車高調の寿命って皆さん気にしているようでほとんど気にしていない方々が大半です。
車高調の寿命って結局どのくらいなの?
そんな疑問を陰ながら思っている方々が多数いらっしゃると思います。
そこでこの記事で【車高調】の寿命について解説していきます。合わせて少しでも車高調の寿命を伸ばすメンテナンス方法についてもお話しします。
車高調の寿命はどのくらい?
先にお伝えしておくと、車高調は純正ショックよりも遥かに寿命が短いです。
使用方法やメンテナンスの有無によっても大きく左右してきますが、車高調の寿命は5〜6年程度です。
この数字はあくまで目安に過ぎません。
ちっともメンテナンスをしなかったり、扱い方が悪いと2年程度でダメになってしまう場合も充分考えられます。
車高調の寿命を判断する3つのポイント
車高調は多少ダメになっても使い手が使い続けようと思えばいくらでも使える部品なので、具体的にどうなったら寿命なのかよくわかない。
そんな声をよく耳にします。
具体的に車高調が寿命を終えたと判断出来るポイントを紹介していきます。
- 車高調のオイル漏れ
- ネジ山の破損・固着
- ピロボールのガタ
車高調のオイル漏れ
ショックアブソーバーにおける1番の寿命を判断する材料は【オイル漏れ(ガス漏れ)】になります。
これは車高調に限らず純正ショックアブソーバーでも同じ事が言えます。
車高調の中には【オイル(ガス)】が入っており、使用の年月が経つにつれて、オイルシールが劣化や破損を起こし、オイルが漏れてしまいます。
エンジンオイルなどとは異なり、素人が気軽にオイルを変えたり補充する事は出来ず、寿命とみなす大きなポイントになります。
オイルが抜けてしまった車高調はショックアブソーバーの役割を全く果たせなくなってしまうため、乗り心地の悪化を引き起こします。
車高調のオイル漏れに関する内容はコチラの記事で詳しく解説しています。
ネジ山の破損・固着
次に多いのが車高調ならではのネジ山の破損とブラケットの固着です。
車高調の醍醐味である車高調機能を使う上で無くてはならない大事なネジ山がシェルケースという部分に立てられています。
このネジ山に砂利等が挟まり、ネジ山を破損してしまえば車高調整が出来なくなってしまう事もある。
また雨等により、ネジ山が錆び付き車高調のブラケットとネジ山が完全に固着してしまい車高調整が出来なくなってしまう場合も…
車高調は【車高調整】をするためのパーツなので車高調整が出来なくては車高調の意味を成しませんよね?
その観点からいくと、コレも1つ車高調の寿命であると判断する事が出来ます。
車高調の固着に関する情報はコチラの記事にまとめてありますので気になる方は合わせて読んで見てください。
ピロボールのガタ
車高調の中にはアッパーマウント部分にピロボールが使われているものがよくあります。
【ピロアッパーマウント】と呼ばれるものです。
このピロボールに砂利が噛んでしまったり、経年劣化により、ガタを引き起こす事があります。
ピロボールにガタが出てしまった場合、ピロアッパーマウントを交換する必要があります。
これだけ聞くと、『じゃ〜ピロアッパーマウントだけ交換すれば良いじゃん!』と思う方も多いかと思います。
しかし、僕がピロアッパーマウントのガタを車高調の寿命と見極めるポイントに入れたのにはしっかり理由があります。
ピロアッパーマウントのガタは1年や2年で起こりうる可能性は極めて低いです。そうなれば当然長年車高調を使用した結果がこのガタを生んでいます。
仮にピロアッパーマウントを新品購入して、直したとしてもまたすぐにオイルが漏れるかもしれない。ネジ山がダメになってしまうかもしれない。
そうなれば高いお金を払ってピロアッパーマウントを買い換える価値があるのか?
