スピーカーを交換するついでにドアのデッドニングをやってみようと思っているけど、いまいち作業内容が分からない…。
そんな方も珍しく無いかと思います。
そこで先日、ドアスピーカーの交換に伴い、ドアのデッドニングを合わせて行いましたので、この記事ではDIYでデッドニングをやってみようと思っている方向けに、デットニングのやり方について紹介していきます。
初めてデッドニングにチャレンジする方でも、それほど難しい作業ではないので問題無しです。
用意するもの
- 制振材(シート)
- 内張剥がし
- ヘラ
- カッター
- マジック
- パーツクリーナー
デッドニングに使用する材料については、こちらの記事で紹介していますので何を購入すれば良いのかよく分からない方はこちらの記事をご覧ください。
【DIY】デッドニングのやり方
車のドアをDIYでデッドニングする際の作業手順はざっくり以下の通りで作業を進めていきます。
- ドアの内張を外す
- ビニールにマーキングをする
- ビニールを剥がす
- 制振材を切り出す
- アウターパネルに制振材を貼る
- インナーパネルのサービスホールに制振材を貼る
- インナーパネルの弱いところに制振材を貼る
内張の外し方に関しては、車種ごとに異なるのでここでは割愛します。
ビニールにマーキングをする
まずドアのインナーパネルに貼られているビニールを剥がす前に、ビニールの上からサービスホールの形状をマジックで印をつけておきます。
この印に沿って、制振材をカットしサービスホールを塞ぐためのシートを切り出しますので、サービスホールの穴よりも20ミリ程度大きめに印を付けておきます。
全てのサービスホールをマジックでなぞったら、ビニールをインナーパネルから剥がしてやります。
ビニールを剥がす際には、配線のカプラーを外したり、内張を固定するための金具等を外す必要があります。
制振材を切り出す
先ほど外したビニールのマジック部分をなぞるようにビニールを切り取り、これを使ってサービスホールを塞ぐための制振材を切り出していきます。
制振材を切り出す際には、制振材の上にビニールを乗せてマジックで形状を写したのち、それに沿ってカッターにてカットしてやります。
※切り出す際には、表と裏を注意して下さいね。
制振材(シート)を切る際には、ハサミではなくカッターの使用をお勧めします。ハサミだと、刃先にブチルが着いてしまい、うまく切れません。
加えて、部屋の中でシートをカットする際には、ビニールシート等を敷いて作業することをおすすめします。(ブチルが着くと掃除が厄介…。)
大概の車は左右のドアが対称になっているかと思います。それを確認したら、型取りは1つやればOKです。反転したものを切り出せば良いだけですからね。今回は、それで左右のシートを切り出しています。
アウターパネルに制振材を貼る
先にインナーパネル(サービスホールを塞ぐ)用のシートを切り出したら、アウターパネルの形状や寸法を見ながら、アウターパネル用のシートを切り出し、制振材を貼り付けていきます。
サービスホール用のシートから切り出す理由は、サービスホール用のシートは確実に一枚物で貼る必要があるので、優先順位を上げて切り出します。
アウターパネルに制振材を貼る際には、まずアウターパネルをパーツクリーナー等で洗浄してからです。アウターパネルは、ドアの中を雨水が通ることもあり、かなり汚れています。掃除せずに貼ると、後々シートが剥がれちゃいます…。
アウターパネル用のシートを切り出す際には、中を覗き込み、障害物を確認しつつ、中でメジャーをあてがいおおよその数値を紙等に抑えて、形状をイメージしながらカットしてやります。
なるべく1枚のシートで広い範囲を抑えてやったほうが、鉄板の振動を抑える効果が高くなります。
そんな理由から、小分けにシートを切り出して貼るのではなくなるべく大きいシートを1枚で拾い面積に制振材を。どうしても限度はあるので、多少小分けにカットしたシートも貼っています。(手の入りにくい奥の方とかは。)
加えて、制振材を貼った後は、手ではなくヘラを使用ししっかり鉄板に圧着していきます。手だけで押し当てると、その場では貼れたように思えても、後日シートが浮いてくることも多いのでしっかり圧着することをお勧めします。
ヘラはホームセンター等で売っている安いやつで十分です。
上の画像からも分かるとおり、アウターパネルの中心部分には、補強が1本走っています。本来であれば、この補強もまとめて1枚のシートを使って制振材を貼ってしまうのが理想です。(補強を覆い込むように)
