トー角がズレた際に行う、タイロッド調整をする際にはタイロッドの負担を考え、ジャッキアップして行うべきですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、タイロッド調整を行う際には、車をジャッキアップした状態で行うのか?と言うテーマーでお話ししてきます。結論、ジャッキアップせずに調整を行います。
タイロッド調整はジャッキアップして行いますか?
結論はすでにタイトルでも冒頭でもお伝え済みですが、タイロッド調整をする際にはジャッキアップはしません。地面にタイヤを付けた状態で行います。
理由は車をジャッキアップしている状態でトー角を調整しても、車を地面に下ろした際、サスペンションに車重がかかり、車高が変化します。
つまり、ジャッキアップした状態でタイロッド調整をしてしまうと、本来合わせるべきである車高でのトー調整が出来ない状態になります。車を下ろした際にまたトーがズレてしまうと言うことです。
ジャッキアップしてしまうと、サスペンションに車重が掛かりませんから、1G状態よりもハブの位置が下がります。その差でトー角はズレますからね…。
タイヤを地面に接地させた状態でタイロッドを回すと、負荷が掛かっている状態なので、少し回す際に回転し難いですが、そのぐらいの負担であれば、タイロッドが壊れるようなこともありませんし、ジャッキアップせずに調整して何の問題もありません。
ジャッキアップして調整する場合の注意点
基本的には、タイロッド調整を行う際にはジャッキアップした状態で作業することはありませんが、僕自身ジャッキアップした状態でタイロッド調整を行う場合もあります。
この時の注意点は…
- 車高調を外してタイヤの位置を1G状態にする
先ほどもお伝えしていますが、サスペンションが伸びきっている状態でタイロッド調整をしても、ズレが生じてしまいます。
それを防ぐために、車高調を外した状態で、ロアアーム等にジャッキを当てがい、タイヤの位置を1G状態にしてタイロッド調整を行う必要があります。
下の画像は車高調が外してある状態です。(車高調を外すなり、スプリングシートの位置をガッツリ下げて、バネを遊ばせ遊ばせておく必要があります。)
車高調とアームを組み込む際であれば、車高調を取り付け前に作業すれば効率も良くこのような方法が有効な場合もあります。
車高調を組む前に、車高が決まっていれば話ですが…。
あとは、明らかにタイロッド調整幅が多いようなケースであれば、ジャッキアップしているうちに、大凡でタイロッド調整をしておき、最後の微調整のみ地面に車を下ろしてから作業するのが効率は良いと思います。
あくまでもジャッキアップした状態でタイロッド調整を行う際は、車高調やらアームやらを一気に組み込む時。もしくは、ハンドルを切ることが出来ないリア側のトー調整を行う時だけです。
※リアの場合は、タイロッドではなく、トーコントロールアームの調整になりますが…。
まとめ
タイロッド調整を行う際には、車はジャッキアップせず、タイヤを地面に接地させた状態で作業するのが基本です。
ハンドルを全開に切った状態での作業になるものの、作業スペースが狭いので少し大変かもしれませんが…。
ジャッキアップした状態でタイロッド調整をしてしまうと、サスペンションに車重が掛かりタイヤの位置がズレてしまうので、その分トー角にもズレが生じてしまうので、狙った位置での調整が難しいのが理由です。
もし、どうしてもジャッキアップした状態でタイロッド調整をしたいのであれば、車高調を外すなりバネに遊びを作った状態で、1G状態のタイヤ位置を再現した状態での調整が必要です。
それでは。
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