先日前々から頼まれていたアウディA4アバント(B8)の車高調取り付け作業を行いましたので、車高調の取り付け方法について解説してきます。
外車の車高調取り付けってあまり詳しい情報が出回っていないので少しでも分かりやすく画像多めで事細かく解説していきます。
少し長い記事になってしまいましたので、必要な情報を飛ばし飛ばし確認下さい…
こちらの記事では【フロント】の交換方法についてお話ししていきます。
■リア編はこちらよりご確認下さい。
A4アバント車高調取り付け(フロント)
車高調取り付けに使う工具
- ソケットレンチ(10・16・17・18)
- メガネレンチ(16・18)
- インパクトレンチ
- 油圧ジャッキ
- リジットラック
- 十字レンチ
工具サイズはインチではありませんが、国産車では使わない16・18ミリを多用しますので持っていない方は用意しておきましょう。この手のサイズは多くのセットに付属していません…
純正ショック取り外し手順
まず始めに純正ショックの取り外し手順について解説していきます。
- ジャッキアップ
- アッパーアームの取り外し
- 各部ボルトを緩める
- ドラシャ上カバーの取り外し
- スタビリンクの取り外し
- ショック固定ボルトの取り外し
- ブラケット固定ボルトの取り外し
- アッパーマウント固定ボルトの取り外し
- アッパーマウントを取り外す
■ジャッキアップ
ジャッキアップとリジットラックの掛け方についてはこちらの記事で解説していますのでこちらをご覧ください。
■アッパーアームの取り外し
アウディはショックのアッパーマウントにアッパーアームが固定されています。
アッパーアームを取り付けたまま純正ショックを取り外す方がラクなのでアッパーアームはナックル側のみを外していきます。
アッパーアームとナックルの連結部分は、ボルトを取り外すと取り外しが可能。
こちらのボルトです。16ミリのソケットレンチと16ミリのメガネレンチを使ってナットが供回するのを防ぎながら外します。
ボルトを抜くとボールジョイントは簡単に外れます。こちらが外れたボールジョイント。
ボールジョイントをよく見ると、ボルトが通る溝があります。こちらの溝にボルトが通り、ボールジョイントを固定している仕組みです。
そのため、プーラーの使用は不要です。
■各部ボルトを緩める
アッパーアームとナックルの連結部分を取り外したら純正ショックを外す準備です。
まずは各部のボルトを緩めます。
- ショック固定ボルト
- ブラケット固定ボルト
- アッパーマウント固定ボルト
車のサスペンションを外す時は順番に全てボルトを外していくと、力を掛けにくくなってしまうので、全てが固定されている状態で緩めておくと作業性が良いです。
サスペンション周りのボルトはかなりのトルクで締めてありますので緩めるだけ緩めておきましょう!
■ドラシャ上カバーの取り外し
次にドラシャ上に付いているプラスチックのカバーを取り外します。
10ミリのソケットレンチで2つのナットを外すと取り外しが可能です。
こちらを外す理由は次に行うスタビリンクの取り外し時に、ボルトを緩外しやすくするためです。
ハンドルを切ればスタビリンクのボルトにアクセス出来そうなのでそちらがやりやすい方はそちらでも作業可能です。
■スタビリンクの取り外し
プラスチックのカバーが外れたらスタビリンクのボルトにアクセスしやすくなるので、早速取り外していきます。
スタビリンクは上側(ブラケットとの連結部分)のみを外しておきます。
こちらは16ミリのソケットレンチで外します。
ブラケット側にネジ山があり、そちらにボルト固定されているのでボルトを回すだけで取り外しが可能です。
スタビリンクを取り外さないと、スタビリンクが効いた状態になるため車高調の取り付けが出来ませんので必ず外しましょう。
■ショック固定ボルトの取り外し
ショック固定ボルトは18ミリのソケットレンチと、18ミリのメガネレンチを使って外します。
こちらのボルトを完全に外したら、ブラケット側を少しハンマーで叩く程度でブラケットからショックが抜けていきます。
少し硬い場合は、差し込み口に556やラスペネ等の潤滑油を吹き掛けて外します。
ここを外すだけでは完全にブラケットからショックが抜けきらないので次に移ります。
■ブラケット固定ボルトの取り外し
ショックとブラケット部分のボルトを外したら、次にブラケットとロアアームの連結部分のボルトを外します。
こちらのボルトは18ミリのソケットレンチ、18ミリのメガネレンチを使って外します。
こちらのブラケットは写真では分かりませんが【Uの字】になっているため、ここのボルトを外すと事で3センチほどブラケットが下に下がり、ショックが完全にブラケットから抜けるようになります。
少し手間ですが、A4はフロント側にドライブシャフトがいるので、無理矢理引き抜く行為を行うとドラシャが抜けてしまうリスクがありますので、外す事をお勧めします。
■アッパーマウント固定ボルトの取り外し
ここまで来たら後は、純正ショックのアッパーマウントとフレーム部分の固定ボルト(4本)を取り外したらショックが取り外せます。
