純正サスペンションには無いのに、車高調にはスラストシートが入っている。
アレって何の効果があるのか?
そんな疑問をちょくちょく耳にする事があります。
スラストシートを入れて得られる効果は主に2つあります。
そこで記事ではスラストシートにある2つの効果について解説します。最後に合わせて交換時期についてもお話しします。
スラストシートとは?
スラストシートとは、スプリングとスプリングシートの間に挟まれている、シリコン製(プラスチック製)の薄いシートです。
ちなみにこれ。金額は結構安いです。
スラストシートのスラストには、回転軸の軸方向に掛かる力を意味します。
つまり、スラストシートとは回転軸の軸方向に掛かる力を受け止めるものです。
車高調のスラストシートが持つ効果とは?
冒頭でもお伝えした通り、車高調にスラストシートを入れて得られる効果は2つあります。
- スプリングシートのダメージ軽減
- スプリングの動きを良くする
この2つがスラストシートの効果です。
順番に1つずつ解説していきます。
スプリングシートのダメージ軽減
スラストシートはスプリングとスプリングシートの間に挟んで使います。
この時、バネとスプリングシートの素材を比較してみると…
- スプリング バネ鋼
- スプリングシート アルミ
もちろん、アルミの方が柔らかいので、スプリングシートが摩擦によって摩耗してしまいます。
そこにスラストシートを1枚挟む事によって、スプリングシートの摩耗を遅らせる事が可能です。
これが1つ目の効果です。
スプリングの動きを良くする
車高調のスラストシートには、スプリングの動きを良くして、乗り心地の向上効果もあります。
スプリングは1本のバネ鋼をコイリングして製造されています。
そのため、スプリングが縮まる際には、スプリングによじれる力が働きます。(スプリングが回転しようとする力)
そこにスプリングシートを入れる事で、スプリングがシートの上を滑りよじれる力を逃してあげる事が出来ます。
スラストシートを2枚重ねて滑りをよりよくする思考があるメーカーもあります。
スプリングに掛かるよじれる力を逃してやることで、スプリングの動きをスムーズにしてあげるのがスラストシートの効果です。
スラストシートが入っていなかったり、スラストシートの上をスプリングが上手く滑らなくなると、バネから異音が出てしまう場合もあります。
スプリングに力が掛かった時に、スプリングがストレスを溜め込み、それが発散する時にバネが鳴る事があります。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
純正サスペンションには何故付いていない?
これには2つ理由があります。
- バネの形状
- バネ受けの形状
車高調と純正サスペンションのバネの形状を比較すると分かりやすいです。
車高調のスプリングは、両接地が平らになっているのに比べて純正サスペンションのバネは平ではありません。
バネの接地面が平らになっているものを【直巻きスプリング】と言います。
- 上側 車高調用のバネ
- 下側 純正のバネ
純正のサスペンションに使われているバネは、バネ受け側の溝にハマり動かない構造になっているのでスラストシートがいりません。
また、純正サスペンションの場合、バネ受け(車高調で言うスプリングシート)もアルミではないので摩耗し難いです。
これが純正サスペンションにスラストシートが使われない理由です。
スラストシートの交換時期
スラストシートは人によって交換する人、全くしない人の2局化だと思います。
- スラストシートに穴が空いた時
- 車高調を取り外す機会(車検)
まず1つはスラストシートに穴が空いてしまった時です。穴が空いてしまっていてはスラストシートの役割は果たせないので、交換しましょう。
後の車高調を取り外す機会に!と言うのはあくまで僕の考え方です。
僕自身、面倒くさがりなので1度付けた車高調は、ほとんど外す機会はありません。
そのため、外す時は全てバラし洗浄するので、ついでにスラストシートを新品に交換しています。
スラストシートは金額も安いし、穴が空いたタイミングで気がつけるか?と言えばそうではありません。
そのため、車高調をバラしたタイミングで新品に交換してしまうのも1つの考え方だと思います。
真似しろ!とは言ってませんからね。
まとめ
この記事をまとめると…
スラストシートの効果は以下の通り。
- スプリングシートのダメージ軽減
- スプリングの動きを良くする
スラストシートはスプリングの動きを良くしたり、スプリングシートを守る大切なパーツです。
ペラッペラで頼りなく見えますが、結構大事です。
それでは!
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