車高調を使っている人であれば、【スラストベアリング】というワードを誰しも1度は耳にした事があると思います。
あれって何のために入れるの?
そんな疑問を持つ方に向けて、車高調にスラストベアリングを入れて、感じる事が出来る3つの効果を紹介していきます。
スラストベアリングとは?
スラストベアリングは、別に車高調だけに使われるベアリングではありません。
よく使われているのが、台車やショッピングカート等に付いているキャスターです。
タイヤがクルクル回るアレ。
力を受ける物体の軸と同じ方向から受ける力を逃してあげるのがスラストベアリングです。
バネが力を受ける時を考えてみると、車高調の軸(地面に垂直)と路面から力を受けます。
そのため、スラストベアリングが使われます。
スラストベアリング【3つの効果】
- ステアリング操作のレスポンス向上
- スプリングからの異音解消
- 乗り心地が良くなる
車高調にスラストベアリングを入れて、体感する事が出来る効果はこの3つです。
多くの方が期待する、乗り心地の向上は効果が最も薄い傾向にあります…
順番に3つ解説していきます。
ステアリング操作のレスポンス向上
1つ目はステアリング操作のレスポンス向上です。
ただし、これには条件があり、サスペンションの構造が【ストラット車】である事。
ストラット車の場合、スラストベアリングを入れる事でステアリング操作のレスポンスが向上します。
理由はハンドルを切った際に、車高調にも動きがあるためです。
知っている方も多いかもしれませんが、ストラット車はハンドルを切った際に、車高調が回転します。
その時、スプリングによじれる力が発生してしまうため、ステアリング操作の妨げになってしまいます…。
そこにスラストベアリングを入れる事で、スプリングが滑り、スプリングに掛かるよじれる力を逃す事が出来るのです。
そのため、ステアリング操作のレスポンス向上に繋がります。
スプリングからの異音解消
車高調を入れているユーザーの中で、ハンドルを切った際にバネから異音が発生した経験がある方はいませんか?
それは、先程解説したスプリングに掛かるよじれる力が影響しています。
よじれる力がバネに掛かった際、限界までバネが踏ん張るのですが、限界を迎えるとバネが耐えられなくなり戻ります。
この時に異音が発生します。
スラストベアリングを入れる事で、バネによじれる力が掛かった際に、バネが踏ん張らなくなります。
そうすれば、初めからバネが回ってくれるので異音がしなくなるのです。
他にもバネからの異音を解消する方法はあります。詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
乗り心地が良くなる
最後に乗り心地の向上について解説します。
これはスプリングの動きが滑らかになるため、ストロークがスムーズになり、乗り心地が良くなるのです。
バネが縮む際にはバネに回転する動きが生じます。
しかし、バネが回転する力を受けても、車重の掛かっているバネは思い通りの動きが出来ません。
そこで、スラストベアリングを入れてあげる事で、バネにストレスがなくなり回転出来るようになるので、バネの伸び縮みがスムーズになります。
これが乗り心地が良くなる理由です。
とは言え、乗り心地の向上は微々たるものです…
体感できる人もいれば、出来ない人もいると思います。
スラストベアリングによる乗り心地が向上する理由についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
スラストベアリングをおすすめするユーザー
スラストベアリングをおすすめ出来るユーザーの特徴は【ストラット構造】のサスペンションを採用する車に乗っている方です。
スラストベアリングに関する3つの効果を紹介しました。
- ステアリング操作のレスポンス向上
- スプリングからの異音解消
- 乗り心地が良くなる
この全ての効果を期待出来るのはストラットです。
これは、車高調とステアリングが直接連結されていることが理由です。
そのため、ダブルウィッシュボーンやマルチリンクのサスペンションには、純正からスラストベアリングが入っている車はありません。
- ダブルウィッシュボーン
- マルチリンク
- アクスル
これらの構造では、ステアリングの動きとバネの動きが直接関連しないので、スラストベアリングの御礼を受け難いです。
もちろん、無意味という訳ではありませんが、効果は薄いという事です。
その反面で、ストラットの場合は純正のサスペンションにもスラストベアリングが使われる事があります。
以前乗っていた、ミニクーパーとBMWの320iはそうでした。
まとめ
スラストベアリングを入れて事で体感できる効果は以下の通りです。
- ステアリング操作のレスポンス向上
- バネからの異音解消
- 乗り心地の向上
特に効果を大いに体感できる【ストラット車】にはおすすめのパーツです。
その反面、セダン等のユーザーは効果が薄いので、それ程重要視される部品では無いと思います。
僕自身は、ストラット車には全て取り付けていますが、それ以外のサスペンションの場合は使いません。
それでは!
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