転に影響を与える事は何となくイメージ出来ますよね??軽い方が明らかにスムーズに回転します。
これが大きなメリットです。
クランクシャフトの負担軽減
先ほどの話の続きになりますが、クランクシャフトに重たいクラッチを取り付け回転させるよりも、重さを無くし、回転させた方がクランクシャフトの負担は軽減されます。
クランクシャフトは矢印が示す部品には部品になります。クランクシャフトを右な辿っていくとピストンが取り付けられているのが分かりますね!このクランクシャフトを回す事でピストンが上下に動きます。
クラッチの強化
スペシャルクラッチキットも当然純正と比べて『強化されたクラッチ』ですので、クラッチの強化に繋がります。
純正同様にクランクシャフト側に取り付けられるクラッチよりもスペースの確保が出来るため、クラッチ盤の枚数が多くなっている事もあり、単なる強化クラッチキットよりも、よりハイパワーな排気量にも対応しているのがメリットにも挙げられます。
88ccぐらいまでは普通の強化クラッチキットでも充分に対応しきれますが、100ccを大きく超えた124ccや138ccクラスの排気量まで行くとスペシャルクラッチキット出ないと対応が難しくなっていきます。
勿論乗り方等で大きく左右しますが、知りたいの106ccでは早い段階でクラッチの滑りが症状として出てきてしまいました。
スペクラ(武川)のココが良い!
モンキー系のエンジンを2次側クラッチに変換するキットは武川のスペシャルクラッチだけではなく、『キタコ・デイトナ・ネクト』からも発売されていますが、武川のスペシャルクラッチキットが一番売れている(付けている人が直感的に多い)のには理由があります。
それは武川製のスペシャルクラッチキットは『純正ミッション(4速ギア)』のまま取り付けられるというところにあります。
武川以外から発売されている2次側クラッチキット以外は『5速または6速ミッション』を取り付けないと取り付けが出来ません。
ミッションまで変えればそれなりに費用も必要になりますし、クラッチだけ交換したい人からしたら大きな手間になります。純正ミッションのまま取り付けられるのは大きいですね。
スペクラはここに注意!
メリットが多いスペシャルクラッチキットですが、一点だけ気を付けなければならない点もあります。クランクシャフトのクラッチが取り付けられている反対側のシャフト(ジェネレーターカバー側)にはフライホイールと言う部品が付いています。
これはクラッチと同じぐらい重量感のある部品です。
本来であれば、クランクシャフトの両側に同じぐらいの重さの部品が取り付けられて回転していますが、2次側クラッチに変えるとフライホイールのみが取り付けられた状態で回転する事になります。
こうすると左右で保たれていた重量のバランスが崩れるため、あまりエンジンをふかしていると最悪の場合、クランクシャフトがよじれてしまう場合があります。
勿論、2次側クラッチも構造的にはクランクシャフトの駆動で回転しますが、重量が直接取り付けられているわけではないので左右のバランスは崩れてしまいます。
軽量フライホイールとの組み合わせる
そんな事から、フライホイールを軽くする。という方法もあります。
フライホイールは取り付け位置を変える事は出来ない代わりに、重さを軽くして対応していきます。
純正を加工する方法もありますが、純正フライホイールでは限界もあるため、社外の軽量フライホイールの取り付けがおすすめです。
スペクラと軽量フライホイールを合わせることで、よりレスポンスの良いエンジンを手に入れる事が出来ます。
こちらのシャリーはスペクラにこちらのアウターローターを取り付けたレスポンス動画になっていますので気になる方は見てみて下さい。
ちなみにこのシャリーに取り付けたアウターローターはご存知の方も多いかと思います『ミニモト製』の商品で、国産メーカーの半値以下で購入可能なうえ、重量も軽く取り付けから2年近く立ちますがノントラブルです。
まとめ
スペクラのメリットや更なるレスポンス向上についてのお話をしてきました。
これからスペシャルクラッチキットを取り付けようと思っている方は是非取り付けてみて下さい。
1次側クラッチには戻れなくなると思います。性能アップも勿論ですが見栄えにも大きな変化が出るパーツなのでカスタム度も一気にアップですね。
それでは!楽しい4miniライフを!!
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