どんな車のアームを交換する場合でも、多くの共通するポイントというのがあります。
これを最低限押さえておくだけで、多くの車でのアーム交換がスムーズに行えます。
この車のアームは交換した事無いから交換出来ないよ…。そんな事が無くなります。(絶対では無い)
この記事では、これから足回りのアーム交換を行う全てのユーザーに向けて必ず役に立つ5つのポイントを解説していきます。
- アッパーアーム
- ロアアーム
- トーコントロールアーム
- テンションロッドアーム
全てのアーム交換に当てはまる内容です。
アーム交換のやり方は大体同じ
まず初めに知っておいてもらいたいのが、アーム交換のやり方というのは、多くの車で共通する点が大半という事です。
よく、僕の周りでも耳にするのが…
この車のアーム交換はやった事が無いからできない。やり方が分からない。
そんな声を耳にする事がありますが、これは諦めが早過ぎです。
もちろん、車種ごとにそれぞれ取り付け位置が異なったり、ボルトのサイズが違うと言った異なる部分はあります。
それは当然です。作っているメーカーが違いますからね。
でも、基本さえ押さえておけば、どんな車でもサスペンション構造を観察し交換する事は可能です。
アーム交換における5つのポイント
- 車をウマに掛けて左右同時作業
- ボールジョイントプーラーが必要な場合アリ
- ボルトを外す順番も大事
- ジャッキを使いながら作業する
- 長い工具を用意する
ここで紹介する5つのポイントというのは、アーム交換を行う前に必要最低限押さえておくべきポイントです。
1つずつ順番に詳しく解説していきます。
車をウマに掛けて左右同時作業
アーム交換を行う際は、必ず車を左右持ち上げてウマ(リジットラック)を掛けた状態で作業します。
片側ずつ、ジャッキを掛けて交換している人もいますが、危険+作業効率が悪いです。
足回りのボルトは、かなりのトルクで締められており、緩める際に車がジャッキから外れてしまうという危険を避けるためもありますが…
1番の理由はそこではありません。(もちろん安全はめちゃめちゃ大事)
■ウマに車を乗せて左右同時作業する理由
- スタビライザーをフリーにするため
アームを交換する際、スタビライザーなんて関係無いじゃん?
そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、足回りのアームを脱着する際には、スタビライザーが効いている状態では外せても付けられなかったり、付けるのに手間取る場合があります。
そんな理由から、必ず左右を持ち上げた状態でアームを交換しましょう。
プーラーが必要な場合アリ
足回りのアームには、取り外す際にボールジョイントプーラーが必要になる場合があります。
これは、アームの取り付け部分にボールジョイントが使われている場合があるためです。
ボールジョイントによる固定方法は、ボールジョイント側とボールジョイントが入る側の受け部分がテーパー状になっており、ナットを緩めてもアームは外せません。
そのため、アームの交換を行う前に、取り付けるアームを見て、ボールジョイントが使われているかどうかを確認しておきましょう。
あくまで一例ですが、トヨタ車のフロントアッパーアームや、リアのアッパーアームにはボールジョイントが使われています。
場合によってはギアプーラーの方が使いやすい時もあります。
ちなみにこれ。
個人的にはこちらの方がよく使います。
2本の爪でジョイントが入っている側を押さえて、真ん中のボルトを締め込み、ジョイントを押し上げて抜く仕組みです。
仕組みに関してはどちらも同じです。
どちらにせよ、安いものもたくさん売っているので、両方買って持っていると作業に困らないです。
アームを取り付ける順番も大事
アームを外す場合は、手前から外しても奥側から外してもあまり作業効率に大きく影響する事はありません。
しかし、取り付ける場合はボルトで固定する順番も大切です。
■アームを取り付ける手順は…
- 奥側→手前
取り付ける時は、先にアームを奥側に固定してから手前を固定するようにしましょう。
これは、奥側がアームの基準になるためです。
アームが固定される奥側というのは、フレームだったり、サスペンションメンバーなどに固定される場合が大半です。
そのため、奥側の取り付け位置は動きません。
その一方で、手前側というのは、ハブだったりナックルに連結されるのですが、こちら側は稼働します。
つまり、アームを固定する穴位置自体を稼働させる事ができ、ボルトやナットの固定が楽です。
そんな理由から、アームを取り付ける場合は先に奥側に固定してから手前を固定する様にしましょう。
奥側のボルトを通した後は、まだ本締めしてはいけません。先に奥側のボルトを締めてしまうとアームの稼働域が減り、手前の固定が大変になります。
ジャッキを使いながらアームを取り付ける
アームの取り付けを行う際は、ジャッキを使いながら作業するとスムーズでかつ、楽に作業する事が出来ます。
アームを取り付ける際、なかなかアームの取り付け穴と車体側の取り付け穴はうまく合ってくれません。
もちろん、穴位置がお互いに合わない限り、ボルトを通す事は出来ません。
この時、穴位置を合わせるのにジャッキを使うと作業がスムーズです。
■イメージ画像
これは実際に、BMWにアッパーアームを組み込んだ際の写真です。
ジャッキを掛けて、ハブの位置をあげることで、アームの取り付け穴を合わせてボルトが固定できるようにしてあげます。
ハブを手で持ち上げても作業可能ですが、ジャッキを使うと力もいらないし、微調整もしやすいので頭に入れておきましょう。
長い工具を用意する
足回りを固定しているボルトは固い!と認識されている方も多いかもしれませんが、特にアームのボルトは固い場合がよくあります。
特に年式が古い車にありがちです。
理由は簡単で、アームの取り付けボルトを外す機会ってほとんどない場合が多いんです。
そのため、サビ等によって余計に固くなってしまっている場合も良くあります。
そのため、必ず長い工具(テコが使える)を用意しておきましょう。
アームの取り付け部分は、奥まっている場所にあり工具が入れるスペースが限られている車も多いです。
もし、これから工具を購入する方は、1度タイヤを外してアームの取り付け部分を確認しておく事をお勧めします。
足回りの固いボルトを緩めるポイントについたはこちらの記事でより詳しく解説しています。
まとめ
ここで紹介した5つのポイントは、これからアーム交換をする方にとって必要最低限の基礎知識です。
おさらいしておくと…
- 車をウマに掛けて左右同時作業
- ボールジョイントプーラーが必要な場合アリ
- ボルトを外す順番も大事
- ジャッキを使いながら作業する
- 長い工具を用意する
このポイントを全て頭に入れておけば、多くの車種でのアーム交換を行うことが可能です。
実際に僕自身もこのポイントを押さえつつ、多車種のアーム交換を行ってきました。ぜひ頭の片隅に置いておいて下さい。
作業時は細心の注意を払って作業しましょう。
それでは。
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