この前、車のエアフィルターを交換したら、フィルターが少しオイリーでエンジンオイルが付着しているような感じだったけど、あれって何で?
こんな話を耳にしました。
そこでこの記事では、車のエアフィルター(エアクリーナー)にエンジンオイルが付着する原因についてお話ししていきます。
付着するオイルはブローバイガスによる物
大気からエンジンに吸い込む前の空気をエアフィルターが通っているのに、フィルターにオイルが付着するって可笑しく無い?
これはエンジン内部から出たブローバイガスを一度エンジン外部に排出するのですが、そのまま大気解放してないよう、エアクリーナー部分にブローバイガスを入れて、再度エンジンにブローバイガスを吸わせる構造になっています。
そのため、ブローバイガスに混じったエンジンオイル(ミスト状)がエアフィルターに付着するのです。
この構造を理解しておけば、エアフィルターにエンジンオイルが付着する理由については疑問が晴れるかと思います。
ブローバイガスには、どうしたってエンジンオイルが混じってくるため、エアフィルターが古くなってくると、エンジンオイルが付着してくるのは極々普通のことです。
エアフィルターに過度にオイルが付着する原因
エアフィルターにオイルがかなり付着している…。フィルター交換を怠っているわけじゃ無いのに…。
そんな時には、以下の原因が考えられます。
- エンジンオイルが規定量より遥かに多い
- 燃焼室にオイルが回ってオイル消費をしている
エンジンオイル量に関しては、ほとんどの人が無縁だと思います。エンジンオイルの量が極端に多いと、ブローバイガスと一緒にエンジンオイルが多く排出されてしまうことで、エアフィルターのオイル付着が多くなります。
また、2つ目に関しても燃焼室にエンジンオイルが回ってしまうと、ブローバイガスの発生量が増えるため、エアフィルターに付着するエンジンオイルが必然的に多くなります。
- オイル上がり
- オイル下がり
■オイル上がり
ピストンリングが摩耗し、ピストンリングのとシリンダーの隙間から、エンジンオイルが燃焼室に入り込む。車種やオイル管理によっては、オイルリングが固着しているケースも。
■オイル下がり
バルブシールが劣化し、シリンダーヘッド内にあるバブルからエンジンオイルが燃焼室に入り込む。
オイル上がりに関しては、オイル交換の管理が悪く、ピストンリングが固着してしまっているケースも…。ダイハツ車のKFエンジンによく起こります…。(年式によって改善してあるみたいですが。)
このような原因からエンジンオイルが燃焼室に入り込み、エンジンオイルを消費(燃やす)してしまうと、ブローバイガスが増えるので、正常の状態よりもエアフィルターに付着するエンジンオイルの量が多くなってきます。
対処方法
先ほど紹介した、エンジンオイルが燃焼室に入り込んでしまい、ブローバイガスの発生量が増えてエアフィルターに付着するエンジンオイルが増えてしまっているような場合、以下の対策方法があります。
- エンジン内部のクリーナーを使う
- オイル消費改善用の添加剤を使う
- エンジンをオーバーホールする
エンジン内部の消耗品が劣化していることや、エンジン内部のコンディションが良くない状態になっているので、完全にこの症状をなんとかしようと思うのであれば、エンジンの腰上を一度分解して、ピストンリングやオイルリングを新品に交換する作業をやるほかありません…。
ただ、これにはそれなりにお金の掛かる修理になるため、誰しもこの方法を。というわけには行かないかと思います。
そのため、今より少しでも。そんな気休め程度の対策として、オイル添加剤等を使用してやる方法を取られる方が大半かと思います。
▪️エンジン内部の洗浄用添加剤
▪️オイル上がり・下がり改善用添加剤
まとめ
車のエアフィルターにエンジンオイルが付着する原因は、エンジン内部から発生するブローバイガスをエアクリーナーを通して、再度エンジンに吸わせているため、エアフィルターをブローバイガスが通過する過程の中でエンジンオイルが付着します。
そのため、構造的にフィルターにエンジンオイルが付着するのは、ごくごく普通のことであり、フィルターの交換サイクルを守っていないと、余計にそう感じる方も多いかと思います。
もちろん、限度はあれどフィルターが真っ黒になる程度のオイル付着であれば、特別なことではな無いので気にする必要はほとんどないです。
それでは。
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