ロアアームが破損するというパターンは滅多に起こりうるトラブルではありませんが、可能性がゼロと言う訳でもありません。
そこでこの記事では、ロアアームが破損する4つの原因をテーマにお話ししていきます。
一概にロアアームの破損と言っても破損の仕方にも複数あるので、その辺も交えながら紹介していきます。
ロアアームが破損する4つの原因
ロアアームが破損してしまう原因は、大きく分けて以下の3つになります。
- サビによるロアアーム本体の劣化
- 走行距離や年数による経年劣化
- ゴムブーツの破れにより、ボールジョイントのガタ
- 事故による前後方法への負荷
サビによるロアアーム本体の劣化
特に雪国にありがちな破損原因ですが、ロアアームは車体の下側に取り付けられているため、塩化カルシウム(塩カル)の影響を受けて著しく、サビサビになってしまう場合があります。
このサビによって、ロアアームを作っている金属部分が劣化し、脆くなったところに大きな衝撃が加わることによって、ロアアーム本体が折れてしまう原因につながる場合があります。
かなり稀なケースではありますが、事故等がない状態にも関わらず、ロアアームが折れたり亀裂が入ったり、曲がってしまったりといった破損をした場合の原因はここに尽きます…。
余談ですが、雪国プラス沿海近くに住んでいたり、生活拠点がそれに該当するユーザーはダブルパンチです…。
錆がすでに進行している場合は、手遅れですがそうではない状態であれば、シャーシブラックを塗っておくのも1つの対策方法に繋がります。シャーシブラックは車のした周りに使用する、錆止め用の黒色の塗料です。
走行距離や年数による経年劣化
走行距離や新車時から年数が経つにつれて、ロアアームに組み付けられている部品達は劣化していきます。
- ボールジョイント
- ゴムブッシュ
先ほどのロアアーム本体が折れたり、曲ったりという破損が全てではなく、車体(ナックルやサスペンションメンバー)に固定する箇所が、破損してしまうケースがロアアームにとってはより起こりうる破損になります。
ここに関しては、ロアアームの寿命ってやつですね。
いきなり破損する訳ではなく、状態の悪さを放置しつつそのロアアームを交換せずに使い続けた末路が破損に繋がります。
ゴムブーツの破れにより、ボールジョイントのガタ
先ほどは寿命とお伝えしましたが、ゴムブッシュではなくボールジョイント側に関しては、寿命以外にも破損の原因になるケースがあります。
ボールジョイント部分には、グリスを常にボールジョイント部分に残しておく目的と、雨水や砂利の侵入を防ぐゴムブーツが被せてあるのですが、これが破れたまま走行していると、ボールジョイントのグリスが切れて、かつゴミのが侵入してしまい、ボールジョイントのボール部分を削り、ガタが発生する原因に繋がります。
ガタにすぐ気が付き、交換すればそれほど大きな問題にはなりませんが、ガタがある状態に気が付かず、そのまま乗り続けていると、ボールジョイントが外れてしまうと言う破損状態に陥るケースがあります…。
スズキ車のボールジョイントで起こりがちな破損状態です。
これに関しては、ブーツの破れを放置することなく、すぐに交換すれば対処出来る問題ですので、ブーツの破れに気が付いたら早い段階での交換をお勧めします。
事故による前後方法への負荷
最後はロアアームが折れたり、曲ったりといったアーム本体が破損してしまうケースです。
これに関しては、先ほども挙げた錆がかなり深刻な状態まで進んでおり、ロアアーム本体の強度が保てていない状態に加えて、事故を起こしたり、縁石に車を乗り上げてしまったような事故を起こした際に、ありがちな破損です。
あとはドリフト走行している際にも起こりうる話ですが、この記事に辿り着く人の中には無縁な人が大半だと思いますので、あまり深くは踏み込まないことにします。
ロアアームは上下方向への可動(サスペンションのストローク)には強いですが、横方向(前後)からの力には大きなストレスが掛かります。もっと言うと、車のタイヤを前後方向へズレないようにしている部品は、【ロアアームしかない】サスペンション構造も多く、ロアアームが破損してしまいます。
※ロアアームが無いと、タイヤが前後方向に自在に動けてしまう構造も多いです。
また、車体価格が高い車やスポーティーな車にありがちですが、車両重量を軽くするために、ロアアームを始めとするサスペンションアーム類をアルミで作っている車も存在し、鉄のロアアームよりも破損しやすくなっています。
まとめ
事故や縁石に乗り上げしまうなどが原因でロアアームが破損してしまう場合に関しては、未然に防ぐことが出来ないのでどうすることも出来ませんが、その他の破損原因に関しては、事前に交換していれば防げる場合がほとんどです。
- ロアアーム本体のサビ
- ゴムブッシュの劣化
- ボールジョイントブーツの破れ
これら3点を確認しておけば、ロアアームが破損してしまうような事態にはそうそうなりません。
ロアアーム本体のサビに関しては、多少のサビはどんな車にも起こりうるので判断が難しいかもしれませんが…。
ロアアームの劣化に伴う部品交換に関しては、ダメになったボールジョイント部分だけ。ゴムブッシュだけ。の交換ではなくassyでの交換が一般的です。
それでは。
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