いっそ新品の車高調に買い換えた方が安く上がり、尚且つ効率性が良いと考えられる場面も多いです。
そのため、ピロボールにガタが出てしまったらその車高調を寿命だ!と判断出来る場合もあります。
ここに関しては、考え方が人それぞれ変わってくるポイントです。
車高調の寿命を伸ばすメンテナンス方法
車高調の寿命に大きなバラ付きがあるのは、メンテナンスをするかしないか、何をするかによって大きく左右していきます。
少しでも寿命を伸ばしてあげるメンテナンス方法を紹介していきます。
- 車高調の洗浄
- グリスアップ
- ダストブーツの交換
車高調の洗浄
車高調の寿命を伸ばす1番のメンテナンスは【車高調】の洗浄です。
特に洗浄するべきポイント
- シャフト周り
- ネジ山部分
- ピロボール周り
1番の洗浄ポイントは車高調のシャフト部分です。車高調のシャフトは車がストロークするたびに伸び縮みを繰り返しています。
このシャフトにタイヤで巻き上げた砂や砂利が付きっぱなしになっていると、シャフトがアブソーバー内に入り込む際、オイルシールを傷付ける事になります。
オイルシールはこちらに付いています。
ここのオイルシールに傷が付けば、どんなに新しい車高調でも使用期間が短かろうと容赦無くオイルが漏れ出してしまいます。
1度漏れたら後はオイルが抜けきるだけです…
そうならないために、車高調にはダストブーツが取り付けられています。
とは言え、多少の砂や砂利は侵入してしまうのでタイヤを外す機会があった際は洗浄しておきましょう。
ネジ山とピロボールも全く同じです。
ネジ山は頻繁に洗うよりは主に車高調整前に洗浄しましょう。車高調の常識ながら車高調整前にネジ山を洗浄しない人がよくいます。
洗浄せず、砂や砂利が付着したままロックシートやブラケットを回してしまったら砂や砂利ごネジ山に食い付き、ネジ山を破損してしまうのは自業自得です。
グリスアップ
グリスアップする場所はこの2つ。
- 車高調のシャフト部分
- ピロボール部分
シャフト部分とピロボールの洗浄が終わった後は必ずグリスアップする癖を付けておくと車高調の寿命を伸ばす事に繋がります。
洗浄する際はパーツクリーナー等を使う方が多いと思いますが、パーツクリーナーを使う事で油分が全て無くなり、滑りが悪くなってしまったり、錆の発生原因に繋がります。
そのため、安いグリスで充分なのでグリスアップを心掛けましょう。
スプレータイプのグリスが使いやすく、金額も安いのでおすすめです。スプレーなのに吹きかけるとしっかりグリスです。
ダストブーツの交換
車高調に限らずショックアブソーバーにはダストブーツが取り付けられています。
車高調に付いている黒い蛇腹部分がダストブーツです。
このダストブーツは早ければ1.2年で劣化し、破れしまいます。
多くの方はダストブーツの破れをそのまま放置してしまいがちですが、ダストブーツはオイルシールを守る大切な役割があります。
ダストブーツが敗れると、シャフト部分に砂や砂利が入り放題になってしまいオイルシールがあっという間にダメになり、オイル漏れを引き起こします。
シャフトが砂だらけになって、オイルシールを通過してしまえば、オイルシールが切れてオイルが漏れだす事が想像出来ますよね?
そんな理由から、ダストブーツは金額も安く交換しやすい部品なので、破れに気が付いた際は交換することをお勧めします。
長く車高調を使いたいのであれば絶対に交換しておくべきです。
まとめ
車高調の寿命やメンテナンス方法について解説しました。
これから車高調を購入する方もすでに車高調を使っている方も参考にしてみて下さい。
車高調は決して安い部品では無いので、寿命を伸ばせる使い方を知っておくと良いと思います。
とは言え、『中古で買ったし、車高が下がればいいや!』というユーザーはそこまで車高調の寿命を気にする事は無いと思います。
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