車高を下げたり、キャンバーを付けている方なら一度は聞いた事があるのではないでしょうか?
『ドライブシャフトのドン突き』
ドライブシャフトのドン突きって何?!と言う方に向けてドライブシャフトのドン突きとは一体何なのか?またドライブシャフトのドン突きが起こる原因と対策方法についてお話をしていきます。
▪️この記事でわかる事
- ドン突きの原因
- ドン突きの対策方法
- ドン突き状態で乗り続けると?
ドライブシャフトのドン突きとは?
ドライブシャフトはミッションケースにハマっており、ハブと連携されています。尚、ミッションケース側には固定はされておらず差し込まれている形になっています。
そのため、ハンドルを切ったり、車がストロークした際にドライブシャフトは規定の位置から、ミッションケースの中に入り込んだり、外に出たりとストロークを行います。しかし、ドライブシャフトのストロークには限界があります。
それを踏まえた上で、ドライブシャフトのドン突きとはミッションケースに限界まで入り込んでしまっている状態を意味します。
ドライブシャフトのストローク!なんて言われてもイマイチピンと来ない方が多いでしょう。そんな方はサスペンションを頭に思い浮かべて下さい。サスペンションが底付きしてしまう現象と全く意味合いは同じです。
もう、それ以上ドライブシャフトがミッションケースに入り込む余地が無い!と言う事です。
ドン突きの症状
ドライブシャフトがドン付きを起こしていると走行中にジャダーが発生します。
また、大きな特徴として上げるとするならば、走行スピードに比例し、ジャダーのリズムが変化していきます。当然、スピードが出るとドライブシャフトの回転も早くなるのが理由です。
走行中に足元付近から『ダッダッダッダ』とジャダーを感じ取ったらドライブシャフトがドン突いている証拠です。
直線を走行中はなんの問題がなく、カーブを曲がっている最中のみドライブシャフトがドン突くケースも多いです。
もう1つ付け加えておくと、多くの車の場合ドライブシャフトのドン突きは運転席側から発生します。これは左右でドライブシャフトの長さが違う事が原因だと思います。
ドン突きのまま走り続けるとどうなる?
多分、これを読んでいる方の中にはすでにドライブシャフトがドン突いている…という方も多いのでは無いでしょうか??
結論、ドン突いたまま走行を続けるとドライブシャフトが破損し、走行出来ない状態に陥ってしまう場合があります。
ドライブシャフトにはベアリングが組み込まれており、ドン突き状態で乗り続けてしまうとこのベアリングが破損してしまう恐れがあります。
とは言え、すぐにドライブシャフトが破損する!とは限りませんが、直線状態を走行中にドン突いているレベルなら危険ですので、その状態での走行はしない事をお勧めします。
実はドライブシャフトが破損してしまうだけではありません。
ミッションケースにクラックが入ってしまったり、ドライブシャフトが差し込まれている部分のオイルシールを傷付けてミッションオイルやATFが漏れてしまう場合もあります。
ドライブシャフトの交換やオイルシールの交換程度ならそれほど高額な修理にはなりませんが、もし万が一、ミッションケースに不具合が出てしまった場合には高額修理はま逃れる事は難しいでしょう…
ドン突きを引き起こす原因
ドライブシャフトがドン突いてしまう原因は2つです。
- 車高の下げ過ぎ
- キャンバーの付け過ぎ
主にこの2つが原因になります。車高の下げすぎよりかはキャンバー角の影響により、ドライブシャフトがドン突きを起こすケースが多いです。
キャンバーの付け過ぎ
キャンバーを付けるとハブに角度が付きます。ドライブシャフトはハブにナット固定されていますので、ハブが車体側に倒れると必然的に、ドライブシャフトも車体の内側に押し込まれてきます。
このような理由でドライブシャフトがミッションケースに押し込まれていき、ドライブシャフトがミッションケースにドン付いてしまうのです。
キャンバー角の変更が最もドライブシャフトがドン突く原因になってきます。
車高の下げすぎ
車高を下げると何故ドライブシャフトがドン付きするの?と疑問に思う方も多いと思います。
これはロアアームの動きに答えがあります。
ロアアームは車体側とハブに固定されおり、車体側は完全に固定されているため、車体側の固定部を支点にロアアームは稼働します。
そうすると車高の変化に伴いロアアームは円を描くように持ち上がり、最終的にバンザイしてしまう形になります。ドライブシャフトやロアアームのバンザイはよく聞く言葉ですね。
ロアアームがバンザイするとどうなると思います?
少し見えづらいですがこちらの写真を見てください。割り箸です。笑
では無くて…笑。写真の白い線を見てもらうと上側のバンザイをイメージしたロアアームは平行状態のロアアームと比べて、車体の内側に入り込んでいる事がイメージ出来ますよね??
ロアアームの先端にはハブが固定されています。そのためロアアームのバンザイに伴いハブも車体側に!必然的にドライブシャフトも車体側に。
これが車高を下げる事でドライブシャフトがドン突きを引き起こす原因です。
ドン突きを解消する方法
ミッションケースにドン付きしてしまった場合、解消する方法はたったの3つしかありません。正確には1つと言っても過言ではありません。
- 車高をあげる・キャンバーを起こす
- ロアアームを延長加工する
- ロールセンターアダプターを使う
原因となる車高、キャンバーを起こしてやるとそりゃ当然ドン突きは解消されます。しかし多分この記事に辿り着いてくれた方はそれは望んでいないかと思います。
そうなればロアアームの延長加工を行うしか手はありません。
車高を下げてドライブシャフトがドン突く仕組みをお話した内容を少し捻ると納得出来ると思います。
車体とロアアームの距離が近く事でドライブシャフトがドン付いてしまうなら、ロアアームを長くしてハブを車体から遠ざけて上げればドライブシャフトのドン突きを解消する事が出来ます。
つまり、キャンバーの付け過ぎや車高の下げ過ぎによって規定位置よりミッションケースに押し込まれてしまったドライブシャフトを規定位置に戻してあげるだけの話です。
ドライブシャフトを短く加工出来ればそれはそれで楽かもしれませんが、ドライブシャフトの加工を行ってくれるショップなんてそうそう無いと思います。
そのため、ロアアームを延長加工し、ハブごと外にオフセットしてやり、ドライブシャフトを外に逃がしてあげるのです。
しかし、ロアアームの延長には気をつけなければならない事もあります。詳しくはコチラの記事を参考にしてください。
ロールセンターアダプターを使用することが出来る車であれば、ロールセンターを補正してやることでロアアームの角度が戻り、ドライブシャフトのドン突きが解消される場合もあります。
ここに関しては、ドライブシャフトのドン突きぐらいとロアアームの補正量によっても異なるので一概には言えませんが…。
ロールセンターアダプターに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
ドライブシャフトのドン突きについてお話ししました。ドン付きの原因や対処法が分かったと思います。
ドライブシャフトがドン突いてしまう原因は分かってしまえば簡単な事ですね。
ドン突き状態で走り続けると、車が壊れてしまう恐れがありますので対策をしていきましょう。
ドン突きを始めるキャンバー角や車高に関しては、その車ごとによって異なります。つまるところ、ドライブシャフトのストローク幅にバラつきがあるということです。
それでは。
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