先日、友人に車をレンタルしていたところ、ムーヴのラジエターがクーラント漏れを起こしているとのこと…。
車を確認すると、ラジエターのアッパータンクからガッツリ漏れています。
そこでL175Sのラジエター交換を行いましたので、作業手順について解説していきます。
使用する工具
- ラチェット
- ソケット
- クリップ外し
- プラスドライバー
- ピックツール
- プライヤー
※一部、フロントバンパーの脱着のみ使用する工具も含まれております。
【L175S】ラジエター交換のやり方
作業手順は以下の通りです。
- フロントバンパーを外す
- 助手席側のヘッドライトをズラす
- コアサポートを外す
- リーンホースメントを外す
- ホース類を外す
- コンデンサーとファンを切り離す
- ラジエターを引き抜く
- 逆の手順で新しいラジエターを組み付ける
- クーラントを補充しエア抜きする
フロントバンパーの外し方はこちらの記事で解説しているんで、割愛します。
助手席側のヘッドライトをズラす
まず始めにコアサポートの脱着に伴い、助手席側のヘッドライトが邪魔になるので、固定箇所を全て外しヘッドライトを少しだけずらしておきます。
ヘッドライトのステーが若干邪魔になるぐらいなので、配線類は外さず少しズラせば作業可能です。
ここまで分解したら、外しちゃっても良いぐらいですけどね…。
コアサポートを外す
ヘッドライトをズラしたら、矢印と丸印があるボルト4本を10ミリのソケットで外します。画面右側の矢印部分のボルトがヘッドライトと被っているので、ヘッドライトをズラして作業しました。
多分そのままでは、ボルトが外せないと思います。
※整備書を見ている訳ではないので、詳しくは知りませんが多分無理。
ボルト4本を外したら、ボンネットのキャッチを固定しているボルト4本も外します。キャッチが取り付けてある状態では、コアサポートが完全に外せません。こちらのボルトも全て10ミリ。
※矢印部分が少し見えづらいので見落としがち。
リーンホースメントを外す
コアサポートが外せたら、その下にある左右を繋いでいるリーンホースメントも外しちゃいます。
- 12ミリのボルトが左右2本ずつ
- 10ミリのボルトが左右1本ずつ
ここに関しては、外さなくても作業出来そうですが、コンデンサーを手前に逃がしたいので、外しました。
ホース類を外す
ここまで来たら、ラジエターに挿してあるホースを全て抜き取ります。
- アッパーホース
- ロアホース
- ATFのホース2本
ホース類を抜く際には、ピックツールでホース内を1周なぞるようにエアを入れ込むと、簡単に外せます。数100円で購入できるものでも十分なので購入しておくことをお勧めします。今後使うことが無くても、損ではないレベルです。
ターボ車の場合は、車体正面から見て左上側にタービン側に繋がるホースが1本多めにあります。外し忘れに注意です。
ATFのホースが繋がるホース2本は外すと、少量ではありますがATFが漏れてしまいます。そのため、外す際には12ミリのボルトを2本用意し、ホースに差し込んでおきます。
今回はリーンホースメントの固定ボルトを使用。
手際良くボルトを差し込めばほとんどATFは漏れません。スピーディーかつ、正確にホースの穴を捉えます。
サブタンクを固定するボルトは、画像やや左側に写っている10ミリのボルト1本だけ。(Dの印の真上)ここのボルトを外したら、ラジエターに繋がるホースを抜いて、タンクを一度左側にズラして外します。
もしホースがカチコチになっていたりヒビ割れが目立つ場合は、アッパーホースとロアホースを同時に交換しておくことをお勧めします。
コンデンサーとファンを切り離す
最後にラジエターに直接固定されているエアコンのコンデンサーと電動ファンを切り離しします。
- コンデンサーは上側に2本(10ミリ)のボルト
- 電動ファンは上側に爪が2つ
どちらも下側に関しては、上から差し込んであるだけなので、上側の固定を外したら持ち上げるようにすれば、ラジエターとの連結が外せます。
一旦持ち上げ、サイドにズラして置いておくイメージです。
今回は、電動ファンは車体側に置き去りにしてラジエターのみを引き抜きました。
もしファンを一緒に引き抜く場合はATFホースを固定している10ミリのボルトを外してやる必要があります。あと、電動ファンのカプラーも。
ラジエターを引き抜く
あとはラジエターを上に引き抜くように取り外してやれば、ラジエターの回収が完了です。
ラジエターは捨てるのでどうなっても良いですが、周りのコンデンサーや電動ファンなどを傷付けないように注意です。特にエアコンコンデンサーのフィンや配管ですね。
外したラジエターは、アッパータンクのカシメ部分からの水漏れもありましたが、良く見ると一部にクラックもありますね。完全に末期です。
逆の手順で新しいラジエターを組み付ける
あとは逆の手順で新しいラジエターを元通りに組み付ければOKです。
今回は、純正の中古品を使用しています。社外新品の安物を使用するぐらいであれば、純正品の状態が良さそうな中古品を使用した方が100倍マシです。
5.6000千円ぐらいで売られている社外新品は絶対にお勧めしません…。一度使ったことがありますが、直ぐに水漏れ。その後代替え品を計3つ貰いましたが、どれも直ぐに終了…。返金してくれましたけどね。もう使いたいくない。
クーラントを補充しエア抜きする
ホース類を全て繋いだことを確認したら、クーラントを補充しエア抜きすれば作業完了です。
ファンが回るまで退屈なので、アイドリングさせている間に外していたリーンホースメントやコアサポ、フロントバンパー等を元通りに組み付け暇潰しをしなが待機ですね。
エア抜き方法はこちらの記事で紹介しているので、ここでは割愛します。
まとめ
1つ前のL150でもラジエター交換はやっていますが、この型式からはコアサポートにラジエターが挟み込んであるのですね。
そのため、コアサポートを外す必要がありますが、作業時間や手間に関してはそれほど変わらず作業が可能です。
交換後は、水漏れやATFの漏れがないかを確認し、確実にエア抜きをすればOKです。
今回、注文し忘れて交換しませんでしたが、本来であればサーモスタットも一緒に交換するのがセオリーです。
L175ムーヴは新しいイメージがありましたが、そろそろ13年が経過してくる車両も出始める時期ですから、ラジエターがパンクし出すのも無理ないですね…。
ラジエターを購入する場合は、ターボ車用とNA用があるので注意です。もっと言うとMTはまた別です。
もし修理までの時間稼ぎをしたいのであれば、ワコーズさんのストップリークが優秀です。僕自身も何度か使用したことがありますが、クーラント漏れがピタッと止まります。(早めに直すに越したことはありませんが…。)
それでは。
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