ボルトは16ミリのソケットレンチを使います。
こちらはボンネット内からの作業になります。
まずボンネットを開けるとこちら2本が確認出来ます。
もう2本はこちらのカバーを外すとボルトにアクセスできるようになります。
開けるとこんな感じです。
ボルトが4本外せたらショックが下に落ちます。最後の1本を外す際はハウス内からショックを持って外しましょう。
体勢がきついので、2人で作業するか、ショック下にジャッキ等を入れて押さえておきましょう。
純正ショックの取り外し完了です。ごっついですがアッパーマウントとアーム類は全てアルミ製なので案外軽いです。
■アッパーマウントを取り外す
純正ショックが取り外せたらアッパーマウントを外します。
こちらのアッパーマウントは車高調取り付け時にもそのまま使うため取り外します。
トップナットはソケットレンチ18ミリとインパクトレンチを使います。
インパクトレンチがないとトップナットを外すのは厳しいかも…
車高調取り付け手順
純正ショックが外せたらいよいよ車高調を取り付けていきます。
- アッパーマウントの取り付け
- 車高調アッパー部分取り付け
- 車高調下側をブラケットに差し込む
- ブラケットとロアアームを連結させる
- アッパーアームとナックルを連結させる
- スタビリンクの取り付け
- 各部ボルトの取り付け確認(増し締め)
■アッパーマウントの取り付け
純正ショックから取り外したアッパーマウントはそのまま車高調にも使いますので逆の手順で取り付けていきます。
純正のトップナットは18ミリのソケットレンチを使いましたが、車高調のトップナットは17ミリでした。
メーカーによっても異なりますが、17ミリか19ミリを使うメーカーがほとんどです。
■車高調の取り付け
ここから各部の写真がありませんが、取り外した手順の逆転で作業します。
- 車高調アッパー部分取り付け
- 車高調下側をブラケットに差し込む
- ブラケットとロアアームを連結させる
車高調の下側をブラケットにハマる時はブラケットがフリーの状態なので、ブラケットを手で持って車高調を差し込みます。
しっかり奥まで差し込めたらボルトを締め付けて仮固定します。
車高調がブラケットに差し込めたら、ロアアームにジャッキを掛けて、ブラケットとロアアームの固定部分にボルトが入るように高さを調整し、ボルトを入れて固定。
こちらを固定出来たら次に、車高調とブラケットの差し込み部分のボルトを緩めて、ロアアームのジャッキを上げ、ブラケットと車高調が完全に差し込まれているかを確認し、ブラケットと車高調の差し込み部分のボルトを本締めしましょう!
■アッパーアームとナックルを連結させる
- 車高調とブラケット
- ブラケットとロアアーム
この2つが固定出来たら次にアッパーアームとナックルを連結させます。
こちらはナックルを手でアッパーアームのボールジョイントまで誘導して差し込みます。位置を合わせるのが少し厄介ですが位置が合えば、後はロアアームにジャッキを掛けてナックルを持ち上げればボールジョイント部分が奥まで入り込みます。
奥まで入ったらボルトを入れて固定しましょう!
この時ボールジョイントがしっかり奥まで入り込んでいないとボルトが入りませんので再度確認しましょう!
もしボールジョイントが上手く入らない場合は、ボンネット側から軽く叩くと入ります。
その場合はこちらのカバーを外します。
するとアッパーアームの上側にアクセス出来ます。
■スタビリンクの取り付け
最後にスタビリンクをブラケットに固定していきます。
こちらは左右の車高調を全て取り付け終えてから固定します。
車高調の長さ調整によっては、スタビリンクが全然届かないので、スタビライザー部分にジャッキをかけて、スタビリンクが固定出来る高さまで持ち上げて固定します。
片側を固定してしまえば、反対側はスムーズに作業出来ると思います。
■各部ボルトの取り付け確認(増し締め)
これで車高調の取り付けは完了です。
最後にもう1度、外したボルト類が全て締まっているか確認しましょう。
あちこちのボルトを外していますので、締め忘れがないか最後の確認も大切な作業です。
■オマケ
取り付けてから気が付いた…
減衰調整が出来ない…
って事でキリ穴を空けておきます。今回使ったRushの車高調の減衰調整ダイヤルは細くて助かりました…
センターをバッチリ決めて5ミリのキリ穴を空けました。こちらの穴から減衰調整が可能に!!
このぐらいの穴では強度的問題は何も無いですが、真似される方は自己責任でお願いします。
まとめ
外車ってなるとなんだか作業が大変でハードルが上がる気がしますが、やり方さえ把握しておけば大した事はありません。
ぼく自身アウディのサスペンションは初見でしたが、足回りを確認するだけで十分組み込みが可能なレベルです。
今回は事細かく説明しましたのでかなり長文になりましたが最後までご覧頂きありがとうございます。
これから車高調の取り付けを行う方は参考にしてみて下さい。
それでは!
■リア編はこちらから!