クランクシャフトのウッドラフキーって何のためにある部品なんだろう…。絶対に付いていないとダメなのかな?
こんな疑問を持たれる方も珍しくありません。
そこでこの記事では、クランクシャフトに組み込まれているウッドラフキーとはどんな役割があるのか?というテーマでお話ししていきます。エンジンに対する知見が全くない人にも分かりやすく紹介していくつもりです。
【クランクシャフト】ウッドラフキーとは?どんな役割がある?
クランクシャフトに取り付けられているウッドラフキーとは、フライホイールを取り付けする際に、迷うことなく簡単にかつ正確な位置に合わせが出来る様にするための位置決めキーの役割があります。
エンジンの組み付け時はもちろんですが、エンジンを掛けている間に、フライホイールが遠心力に負けて回ってしまうことが無いように、フライホイールの位置をロックする役割もあります。
フライホイール側にも、ウッドラフキーがハマる溝が彫ってあり、クランクシャフトからはみ出たウッドラフキーにすっぽりハマるような形状になっています。
ちなみに、ウッドラフキーの全貌はこのような半月型の形状になっています。
このキーがあることによって、クランクシャフトに対して、フライホイールの取り付け位置は毎回同じ位置で固定することが出来ます。
このウッドラフキーがもし無い状態でフライホイールを取り付けしようとした場合、クランクシャフトに対して、どの向きでフライホイールを固定して良いのか分からない状態になってしまいます。
もし、ウッドラフキーを付けない状態で、フライホイールを組み付けてしまうと、クランクシャフトの動きと点火するタイミングが噛み合わない状態になってしまうため、エンジンの調子が悪くなったり、エンジンが掛からない状態になってしまいます。
※奇跡的に、バッチリの固定場所で固定できるかもしれませんが…。先ほどもお伝した通り、エンジン始動時に遠心力によってフライホイールの位置が変わってしまわないようにする役割もあるので、ウッドラフキーがない状態だと、フライホイールの位置が変わってしまうかも。
それだけならまだ良いのですが、間違った位置に固定したフライホイールを基準に、バルブタイミングを合わせてしまうと、ピストンとバルブが干渉してエンジンが破損する恐れも…。
なぜ脱着できる構造にするのか?
そんなに大切な部品であれば、キーをはめる構造ではなくクランクシャフトを製造する段階から、位置決めの出っ張りを作れば良くない?
こんな疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。これにはちゃんと理由があり、ウッドラフキーを使用し、脱着可能にしている理由は、そうしないとクランクシャフトの組み付け(バラし)が出来ないためです。
ウッドラフキーではなく、クランクシャフトそのものを出っ張らせてしまうと、その先にあるカムチェーンスプロケット(ギア)やクランクシャフトベアリングの脱着が出来なくなります。
そんな理由からウッドラフキーが使用されています。
まとめ
クランクシャフトに取り付けられているウッドラフキーとは、クランクシャフトにフライホイールを取り付ける際の位置決めを行っているキーの役割があります。
このウッドラフキーがあるおかげで、誰にでも簡単にフライホイールの取り付け位置に迷うことなく、正確な位置でフライホイールの固定が可能になっています。
もし、ウッドラフキーを付けない状態で、フライホイールを組み付けてしまうと、クランクシャフトの動きと点火するタイミングが噛み合わない状態になってしまうため、エンジンの調子が悪くなったり、エンジンが掛からない状態になってしまいます。
小さくて少し目を離したら、どこかに無くしてしまいそうな部品だし、いくらもしない安い部品ですが、エンジンの中では無くてはならない重要な部品です。
それでは。
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