ただ今回は、形状が複雑な点(ただの丸パイプの車も多い)と、補強に配線が固定されていましたので、補強部分にはノータッチです。
インナーパネルのサービスホールに制振材を貼る
アウターパネル側の心残りがないことを確認したら、あとはサービスホール(インナーパネル側)を制振材を使用し穴を塞いでいきます。
※サービスホールを塞いだら、あとはスピーカーの取り付け穴からしかアウターパネルにアクセス出来ませんからね…。
アウターパネルの時同様に、シートを貼っていく際にはヘラを使って圧着です。
サービスホールを通っていた配線類もあると思います。この配線は、シートに切れ込みを入れて通しておきます。
配線を固定していたクリップ穴に関しては、人それぞれやり方があるかとは思いますが、僕の場合はサービスホール付近にある穴は一緒に塞いでしまい、後から手探りで穴位置を探し出し、カッターで切れ込みを入れてクリップを差し込みます。
サービスホールを制振材で塞いだら、これで終わりではなくシートに一工夫を施しておきます。
鉄板が無く制振材が浮いた状態になっているサービスホールの真上部分のシートに、ヘラの裏側を使って下の画像のように縦筋を入れてやります。
※強くやり過ぎると穴が開きますので注意。
これをやることによって、制振材の強度が増し、サービスホールの真上にくるシートが振れなくなりますので、後々ビビり音の対策につながります。
どうしても、どこにも張り付いていない面積が大きくなるため、シートが暴れる可能性が…。このように、筋を入れてやることでシートの中心部分が丈夫になります。やれば分かりますが、空洞部分のフニャフニャ感が無くなります。
※これは、専門のショップ等でデットニングしてもらう際にも、同じような加工が行われます。一度、オーディオを専門に扱うショップに施工してもらったドアを見せてもらったことがありますが、同様の方法が取られていました。
元々ビニールを貼っていたブチルはそのまま。上から制振材を貼っています。剥がすに越したことはありませんが、粘着力が残っていれば、そこが原因で剥がれた経験はありませんので、気にせず上から貼ります。(ブチル剥がすのむっちゃ面倒いし…。)
加えて、インナーパネルに空いている不要な穴はなるべく大小関わらず、塞いでやるのですが、内張を固定するクリップ用の穴だけは塞がないように…。
インナーパネルの弱いところに制振材を貼る
おそらく、アウターパネルとインナーパネル(サービスホールの塞ぎ)を終えても、用意した制振材は余るかと思います。余った制振材は、小さくカットしスピーカーの周りを重点的に、鉄板の反響が大きい箇所に貼り付けてやります。
デッドニングキットを購入している方だと、ポイント制振材と言う名前が付いたものが付属しているかとおもいます。
当然、スピーカーの周りが最も振動するので、制振材を貼るのですが、スピーカーから離れたところでも、鉄板の振動が気になりそうな箇所には、サイズを合わせて貼り付けてやることをお勧めします。
反響が大きい箇所、振動しやすそう(鉄板が弱い、薄い)場所の探し方は、鉄板(インナーパネル)をノックしてみて、鉄板から甲高い音が発生する箇所がそれにあたります。
まとめ
ドアのデッドニング作業は、どうしても時間こそかかりますが、DIYでも十分可能な作業です。もちろん、専門の知識を駆使して施工するプロには敵わないんだろうけども…。
それでも、DIY作業でデッドニングしたドアでも、作業の前と後ではスピーカーを交換した時並みかそれ以上の効果が得られるのでやる価値はあるかと。
人によっては、ドアと内張の配線にスポンジを巻き付ける方もいらっしゃりますが、個人的にはあれはやりません。面倒だから。その程度の作業であれば、どうしても配線のビビリ音が気になってからの作業でも十分かな?と言うのが個人的な意見です。
今回の車両は、全く気になりませんでしたのでこの後もやることは無いかと思います。
記事内では詳しく紹介しませんでしたが、デッドニングをやる際には折角時間と手間を掛けたので、スピーカー背面に吸音スポンジを貼ってやることをお勧めします。スピーカー背面から出る音がアウターパネルに跳ね返り、ノイズ(雑音)になって正面から出るメインの音に被るのを防ぐ役割があります。
▪️今回使用した制振材(ドア2枚でトータル×4使用)
それでは。
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