車高を下げたら、キャスター角がズレてしまったので調整(補正)をしたいのですが、キャスター角はどのような方法で調整が出来ますか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、キャスター角の調整方法についてお話ししていきます。
キャスター角の調整方法
サスペンション構造や車種によってキャスター角の調整方法は異なります。
- テンションロッドで調整する
- ロアアームの加工で調整する
- ブッシュ交換で調整する
- 2wayタイプの調整式アッパーマウントで調整する
アクスル構造のサスペンションに関しては、ここで紹介する4つの方法がどれも適応しません…。アクスル構造のキャスター角調整に関しては、こちらの記事をご覧ください。
テンションロッドで調整する
もっとも気軽にキャスター角を調整する方法として、テンションロッドを調整式に交換して、キャスター角の調整を行う方法があります。
車種によっては、純正のテンションロッドが【偏心ボルト】になっていて、テンションロッドアームそのものを社外品に交換せずとも、キャスター角を調整することが可能です。
ただし、車によってはテンションロッドが存在しない場合もあります。マルチリンクの車に取り付けられていることが多く、ストラット車等には存在しないケースが大半です。
ただ、ドリフトによく使われれるシルビアやローレル等の日産車のストラットにはテンションロッドが存在するため、テンションロッドにてキャスター角の調整が可能です。
ロアアームの加工で調整する
テンションロッドがついていない車の場合、ロアアームを加工することでキャスター角を調整することが可能です。ただし、ロアアームを一度切断し、溶接にてナックル位置をズラすことで車高調の角度を強制的に調整するため、加工後の調整が効きません…。
テンションロッドの調整と同様に、ナックルの位置を変更することでキャスター角の調整が可能になります。
ブッシュ交換で調整する
車種によっては、ロアアームの取り付けブッシュを変更することで、キャスター角の調整が可能な場合もあります。
ロアアームの固定部分に使われているゴムブッシュの穴位置が、真ん中ではなくズレた位置に設けられており、簡易的にロアアームの固定位置を前後にズラしてキャスター角を調整する方法です。
ロアアームの固定部分に使われているゴムブッシュの穴位置が、真ん中ではなくズレた位置に設けられており、簡易的にロアアームの固定位置を前後にズラしてキャスター角を調整する方法です。
これは車種によって、そのような部品が出ているかどうか変わってくるので、かなり限られた車種向けのニッチな情報になってしまいますが…。
2wayタイプの調整式アッパーマウントで調整する
※画像出典:HKSホームページより
2wayタイプの調整式アッパーマウントは見たことがない人もいらっしゃるかもしれませんが、キャンバー調整に加えてキャスター角の調整も同時に行えるパーツです。
従来の調整式アッパーマウントの場合は、キャンバー角の調整しか出来ませんので、ピロボールの可動方向は1方向しかありませんが、2wayタイプはその名の通り、2方向への調整が可能です。
つまり、キャンバー調整用の可動域に加えて左右方向への調整が可能です。
日本の有名メーカーだと、【HKS】さんから2wayタイプの調整式アッパーマウントが出ています。
※2022年現在、単品での販売は終了しているみたいですが、車高調とのセット購入は可能なようです。
調整方法によってはホイールベースが変わる
キャスター角を調整するとなると、調整のやり方次第ではホイールベースが変わってしまいます、車高を下げたことで、キャスター角がズレていまい、ホイールの位置が前方にズレているようなケースであれば、それでも問題ないと思います。
ただ、走行性能を加味してキャスター角を調整を検討されている方もいらっしゃると思います。
そのような方の場合は、ホイールベースが変わってしまうと宜しくないケースもあると思います。その辺りは、自分に合った調整方法を吟味したほうが良いと思います。
- テンションロッド
- ロアアームの加工
- ブッシュでの補正
この3つの調整方法の場合、ナックルの位置をズラすことでことでキャスター角を変更するため、大なり小なりホイールベースが変わってしまいます。
もし、ホイールベースを変えずに、キャスター角の調整を行いたい場合は、【2way式の調整アッパーマウント】を使って、車高調の角度を変えて調整してやる必要があります。
この辺に関しては、人それぞれの目的が違うと思うので、一概にどの調整方法が良いか悪いを断言することが出来ません。
まとめ
キャスター角の調整方法は先ほど紹介した通り、複数の調整方法があります。
- テンションロッドで調整する
- ロアアームの加工で調整する
- ブッシュ交換で調整する
- 2wayタイプの調整式アッパーマウントで調整する
ただし車種によっては、テンションロッドが存在しない場合もありますので、全ての車種で全ての調整方法が選択できるわけではないので、ご自身の乗っている車のサスペンション構造を理解しておく必要があります。
また、キャスター角を調整する際には、車高調そのものの角度だけをズラしてキャスター角の調整をするのか、ナックルの位置をズラすことでキャスター角を調整するのか。大きく分けると、2つの調整方法が存在します。
この辺りも自分の目的に合った、調整方法を選択してやる必要があります。
アクスル構造の車に関しては、キャスター角の調整方法が少し独特になりますので、別途でこちらの記事を用意しております。
それでは。
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