ブレーキキャリパーのピストン部分にあるOリングを交換したいんだけど、ピストンってどうやって外せば良いの?
こんな疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
先日、ブレーキキャリパーのピストンを外す機会がありましたので、この記事ではブレーキキャリパーのピストンを外す方法について紹介していきます。
人それぞれにあった(持っている工具や環境)外し方があるかと思いますので、3パターンの外し方を紹介します。
【ブレーキキャリパー】ピストンを外す3つの方法
ブレーキキャリパーのピストンを外す方法は、以下の3パターンあります。
- オイルラインにエアを送る
- オイルラインにパーツクリーナーを送る
- ピストンプライヤーを使用する
最も簡単にピストンを取り出す(外す)方法は、ブレーキフルードの通り道にエアやパーツクリーナーを入れ込み、圧をかけてやりピストンを外す方法です。
※ブレーキパッドは外して作業します。
ブレーキフルード同様に圧力が加われば、ピストンは押し出されていきます。
エンジンのピストンとは異なり、固定はされていませんので、これだけでピストンを外すことが可能です。この時、ピストンが勢いよく出てしまうと、ピストンを痛める可能性があるため、ピストンの間にウエス等を入れておくことをお勧めします。
パーツクリーナーを使用する場合は、新品もしくは残量が多いものを使用しないと、ピストンが押し出せません。また、パーツクリーナーのノズルとオイルラインの入り口に隙間がある場合も、うまくピストンが押し出せません。その場合、ノズルにビニールテープを巻き付けキャリパーとの隙間を上手く埋めてやることで、圧を最大限掛けてやることが可能です。
もしピストンが固着しており、この方法でピストンが外せない場合は、ブレーキキャリパーを分解し、ピストンプライヤーにて外します。
▪️ピストンプライヤー
※キャリパーのサイズが大きい場合は、ブレーキキャリパーを分解せずとも、ブレーキパッドだけの取り外しで作業可能です。
ピストンプライヤーを使用する場合、使い方はシンプルでピストンの内側にプライヤーの先端を入れ込み、プライヤーを握ることでプライヤーの先端が開くので、開いた力を利用し、ピストンを引っ張り出します。プライヤーを握った状態でプライヤーを左右にずらしながら引っ張るとスムーズに外すことが可能です。
今後もブレーキキャリパーを分解する機会がある方であれば、この機に購入しても良いかもしれません。一度だけ学生時代に、先輩からの借り物を使用したことがありますが、固着したピストンが簡単に外せます。
オイルラインが繋がっている状態なら別の方法もある
車体に付いているキャリパーをこれからオイルラインを切り離して、キャリパーのオーバーホール作業に入る方であれば、ブレーキレバーやペダルを少しづつ踏み込み、ピストンをフルードにて押し出す方法もあります。
ブレーキパッドを外した状態で、ブレーキレバーを握ってやれば、当然ピストンの可動を遮るものはありませんので、好きなだけピストンは飛び出てきます。
※フルードの力で出し過ぎてピストンが完全に抜けてしまうと辺り一面がブレーキフルードまみれになりますので、その辺の注意は必要ですが…。
もしそのようなリスクを回避したいのであれば、ピストンの間に薄い板を入れておき、ピストンの可動範囲をある程度制御してやれば、そのリスクは回避することが可能です。(ある程度ピストンの可動域というか幅を理解しておく必要がありますが。)
ブレーキフルードは、塗装面に付着すると、塗装が剥がれてしまうので、注意。
ピストンの外径には絶対工具を掛けないこと
ピストンがある程度飛び出し、もう少しでピストンが抜けそうなんだけど、うまく抜けないから工具でピストンを引っ張り出そう。
そう考えてしまう方がいたら、取り返しがつかなくなりますので、念のため補足としてお伝えしておきますが、ピストンの外径に工具を掛けてしまうと、ピストンの表面に傷が入り、フルードが漏れたり油圧の掛かりが甘くなり、いざと言う時にブレーキが効かなくなってしまう可能性が出ていきます。
そのため、ある程度ピストンが飛び出たのに、ピストンが外せない場合はもう少しエアやパーツクリーナーを吹きかける。もしくは、ピストンプライヤーを用意し、引き抜くことをお勧めします。
ある程度ピストンが飛び出ており、上手くその先に引き抜けない場合は、微妙にピストンが斜めになっている可能性があります。一度、ピストンを少しだけ押し込む側に動かしてみることをお勧めします。
※こんなこと分かりきっている方がほとんどかと思いますが、念のため。
まとめ
ブレーキキャリパーのピストンを外す方法は、以下の3パターンになります。
- オイルラインにエアを送る
- オイルラインにパーツクリーナーを送る
- ピストンプライヤーを使用する
ピストンプライヤーという専用工具もありますが、それほど固着が酷くないキャリパーの場合は、エアやパーツクリーナーの圧を上手く利用することで、ピストンを押し出すことが可能です。
車屋さんやバイク屋さんでピストンを外す際にも、エアツールを使用されるケースがほとんどです。
固着している状態の悪いピストンの場合、オイルラインに圧を掛けてもピストンは動きませんので、その場合は専用工具のピストンプライヤーが必須です。
それでは。
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